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第六章
第六章2 ~人間のヴォールドさん~
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ヨウさんの影に隠れながら洞窟を出ると、そこには驚きの光景が広がっていました。
洞窟から出てすぐ横、森には入らない境界付近に、立派な木のテーブルと、丸太を活用した椅子が出来ていたからです。
いかにも大木から切り出した、という感じで造り自体は素朴でしたが、使うのに不便はなさそうです。
さらに、そのテーブルの上には、大きな木の葉っぱを皿代わりに、美味しそうな焼き魚が用意されています。木皿に盛り付けられたサラダらしきものもあり、いずれも簡単なものではありましたが、いかにも人間の食べる料理です。
「#”%#”」
男の人がぞんざいに木の椅子を私に示し、そして自分は示した椅子の対面に座りました。
どうやら、食べてもいいようです。
ついさっき裸を見られたばかりで、その相手の目の前に座るのは抵抗がありましたが、料理を用意してくれたのも彼です。
逃げ出したくなる恥ずかしさを堪えて、椅子に座りました。顔なんて見れません。だから男の人がどんな表情を浮かべているかもわかりませんでした。
ヨウさんは食べる必要がないからか、私の斜め後ろで控えてくれています。ヨウさんがいてくれる事実に少し安心し、改めてテーブルの上の料理を見ます。
「わぁ……美味しそうです」
こんな森の中で作ったにしては、どれも美味しそうな出来映えでした。
調理器具なんてほとんどないであろうこの森の中で、ここまでのものを作れるなんて。
いったいどういう立場の人かはわかりませんが、調理技術とサバイバル技術に長けた存在であることは間違いないようです。
私は彼に感謝し、手を合わせます。
「いただきます」
食前の挨拶はこちらの世界ではどう受け取られるのか。
言葉がわからないからなのか、彼は私の挨拶に特に反応せず、マイペースに自分の分の焼き魚に手を伸ばしていました。
箸やフォークなどの道具は用意されていなかったのでわかっていましたが、基本手づかみで食べるようです。
焼き魚は魚を貫いている棒を持って食べれば良さそうです。
サラダの方も、よく見ればスティック状にカットされていて、木皿の底に溜まったドレッシングを付けて食べられるようになっていました。
そのスティックは綺麗に切り分けられています。男の人は何らかの刃物を持っているのでしょうか。
さて、まずは、焼き魚を口に運びます。
ちょうど良い焼き加減で、程よく皮が弾けています。振りかけられている粒っぽいものは塩でしょうか。
(調味料とか、どうしたんでしょう……?)
疑問に思いつつ、焼き魚にかじり付くと、焼きたてなのかものすごく熱かったです。
はふはふ言いながら息を吹きかけつつ食べると、絶妙な焼き加減と塩加減でとても美味しく仕上がっていました。
夢中になって魚を食べ、次にサラダに手を伸ばします。スティックの一本を手に取り、ドレッシングらしきものを付けて食べます。
こちらの野菜も新鮮でシャクシャクと美味しく、ドレッシングは程よい酸味が利いていて食が進みました。
ここにパンかご飯があれば最高だったのですが、昨日の夜リューさんに拉致されてきたであろう人にそこまで求めるのは酷というものです。
「ごちそうさまでした」
久しぶりの人間らしい食事をいただき、私は満足して手を合わせます。
そこに、ヨウさんがどこからともなく果物を持ってきてくれました。
デザート付き、だなんて食事として上等すぎます。
昨日の経験があったので、ヨウさんに御礼を言って受け取り、そのまま囓ろうとしたところ、男の人が果物をかすめ取ってしまいました。
驚く私の前で、男の人はどこからともなく包丁を取りだし、皮を剥き始めます。
そのままかじり付こうとしていた自分が恥ずかしくなりましたが、それより気にしなければならないことがありました。
(いま、どこから包丁を……?)
