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四章
8.バッカス=レトア
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「メリーズ嬢、演技上手いな」
「何も知らなかったらヤバい奴にしか見えないもんな~。俺もなるべく生徒会室の外では話したくないし」
入学式から早一ヶ月。
初日に考えたメリーズのキャラ付けが思いのほか役立っていた。生徒会室の外ではキャラを徹底しており、擬音語ばかり使う彼女には未だに慣れない。何を伝えたいのか分からないことがほとんどだ。とはいえ思いを汲み取るのは主にスチュワート王子とバッカスの役目。リガロはただ周りに警戒していればいい。大切なことがあれば朝の連絡時に伝えられる。
王子付きの使用人が淹れてくれたお茶を飲みながら、この調子でさっさと役目が終わらないものかと考える。休みの日はイーディスと出かけられているが、夜会やお茶会があれば二人きりという訳にはいかない。剣術大会なんてあった日には折角の休みが潰れてしまう。登校時と休みの日だけではイーディス分を補給するには足りず、離れている時間は彼女のことばかりを考えて過ごしている。今だって目の前に用意されたマドレーヌをイーディスに食べさせてあげたくてたまらない。頬を膨らましながらもごもごと口を動かす彼女を想像するとにやけてしまった。
「貴族のマナーや教養に不安があったのですが、変わった子のフリをしていると周りに全く人が来ないのでとても快適で……」
「そうは言ってもお前、入学前から基礎教養は貴族レベルに達しているしマナーも問題ない。後はダンスくらいだろ」
「皆様のおかげですわ。それにあまり長期間、イーディス様からリガロ様を奪う訳にはいきませんから」
苦しそうに胸を押さえるメリーズと共に行動するのも少し慣れてきた。何でも彼女はイーディスのファンらしい。貴族の間でも広がっていた乗馬ブームは、平民に伝わる際に少し形が変わって今ではイーディスは平民女性の憧れの的らしい。また彼女の故郷は領地の半分以上が牧草地らしく、リガロとイーディスによって始まった乗馬ブームで生活が豊かになったのだとか。初日に馬が~と言っていたのもイーディスを尊敬してのことらしい。リガロには平民の知り合いがいないため、彼女の言っていることがどこまで本当かは計りかねる。だが今のところ悪意のようなものは感じない。リガロのことを気にしてか、メリーズがイーディスと接触を図ろうとすることもなく、今のところはさほど警戒する必要はないと判断した。それよりももっと気を張らねばならぬ相手がいる。
「そのイーディス嬢はわりと元気にやってるがな」
バッカス=レトアである。たまたまイーディスと受講科目が被ったからと、ことあるごとにイーディストークに混ざりに来るのだ。社交性に長けており、メリーズと共にいる時も周りの生徒に目を配ったりと気遣いの出来る男であることは認める。それでいてスチュワート王子や剣聖の孫であるリガロに気を使いすぎることもなく、心地よい距離感を保ってくれる。正直、今まで近くにいなかったタイプだ。イーディスのことを知ったような口ぶりさえなければ、いい奴ではある。
「週に一回授業で見かけるくらいじゃ分からないと思うが?」
イーディスのことは婚約者である自分の方がよく知っているぞ、と暗に告げればバッカスは不思議そうに首を傾げた。
「もしかして王子から聞いてないのか? 俺、毎朝イーディス嬢達と図書館で会ってるんだよ」
「なんだと!?」
「入学式の数日後にたまたま図書館で会って、そこから仲良くなってな、キースとの情報共有もこの時に行っている」
「俺が我慢しているうちに……」
朝の図書館といえば、イーディスが毎朝早足で向かうマリアとの憩いの場である。マリアの婚約者であるキースは問題ないにしても、バッカスは恋人も婚約者もいない。いわばフリー状態である。たった半刻とはいえ、毎日会っていればイーディスの魅力も分かるというものだ。もっとしっかりと警戒しておくんだったと後悔してももう遅い。
「キースもマリア嬢も良い奴だから安心しろって」
グッと親指を立てるバッカスに苛立ちが沸き上がる。だが一カ月も接していれば、彼がいい奴なのはわかる。役目があるからと言い訳をして情報収集を怠ったリガロが悪い。固めた拳をバッカスに向ける訳にはいかず、机に振り下ろす。
「お前はどうか分からないだろ! くっ、朝の招集なんて無視すれば良かった」
