50 / 114
49.最初の話題はもちろん
しおりを挟む
「今日のグルメマスターのご様子はどうでしたか?」
学園生活が始まってから、帰宅後の会話のスタートはこれと決まっている。
エドルドさんもまたグルメマスター信者なのだろう。
入学式に出席したのはグルメマスターの姿を拝みたかったからだろうと踏んでいる。
この世界にはビデオカメラがないため持参することはなかったが、あったら確実に私の隣の席を映していたことだろう。
文化祭や体育祭によく似たイベント事は入学式のような光景を目にすることになるのだろうか。イベント事はなるべく欠席しようと心に決めて、いつも通りの言葉を返す。
「相変わらずです。今日も選択する授業がことこどく満員になってました」
「そうですか」
納得するように小さく頷いてから、二つ目の話題へと移る。
「あなたの方はどうです?」
ついでのように聞かれるこれもお馴染みとなりつつある。
興味もないだろうに、わざわざ聞いてくれるのは優しさだろうか。とはいえ、私も毎日変わったことがある訳でもない。ここ数日返す言葉は同じものだ。
「今日もいくつか席にあぶれて科目を変更しました」
「そうですか」
いつも通りにそう答えて、そういえば今日は変わったことがあったな、と思い出す。
「ああ、そうそう。義弟さんに会いましたよ」
「義弟に?」
「はい。6限で遭遇しました。授業終了後に空き教室に連れ込まれまして」
「あ?」
あに濁点が付いたような声に思わず、食事の手を止めてしまう。
本当にエドルドさんから出た声だろうかと視線を上げた時にはすでにエドルドさんは普段通りの涼しい表情を浮かべていた。
「何かされたんですか?」
「わざわざ教室の鍵を締めて何をするのかと思えば」
「食事中にすみません。用事を思い出しました。ロザリアさんはそのまま食事を取って、食べ終わったら部屋に帰って構いませんので」
「え? あ、はい」
ナプキンで口を拭い、エドルドさんは早足で出て行ってしまった。ガットさんを呼ぶ声がここまで聞こえてきたということは外に出る用事があるのだろう。
食事を中断してまで済ませなければいけない用事とは大事に違いない。
それにしても今日の出来事の報告中に思い出す用事ってなんだろう。
家の仕事か何かだろうか?
ロザリアを紹介してくれと頼まれた、と続けて義弟さんの名前が『ジェラール=シャトレッド』なのか確認しようと思ったのに……。
エドルドさんが立ち上がったことで、一緒に食事をしていたマリアさんやユーガストさんも立ち上がってしまった。
私だけが食事を続けている状態だ。
下宿という名の居候の分際で、先に食事を済ませるのはどうなのかとも思うが家主が許可してくれたのだ。
ここで食事を中断して待っているというのも作ってくれたヤコブさんに申し訳が立たない。
ーーということで、私は静まりかえった部屋で一人ステーキを突く。
結局、食事が終わってもエドルドさん達が帰宅することはなかったので部屋へと戻って寝転がる。
名前の確認は出来なかったが、暇なので学園編ガイドブック? を収納から出して『ジェラール=シャトレッド』の項目を開く。やはりイラストの少年は昨日と変わらず、どこか自信なさげの表情を浮かべている。右腕を左手で押さえるなんて、義弟さんなら絶対にしなさそうなポーズを取っているが、改めて顔はよく似ていると思う。
この本に選ばれる基準ってなんなんだろう?
せめてめくることの出来ないページに書かれたものが読めるだけでも得られる情報は段違いなのに……。
錠前のマークさえ付いていれば、スキルのように解錠することが可能だが、お馴染みのマークはなかった。特定のイベントとやらを発生させることで解放していくしかないのだろう。
「袋とじになっていれば、ナイフで開けられるんだけどな~」
せめて特定のイベントの発生条件でも書いてくれればいいのに。無駄な抵抗だと分かっていても、どこかに小さく書かれていないかとイラストのページを念入りに捜索する。
すると発生条件ではないが、見覚えのない文字が一つ。
『ジェラール=シャトレッド 【chapter.1】が解放されました』
ページ数付近に小さく書かれたその文字は確かに昨日はなかった。しかも文字の横には矢印が書かれている。
次に進めということだろうか?
だがあいにくと次のページはイベントを起こさねば開けないのだ。
「特殊なイベントなんて起こした記憶もないし、そう簡単に……って開いた!」
昨日は開かなかったはずのページが簡単に開くではないか。
ということはジェラール=シャトレッドの項目が全て読めるようになったかと言えば、そうではない。
4ページ進めばページ数の横には矢印と共に『ジェラール=シャトレッド 【chapter.2】未解放』の文字がある。これ以降を読むためにはまた特殊なイベントとやらを発生させなければならないのだろう。
だが一体何が『イベント』になったのだろうか?