気付かれないよう、こっそり男の人の身の回りを確認します。包丁が収まる鞘みたいなものを、どこかに身に付けているのではないかと思ったのですが、見当たりません。
もしかすると、アイテムボックスみたいな魔法でしょうか。
そんな魔法があるのだとすれば、ぜひ私も身に付けたいところです。
そう考えているうちに、男の人が皮を剥いた果物を、サラダが入っていた木皿に載せて出してくれました。
ドレッシングが底に残っていたので、その味が移ってしまうのではないかと危惧しましたが、予想に反して木皿はまるで新品のように綺麗になっていました。
(いまの一瞬で何かしたんでしょうか……そうは見えませんでしたが)
魔法というと何か詠唱をしなければならないと思っていましたが、特に男の人の声は聞こえませんでした。
恥ずかしくて男の人の顔が見れないので、小声で言っていたら気付かないかもしれませんが。
男の人が剥いてくれた果物は、とても瑞々しくて美味しいものでした。
お腹も満ち、人心地着いたところで、私は覚悟を決めます。
恥ずかしさを堪えて、男の人を真正面から見つめます。男の人の鋭い眼光がこちらを睨み付けていました。
いえ、睨み付けているように見えるだけで、たぶん普通に見ているだけだと思います。目つきが鋭すぎるだけ、だと思いたいです。
羞恥とは別の意味で怯みそうになりましたが、なんとか堪えて口を開きました。
「……私は、清澄聖羅、です。あなたの、お名前は?」
なるべくゆっくり、はっきり。掌で自分を示し、続いて相手を示します。
それをもう一度繰り返してから、今後は自分を示して「清澄聖羅」、相手を示すときには何も言わないようにします。
言葉が通じなくとも、これで名前を聞いているという意思は伝わったはずです。
果たして、男の人は自分のことを手で示しながら、こういいました。
「ヴォールド」
ヴォールド。それが男の人の名前のようです。
そしてヴォールドさんは私を示しながら、こういいました。
「キヨズミセイラ」
さすがに名前と名字の区別はついていない言い方でしたが、「キヨミズセイラ」が私の名前だとちゃんと認識してくれたようです。
意思が通じたのが嬉しくて、私は何度も頷きます。ヴォールドさんも頷いてくれました。
これなら、時間をかければ簡単な意思は伝えられるようになるでしょう。
問題は話している間中、こちらの羞恥心が煽られるばかりだということですが。
だって相手は完全無欠に男の人、なんです。中性的な少年や眉目秀麗な青年ならまだしも、ヴォールドさんは野性味溢れる頑固な職人という男性らしい男性なのです。
そんな彼と長く向き合っていると、例え彼にそんな気がないのだとしても、私が心理的ストレスを感じるのはどうしようもないことです。
(とはいえ、これくらいは我慢して意思疎通が出来るようにならないと……ん?)
ぶわり、と突然風が吹き始めました。
幸い丸太の椅子に座っていましたので、今度はそんなに慌てずに済みました。バスタオルの裾はお尻の下になっているので、めくれ上がったりしないからです。
急に吹き始めた風に嫌な予感がして空を振り仰ぐと、予想通りの存在がいました。
どこぞに行っていたリューさんが戻ってきたのです。
「ぐるるるっ」
どこか嬉しそうに唸ったリューさんが少し離れた地面に着地し、最後の突風が吹きます。
私はそれを座ってやり過ごしてから、リューさんの方へと急いで向かいました。
こちらにリューさんに突っ込んでこられると、せっかくヴォールドさんが造ったであろうテーブルと椅子が破壊されてしまうからです。
しかしこれはリューさんにとっては「飼い始めた子犬が帰宅した自分に駆け寄ってきた」ような嬉しいことになったらしく。
長い首を伸ばして、私に勢いよく顔をすり寄せて来ました。
「ぐ、えっ!」
吹っ飛びました。それはもう軽々と。
まあ、人間が象に勢いよく擦り寄られたらそうなります。
私は軽く数メートル吹っ飛ばされて転がされた挙げ句、上からリューさんに鼻先をすり寄せられて地面に埋め込まれました。
長老さんにリューさんに人間相手の力加減について、しっかり教育していただかなければと強く思いました。