「リガロに居なくなられたら困る。イーディス嬢と下校時間合わせるために連絡を朝に回しているんだからな」
「休みだってお前抜きで行動しているんだ。これ以上ワガママを言うな」
「だが俺が離れている間にバッカスがイーディスとの仲を深めたらどうする!」
「それはない」
「なぜそう言い切れる!」
「ああ、アルガの言う通り俺がイーディスに恋愛感情を持つことはない」
「イーディスに魅力がないとでも?」
イーディスが取られるのは気に食わないが、だからといって彼女の魅力を否定されるのも気に食わない。机に打ち付けた拳を今度は己の手の平に打ち付ければ、バッカスは「そうじゃないそうじゃない」と細かく左右に首を振る。
「魅力がないというか……。俺、この前廊下で話しているイーディス嬢とすれ違ったんだが、彼女の声ってバッカスの母親と似てるんだよな」
「声?」
「イーディス嬢とは本の趣味は合うし、良い子だとは思う。だがあの子はどんなに頑張っても姉妹にしか思えない。もちろんあの子が困っていたら手を貸すし、誰かに傷つけられたって言ったら多分俺はそいつに殴りかかる。マリア嬢にもそう答えたらすごい驚いてたし、自分でも変なこと言ってんなって思う。でも俺はあの子の声を聞いた瞬間、この子は大事にしなきゃなって思ったんだ」
「レクス家は家族意識高いからな~」
「その時、マリア嬢はなんと?」
「私は変だとは思いませんよ、だったかな? マリア嬢も似たような経験があるのかあの日から壁みたいなのなくなった気がするんだよな」
姉妹発言には引っかかるが、バッカスはすでにマリアのジャッジを受け、許されている。あの少女が許したのだ。ならばリガロが今さらとやかく言うようなこともないだろう。イーディスがなぜリガロに彼の存在を隠していたのかは気になるが、おそらく彼女はバッカスを友人として認めている。聖女の儀式が終わるまで一緒に居られないリガロが離れろといったところで機嫌を損ねるだけだろう。
「……これからもイーディスをよろしく頼む」
男が近づくのは正直不安だ。けれど全く知らない男が近づくよりはマシだと自分に言い聞かせる。
「ああ、イーディス嬢は俺の大事な友人だからな。儀式が終わってからも仲良くさせてもらうつもりだ」
バッカス=レトアは見た目こそ派手だが真面目な男だ。本が絡むと目に鋭さが帯びるが、イーディスの名前を呼ぶ彼の瞳は少しだけ和らいでいるように見えた。
「何も知らなかったらヤバい奴にしか見えないもんな~。俺もなるべく生徒会室の外では話したくないし」
入学式から早一ヶ月。
初日に考えたメリーズのキャラ付けが思いのほか役立っていた。生徒会室の外ではキャラを徹底しており、擬音語ばかり使う彼女には未だに慣れない。何を伝えたいのか分からないことがほとんどだ。とはいえ思いを汲み取るのは主にスチュワート王子とバッカスの役目。リガロはただ周りに警戒していればいい。大切なことがあれば朝の連絡時に伝えられる。
王子付きの使用人が淹れてくれたお茶を飲みながら、この調子でさっさと役目が終わらないものかと考える。休みの日はイーディスと出かけられているが、夜会やお茶会があれば二人きりという訳にはいかない。剣術大会なんてあった日には折角の休みが潰れてしまう。登校時と休みの日だけではイーディス分を補給するには足りず、離れている時間は彼女のことばかりを考えて過ごしている。今だって目の前に用意されたマドレーヌをイーディスに食べさせてあげたくてたまらない。頬を膨らましながらもごもごと口を動かす彼女を想像するとにやけてしまった。
「貴族のマナーや教養に不安があったのですが、変わった子のフリをしていると周りに全く人が来ないのでとても快適で……」
「そうは言ってもお前、入学前から基礎教養は貴族レベルに達しているしマナーも問題ない。後はダンスくらいだろ」
「皆様のおかげですわ。それにあまり長期間、イーディス様からリガロ様を奪う訳にはいきませんから」
苦しそうに胸を押さえるメリーズと共に行動するのも少し慣れてきた。何でも彼女はイーディスのファンらしい。貴族の間でも広がっていた乗馬ブームは、平民に伝わる際に少し形が変わって今ではイーディスは平民女性の憧れの的らしい。また彼女の故郷は領地の半分以上が牧草地らしく、リガロとイーディスによって始まった乗馬ブームで生活が豊かになったのだとか。初日に馬が~と言っていたのもイーディスを尊敬してのことらしい。リガロには平民の知り合いがいないため、彼女の言っていることがどこまで本当かは計りかねる。だが今のところ悪意のようなものは感じない。リガロのことを気にしてか、メリーズがイーディスと接触を図ろうとすることもなく、今のところはさほど警戒する必要はないと判断した。それよりももっと気を張らねばならぬ相手がいる。