取得する授業か、それとも学園で顔を合わせたからなのか。きっかけになりうるものの特定が出来ないため、他の人物の項目もよく調べる。けれど解放されていないどころか、ジェラール以外の人物の項目には【chapter.1】の文字すらないのだ。おそらく【chapter.1】を解放することによって続く、2・3・4の矢印が発生するのだろう。
ややこしいな。
どこかに説明を書いておいてくれればいいのに! と文句を垂れつつ、ジェラールのページを開く。
好感度上昇選択肢や分岐ポイントが何を意味するのかは分からないが、chapter1では学園内で出会うことが重要視されるらしい。ロザリアから見たジェラールは~みたいなことが書かれていたが、勝手に決めないで欲しい。
どこか怯えたような彼を、とか思うならそれ以上話しかけるなよ! と誰が書いたか分からない文章に思わず突っ込みをいれてしまう。
実際の彼は私を見て盛大に顔を歪めることはあっても怯えることはないが、いっそのこと怯えてくれれば関わらずに済んだのにとは思う。
chapter.1の時と同様に解放条件は書かれていないが、おそらくここに書かれた行動を実際に試してみれば案外簡単に解放されるのかもしれない。
裏を返せば、その行動を回避さえしてしまえば『イベント』とやらを回避することが出来る可能性があるということだ。『イベント』や『chapter』が何を指しているのかは不明だが、私の脳内ではすでに『義弟さんが関わること=面倒事』になりつつある。
関わらなくて良いならそれに越したことはない。
記載されていた日時は来週の植物学の時間。
第2回の授業を欠席するということはその授業の取得を諦めるということでもあるが、仕方ない。
あの授業に出席していた生徒達には、義弟さんに手を引かれて教室を後にする姿を目撃されているのだ。
良からぬ噂が立っても困るし、どうせ6限の授業なのだ。
その曜日は毎週早く帰れるとプラスに考えることにしよう。
時間割表から『植物学』の文字を消す。
週の半分が経過した時点で、当初の予定からかなり変わってしまった。
思いのほかグルメマスターの出席率が高いのは、3年から王子の婚約者のお役目でも始まるからだろうか。
なにはともあれ、多めに考えておいて正解だった。
明後日で確定する時間割を眺めながら、明日以降も何事もありませんようにと願うのだった。
学園生活が始まってから、帰宅後の会話のスタートはこれと決まっている。
エドルドさんもまたグルメマスター信者なのだろう。
入学式に出席したのはグルメマスターの姿を拝みたかったからだろうと踏んでいる。
この世界にはビデオカメラがないため持参することはなかったが、あったら確実に私の隣の席を映していたことだろう。
文化祭や体育祭によく似たイベント事は入学式のような光景を目にすることになるのだろうか。イベント事はなるべく欠席しようと心に決めて、いつも通りの言葉を返す。
「相変わらずです。今日も選択する授業がことこどく満員になってました」
「そうですか」
納得するように小さく頷いてから、二つ目の話題へと移る。
「あなたの方はどうです?」
ついでのように聞かれるこれもお馴染みとなりつつある。
興味もないだろうに、わざわざ聞いてくれるのは優しさだろうか。とはいえ、私も毎日変わったことがある訳でもない。ここ数日返す言葉は同じものだ。
「今日もいくつか席にあぶれて科目を変更しました」
「そうですか」
いつも通りにそう答えて、そういえば今日は変わったことがあったな、と思い出す。
「ああ、そうそう。義弟さんに会いましたよ」
「義弟に?」
「はい。6限で遭遇しました。授業終了後に空き教室に連れ込まれまして」
「あ?」
あに濁点が付いたような声に思わず、食事の手を止めてしまう。
本当にエドルドさんから出た声だろうかと視線を上げた時にはすでにエドルドさんは普段通りの涼しい表情を浮かべていた。
「何かされたんですか?」
「わざわざ教室の鍵を締めて何をするのかと思えば」
「食事中にすみません。用事を思い出しました。ロザリアさんはそのまま食事を取って、食べ終わったら部屋に帰って構いませんので」
「え? あ、はい」
ナプキンで口を拭い、エドルドさんは早足で出て行ってしまった。ガットさんを呼ぶ声がここまで聞こえてきたということは外に出る用事があるのだろう。
食事を中断してまで済ませなければいけない用事とは大事に違いない。
それにしても今日の出来事の報告中に思い出す用事ってなんだろう。
家の仕事か何かだろうか?
ロザリアを紹介してくれと頼まれた、と続けて義弟さんの名前が『ジェラール=シャトレッド』なのか確認しようと思ったのに……。
エドルドさんが立ち上がったことで、一緒に食事をしていたマリアさんやユーガストさんも立ち上がってしまった。
私だけが食事を続けている状態だ。
下宿という名の居候の分際で、先に食事を済ませるのはどうなのかとも思うが家主が許可してくれたのだ。
ここで食事を中断して待っているというのも作ってくれたヤコブさんに申し訳が立たない。
ーーということで、私は静まりかえった部屋で一人ステーキを突く。
結局、食事が終わってもエドルドさん達が帰宅することはなかったので部屋へと戻って寝転がる。
名前の確認は出来なかったが、暇なので学園編ガイドブック? を収納から出して『ジェラール=シャトレッド』の項目を開く。やはりイラストの少年は昨日と変わらず、どこか自信なさげの表情を浮かべている。右腕を左手で押さえるなんて、義弟さんなら絶対にしなさそうなポーズを取っているが、改めて顔はよく似ていると思う。
この本に選ばれる基準ってなんなんだろう?