バスタオルの加護があってなお、せっかくの朝食が盛大に逆流するところでした。
「るるぅ、るるる」
リューさんが楽しそうでなによりです。皮肉ですが。
私はリューさんが落ち着いてから、ようやく立ち上がることができました。
乱れたバスタオルを整え、髪に付着した落ち葉や土を払って溜息を吐きます。
リューさんも帰ってきたことですし、ヴォールドさんとの交流は後回しです。
まずは言葉の通じる長老さんから、できる限りの情報を聞き出しに行きたいと思います。
洞窟から出てすぐ横、森には入らない境界付近に、立派な木のテーブルと、丸太を活用した椅子が出来ていたからです。
いかにも大木から切り出した、という感じで造り自体は素朴でしたが、使うのに不便はなさそうです。
さらに、そのテーブルの上には、大きな木の葉っぱを皿代わりに、美味しそうな焼き魚が用意されています。木皿に盛り付けられたサラダらしきものもあり、いずれも簡単なものではありましたが、いかにも人間の食べる料理です。
「#”%#”」
男の人がぞんざいに木の椅子を私に示し、そして自分は示した椅子の対面に座りました。
どうやら、食べてもいいようです。
ついさっき裸を見られたばかりで、その相手の目の前に座るのは抵抗がありましたが、料理を用意してくれたのも彼です。
逃げ出したくなる恥ずかしさを堪えて、椅子に座りました。顔なんて見れません。だから男の人がどんな表情を浮かべているかもわかりませんでした。
ヨウさんは食べる必要がないからか、私の斜め後ろで控えてくれています。ヨウさんがいてくれる事実に少し安心し、改めてテーブルの上の料理を見ます。
「わぁ……美味しそうです」
こんな森の中で作ったにしては、どれも美味しそうな出来映えでした。
調理器具なんてほとんどないであろうこの森の中で、ここまでのものを作れるなんて。
いったいどういう立場の人かはわかりませんが、調理技術とサバイバル技術に長けた存在であることは間違いないようです。
私は彼に感謝し、手を合わせます。
「いただきます」
食前の挨拶はこちらの世界ではどう受け取られるのか。
言葉がわからないからなのか、彼は私の挨拶に特に反応せず、マイペースに自分の分の焼き魚に手を伸ばしていました。
箸やフォークなどの道具は用意されていなかったのでわかっていましたが、基本手づかみで食べるようです。
焼き魚は魚を貫いている棒を持って食べれば良さそうです。
サラダの方も、よく見ればスティック状にカットされていて、木皿の底に溜まったドレッシングを付けて食べられるようになっていました。
そのスティックは綺麗に切り分けられています。男の人は何らかの刃物を持っているのでしょうか。
さて、まずは、焼き魚を口に運びます。
ちょうど良い焼き加減で、程よく皮が弾けています。振りかけられている粒っぽいものは塩でしょうか。
(調味料とか、どうしたんでしょう……?)
疑問に思いつつ、焼き魚にかじり付くと、焼きたてなのかものすごく熱かったです。
はふはふ言いながら息を吹きかけつつ食べると、絶妙な焼き加減と塩加減でとても美味しく仕上がっていました。
夢中になって魚を食べ、次にサラダに手を伸ばします。スティックの一本を手に取り、ドレッシングらしきものを付けて食べます。
こちらの野菜も新鮮でシャクシャクと美味しく、ドレッシングは程よい酸味が利いていて食が進みました。
ここにパンかご飯があれば最高だったのですが、昨日の夜リューさんに拉致されてきたであろう人にそこまで求めるのは酷というものです。
「ごちそうさまでした」
久しぶりの人間らしい食事をいただき、私は満足して手を合わせます。
そこに、ヨウさんがどこからともなく果物を持ってきてくれました。
デザート付き、だなんて食事として上等すぎます。
昨日の経験があったので、ヨウさんに御礼を言って受け取り、そのまま囓ろうとしたところ、男の人が果物をかすめ取ってしまいました。
驚く私の前で、男の人はどこからともなく包丁を取りだし、皮を剥き始めます。
そのままかじり付こうとしていた自分が恥ずかしくなりましたが、それより気にしなければならないことがありました。
(いま、どこから包丁を……?)
気付かれないよう、こっそり男の人の身の回りを確認します。包丁が収まる鞘みたいなものを、どこかに身に付けているのではないかと思ったのですが、見当たりません。
もしかすると、アイテムボックスみたいな魔法でしょうか。
そんな魔法があるのだとすれば、ぜひ私も身に付けたいところです。
そう考えているうちに、男の人が皮を剥いた果物を、サラダが入っていた木皿に載せて出してくれました。
ドレッシングが底に残っていたので、その味が移ってしまうのではないかと危惧しましたが、予想に反して木皿はまるで新品のように綺麗になっていました。
(いまの一瞬で何かしたんでしょうか……そうは見えませんでしたが)
魔法というと何か詠唱をしなければならないと思っていましたが、特に男の人の声は聞こえませんでした。
恥ずかしくて男の人の顔が見れないので、小声で言っていたら気付かないかもしれませんが。
男の人が剥いてくれた果物は、とても瑞々しくて美味しいものでした。
お腹も満ち、人心地着いたところで、私は覚悟を決めます。
恥ずかしさを堪えて、男の人を真正面から見つめます。男の人の鋭い眼光がこちらを睨み付けていました。
いえ、睨み付けているように見えるだけで、たぶん普通に見ているだけだと思います。目つきが鋭すぎるだけ、だと思いたいです。
羞恥とは別の意味で怯みそうになりましたが、なんとか堪えて口を開きました。
「……私は、清澄聖羅、です。あなたの、お名前は?」
なるべくゆっくり、はっきり。掌で自分を示し、続いて相手を示します。
それをもう一度繰り返してから、今後は自分を示して「清澄聖羅」、相手を示すときには何も言わないようにします。
言葉が通じなくとも、これで名前を聞いているという意思は伝わったはずです。
果たして、男の人は自分のことを手で示しながら、こういいました。
「ヴォールド」
ヴォールド。それが男の人の名前のようです。
そしてヴォールドさんは私を示しながら、こういいました。
「キヨズミセイラ」
さすがに名前と名字の区別はついていない言い方でしたが、「キヨミズセイラ」が私の名前だとちゃんと認識してくれたようです。
意思が通じたのが嬉しくて、私は何度も頷きます。ヴォールドさんも頷いてくれました。
これなら、時間をかければ簡単な意思は伝えられるようになるでしょう。
問題は話している間中、こちらの羞恥心が煽られるばかりだということですが。
だって相手は完全無欠に男の人、なんです。中性的な少年や眉目秀麗な青年ならまだしも、ヴォールドさんは野性味溢れる頑固な職人という男性らしい男性なのです。
そんな彼と長く向き合っていると、例え彼にそんな気がないのだとしても、私が心理的ストレスを感じるのはどうしようもないことです。
(とはいえ、これくらいは我慢して意思疎通が出来るようにならないと……ん?)
ぶわり、と突然風が吹き始めました。
幸い丸太の椅子に座っていましたので、今度はそんなに慌てずに済みました。バスタオルの裾はお尻の下になっているので、めくれ上がったりしないからです。
急に吹き始めた風に嫌な予感がして空を振り仰ぐと、予想通りの存在がいました。
どこぞに行っていたリューさんが戻ってきたのです。
「ぐるるるっ」
どこか嬉しそうに唸ったリューさんが少し離れた地面に着地し、最後の突風が吹きます。
私はそれを座ってやり過ごしてから、リューさんの方へと急いで向かいました。
こちらにリューさんに突っ込んでこられると、せっかくヴォールドさんが造ったであろうテーブルと椅子が破壊されてしまうからです。
しかしこれはリューさんにとっては「飼い始めた子犬が帰宅した自分に駆け寄ってきた」ような嬉しいことになったらしく。
長い首を伸ばして、私に勢いよく顔をすり寄せて来ました。
「ぐ、えっ!」
吹っ飛びました。それはもう軽々と。
まあ、人間が象に勢いよく擦り寄られたらそうなります。
私は軽く数メートル吹っ飛ばされて転がされた挙げ句、上からリューさんに鼻先をすり寄せられて地面に埋め込まれました。
長老さんにリューさんに人間相手の力加減について、しっかり教育していただかなければと強く思いました。
バスタオルの加護があってなお、せっかくの朝食が盛大に逆流するところでした。
「るるぅ、るるる」
リューさんが楽しそうでなによりです。皮肉ですが。
私はリューさんが落ち着いてから、ようやく立ち上がることができました。
乱れたバスタオルを整え、髪に付着した落ち葉や土を払って溜息を吐きます。
リューさんも帰ってきたことですし、ヴォールドさんとの交流は後回しです。
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