「そのイーディス嬢はわりと元気にやってるがな」
バッカス=レトアである。たまたまイーディスと受講科目が被ったからと、ことあるごとにイーディストークに混ざりに来るのだ。社交性に長けており、メリーズと共にいる時も周りの生徒に目を配ったりと気遣いの出来る男であることは認める。それでいてスチュワート王子や剣聖の孫であるリガロに気を使いすぎることもなく、心地よい距離感を保ってくれる。正直、今まで近くにいなかったタイプだ。イーディスのことを知ったような口ぶりさえなければ、いい奴ではある。
「週に一回授業で見かけるくらいじゃ分からないと思うが?」
イーディスのことは婚約者である自分の方がよく知っているぞ、と暗に告げればバッカスは不思議そうに首を傾げた。
「もしかして王子から聞いてないのか? 俺、毎朝イーディス嬢達と図書館で会ってるんだよ」
「なんだと!?」
「入学式の数日後にたまたま図書館で会って、そこから仲良くなってな、キースとの情報共有もこの時に行っている」
「俺が我慢しているうちに……」
朝の図書館といえば、イーディスが毎朝早足で向かうマリアとの憩いの場である。マリアの婚約者であるキースは問題ないにしても、バッカスは恋人も婚約者もいない。いわばフリー状態である。たった半刻とはいえ、毎日会っていればイーディスの魅力も分かるというものだ。もっとしっかりと警戒しておくんだったと後悔してももう遅い。
「キースもマリア嬢も良い奴だから安心しろって」
グッと親指を立てるバッカスに苛立ちが沸き上がる。だが一カ月も接していれば、彼がいい奴なのはわかる。役目があるからと言い訳をして情報収集を怠ったリガロが悪い。固めた拳をバッカスに向ける訳にはいかず、机に振り下ろす。
「お前はどうか分からないだろ! くっ、朝の招集なんて無視すれば良かった」
「リガロに居なくなられたら困る。イーディス嬢と下校時間合わせるために連絡を朝に回しているんだからな」
「休みだってお前抜きで行動しているんだ。これ以上ワガママを言うな」
「だが俺が離れている間にバッカスがイーディスとの仲を深めたらどうする!」
「それはない」
「なぜそう言い切れる!」
「ああ、アルガの言う通り俺がイーディスに恋愛感情を持つことはない」
「イーディスに魅力がないとでも?」
イーディスが取られるのは気に食わないが、だからといって彼女の魅力を否定されるのも気に食わない。机に打ち付けた拳を今度は己の手の平に打ち付ければ、バッカスは「そうじゃないそうじゃない」と細かく左右に首を振る。
「魅力がないというか……。俺、この前廊下で話しているイーディス嬢とすれ違ったんだが、彼女の声ってバッカスの母親と似てるんだよな」
「声?」
「イーディス嬢とは本の趣味は合うし、良い子だとは思う。だがあの子はどんなに頑張っても姉妹にしか思えない。もちろんあの子が困っていたら手を貸すし、誰かに傷つけられたって言ったら多分俺はそいつに殴りかかる。マリア嬢にもそう答えたらすごい驚いてたし、自分でも変なこと言ってんなって思う。でも俺はあの子の声を聞いた瞬間、この子は大事にしなきゃなって思ったんだ」
「レクス家は家族意識高いからな~」
「その時、マリア嬢はなんと?」
「私は変だとは思いませんよ、だったかな? マリア嬢も似たような経験があるのかあの日から壁みたいなのなくなった気がするんだよな」
姉妹発言には引っかかるが、バッカスはすでにマリアのジャッジを受け、許されている。あの少女が許したのだ。ならばリガロが今さらとやかく言うようなこともないだろう。イーディスがなぜリガロに彼の存在を隠していたのかは気になるが、おそらく彼女はバッカスを友人として認めている。聖女の儀式が終わるまで一緒に居られないリガロが離れろといったところで機嫌を損ねるだけだろう。
「……これからもイーディスをよろしく頼む」
男が近づくのは正直不安だ。けれど全く知らない男が近づくよりはマシだと自分に言い聞かせる。
「ああ、イーディス嬢は俺の大事な友人だからな。儀式が終わってからも仲良くさせてもらうつもりだ」
バッカス=レトアは見た目こそ派手だが真面目な男だ。本が絡むと目に鋭さが帯びるが、イーディスの名前を呼ぶ彼の瞳は少しだけ和らいでいるように見えた。
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