せめてめくることの出来ないページに書かれたものが読めるだけでも得られる情報は段違いなのに……。
錠前のマークさえ付いていれば、スキルのように解錠することが可能だが、お馴染みのマークはなかった。特定のイベントとやらを発生させることで解放していくしかないのだろう。
「袋とじになっていれば、ナイフで開けられるんだけどな~」
せめて特定のイベントの発生条件でも書いてくれればいいのに。無駄な抵抗だと分かっていても、どこかに小さく書かれていないかとイラストのページを念入りに捜索する。
すると発生条件ではないが、見覚えのない文字が一つ。
『ジェラール=シャトレッド 【chapter.1】が解放されました』
ページ数付近に小さく書かれたその文字は確かに昨日はなかった。しかも文字の横には矢印が書かれている。
次に進めということだろうか?
だがあいにくと次のページはイベントを起こさねば開けないのだ。
「特殊なイベントなんて起こした記憶もないし、そう簡単に……って開いた!」
昨日は開かなかったはずのページが簡単に開くではないか。
ということはジェラール=シャトレッドの項目が全て読めるようになったかと言えば、そうではない。
4ページ進めばページ数の横には矢印と共に『ジェラール=シャトレッド 【chapter.2】未解放』の文字がある。これ以降を読むためにはまた特殊なイベントとやらを発生させなければならないのだろう。
だが一体何が『イベント』になったのだろうか?
取得する授業か、それとも学園で顔を合わせたからなのか。きっかけになりうるものの特定が出来ないため、他の人物の項目もよく調べる。けれど解放されていないどころか、ジェラール以外の人物の項目には【chapter.1】の文字すらないのだ。おそらく【chapter.1】を解放することによって続く、2・3・4の矢印が発生するのだろう。
ややこしいな。
どこかに説明を書いておいてくれればいいのに! と文句を垂れつつ、ジェラールのページを開く。
好感度上昇選択肢や分岐ポイントが何を意味するのかは分からないが、chapter1では学園内で出会うことが重要視されるらしい。ロザリアから見たジェラールは~みたいなことが書かれていたが、勝手に決めないで欲しい。
どこか怯えたような彼を、とか思うならそれ以上話しかけるなよ! と誰が書いたか分からない文章に思わず突っ込みをいれてしまう。
実際の彼は私を見て盛大に顔を歪めることはあっても怯えることはないが、いっそのこと怯えてくれれば関わらずに済んだのにとは思う。
chapter.1の時と同様に解放条件は書かれていないが、おそらくここに書かれた行動を実際に試してみれば案外簡単に解放されるのかもしれない。
裏を返せば、その行動を回避さえしてしまえば『イベント』とやらを回避することが出来る可能性があるということだ。『イベント』や『chapter』が何を指しているのかは不明だが、私の脳内ではすでに『義弟さんが関わること=面倒事』になりつつある。
関わらなくて良いならそれに越したことはない。
記載されていた日時は来週の植物学の時間。
第2回の授業を欠席するということはその授業の取得を諦めるということでもあるが、仕方ない。
あの授業に出席していた生徒達には、義弟さんに手を引かれて教室を後にする姿を目撃されているのだ。
良からぬ噂が立っても困るし、どうせ6限の授業なのだ。
その曜日は毎週早く帰れるとプラスに考えることにしよう。
時間割表から『植物学』の文字を消す。
週の半分が経過した時点で、当初の予定からかなり変わってしまった。
思いのほかグルメマスターの出席率が高いのは、3年から王子の婚約者のお役目でも始まるからだろうか。
なにはともあれ、多めに考えておいて正解だった。
明後日で確定する時間割を眺めながら、明日以降も何事もありませんようにと願うのだった。
5
お気に入りに追加
787
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は薬師を目指す~悪役令嬢ってなんですの?~【短編版】
ゆうの
ファンタジー
公爵令嬢、ミネルヴァ・メディシスは時折夢に見る。「治癒の神力を授かることができなかった落ちこぼれのミネルヴァ・メディシス」が、婚約者である第一王子殿下と恋に落ちた男爵令嬢に毒を盛り、断罪される夢を。
――しかし、夢から覚めたミネルヴァは、そのたびに、思うのだ。「医者の家系《メディシス》に生まれた自分がよりによって誰かに毒を盛るなんて真似をするはずがないのに」と。
これは、「治癒の神力」を授かれなかったミネルヴァが、それでもメディシスの人間たろうと努力した、その先の話。
※ 様子見で(一応)短編として投稿します。反響次第では長編化しようかと(「その後」を含めて書きたいエピソードは山ほどある)。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる
レラン
恋愛
前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。
すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?
私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!
そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。
⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎
⚠︎誤字多発です⚠︎
⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎
⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。
hoo
恋愛
ほぅ……(溜息)
前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。
ですのに、どういうことでございましょう。
現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。
皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。
ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。
ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。
そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。
さあ始めますわよ。
婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒロインサイドストーリー始めました
『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』
↑ 統合しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる