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第四章

23. 小さな亀裂

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 太陽が西の空に沈んで間もない、影がほのかな宵闇に包まれる時間にダヴィッドは帰ることになった。

 もう少し早い時間か、あるいは逆にもう少し遅い時間の方がしっかりとした灯りがあって良いのではないかと思う。けれどダヴィッドいわく、人目を避けるには都合が良い明るさらしい。
 それはつまり後ろ暗い目的を持ち、人目につきたくない側にも都合が良いということだ。

 玄関まで見送りに来たロゼリエッタが心配の目を向けると、ダヴィッドは小さな頭に手を乗せた。何度かそっと撫でた後、手を離して微笑む。

「ちゃんとシェイド様の手配で護衛をつけてもらっているから心配ないよ。それにここは、」
「ここは?」
「いや――。本当に元気そうで安心したよ。次に会えるのは君が領地に着いてからかな」

 あきらかに何かを誤魔化した様子で話を切り替える。所在地をロゼリエッタが知ったところで何の行動も起こせないのに、そんなに知られては困るらしい。

「本当に……じれったいね」

 そう言ってダヴィッドは肩をすくませる。
 何に向けられた言葉だろう。ロゼリエッタは首を傾げた。ダヴィッドは彼女の疑問には触れず、その左斜め後ろに無言で立つシェイドに軽く一瞥をくわえた後で口を開く。

「じゃあロゼ、またね」
「私も、またお手紙を書きますね」
「楽しみにしてる」

 最後に緩く抱きしめてお互いの頬を合わせ、別れの挨拶をする。普段はここまでしないのにそうするのは、やはりしばらくの間は気安く会えなくなるからだろうか。ならば先程の「じれったい」という言葉にも納得が行く。
 そう思うとたちまち寂しさが込み上げて来た。ダヴィッドの上着の裾を掴もうと右手を伸ばしかけ、自らの行動に気がついてやめる。

「ロゼリエッタを、よろしくお願いします」

 最後にシェイドへ向けて頭を下げ、ダヴィッドは家路について行った。



 その日の夕食時はいつになく空気が重いような気がした。
 理由は分からない。ただシェイドの機嫌があまり良くないように見える。好かれてはいなくとも嫌われることが怖くて、ロゼリエッタは無言のまま食事を進めた。

 普段の夕食も会話が弾んでいるわけではない。だけど今日は比較にならないほど食事に味を感じなかった。

「――ご結婚は」

 そうして作業的にフォークを口に運んでいると珍しくシェイドが話しかけて来た。
 食事の手を止めて視線を向ける。ほんの一瞬目を合わせた後、シェイドはさりげなく目を逸らしながら口を開いた。

「ご結婚の予定は決まっているのですか」

 誰との?

 そう尋ねかけ、ダヴィッドとのことを言っているのだと気がつく。
 途端に心がささくれ立つようだった。嫌われまいと思っていた自分が愚かに思えて、可愛げのない棘のある答えを返したくなる。

「一週間後です。――そうお答えしたら、その日までに私が領地に行けるように配慮して下さるのですか」

 気の強いロゼリエッタの返事にシェイドは一瞬目を見開いた。それからゆっくりと首を振る。

「残念ながらそういうわけには参りません」
「そうですか。残念です」

 グラスに入った冷たい水を煽り、顔を背けた。

「――ロゼリエッタ嬢」

 一度可愛くない態度を取れば、どんどん積み重なって行く。
 なのに名を呼ばれると、蜜に誘われる蝶のように視線を戻してしまう。仮面の下の、見慣れているはずの素顔を見たくて焦がれた視線を向けてしまう。
 シェイドは何故かひどく苦しそうな顔で言葉を紡いだ。

「一週間後……本当に、ご結婚を?」

 ええ。今日訪ねて下さった婚約者の方と式を挙げて、世界でいちばん幸せになります。

 そう答えたかったのに言えなかった。
 このままではいつか、意識せずとも本当に可愛げのない存在になってしまうかもしれなくて怖かったのだ。

「いいえ。まだ、何も……決まってはおりません」

 やんわりと首を振りながらそれだけを答える。
 そしてロゼリエッタは泣きたくなって唇を噛んだ。

 どうして。
 どうして、そんな。

 ――そんなほっとしたような表情を、浮かべるのか。

 今すぐ領地に行き、そこから二度と出るなと言われる方が良かった。
 ロゼリエッタの知らないまま、知らない場所で全て解決させるつもりなのだから、手元に置く必要なんかどこにもない。今の状態はロゼリエッタが未練を引きずり続けるだけだ。

「――申し訳ありません。立ち入りすぎました」

 視線を逸らすシェイドの横顔はロゼリエッタを拒絶している。
 食事の場でさえ胸が苦しくて、こうして一緒の卓に就くことも二度とできないような気がした。




 朝、目を覚ましたロゼリエッタは身体が鉛のように重いことに気がつき、静かに息を吐く。
 その呼吸もひどく熱い。慣れない生活でも自分なりに頑張っているつもりではあったけれど、決して健康とは言えない身体にはやはり負担が大きかったようだ。

「ロゼリエッタ様?」
「シェイド様には、お伝えしないで」

 オードリーが心配そうに声をかけてくれる。

 大丈夫だと答えたかったが、放置して済む状態ではない。ならばせめてと、ベッドに横たわったまま懇願した。
 伝えずとも、食事の席に顔を出さなければ簡単にばれてしまうことだ。案の定オードリーは困ったような顔をロゼリエッタに向けた。

「お知らせしなくてはいけないのなら……。私が、癇癪を起こして閉じこもってる。そうお伝えしたらいいわ。そうしたらシェイド様もきっと――わがままを言って、いるのだと」
「癇癪だなんて、そんな」

 昨日の今日の出来事だ。言い訳としては立つだろう。信じてもらえなくたってどうなるということでもない。

「熱があるみたいなの。もう少し眠りたいから……冷たいお水に浸した布を、用意してもらってもいい……?」
「き、気がつかずに大変申し訳ございません。すぐご用意致しますから!」

 声を振り絞って要望を伝えるとオードリーは一礼し、急いで部屋を後にする。
 遠ざかる足音を聞きながら目を閉じた。

 ずっと熱が下がらず、足手まといだと王都内のカルヴァネス家に戻されるならその方がいい。
 あるいは、明日にでも体調を取り戻して領地に向かわせてくれるのでも良かった。

 ひどく苦しい。それは熱のせいだけではなかった。
 行き場を失くしたままの心が苦しい。
 大丈夫だよと手を握って欲しくて、だけどそれは叶えられない願いだと思い知って心が軋む。シーツの中で自らの指を組んだって祈りは届かないし何の慰めにもならないでいる。

 しばらくして、オードリーが戻って来たのだろう。ドアが開き、ひんやりとした空気が流れ込んで頬を撫でた。もう目も開けられず、ただ人の動く気配だけを感じていると、ベッドの傍に人が立つのが分かった。

 違和感を覚え、わずかに首を傾げる。
 足音が二つ聞こえた気がした。
 一つは間違いなくオードリーのものだろう。
 ならば、もう一つの足音は――まさか。

「お待たせして申し訳ありません。飲み水もお持ちしました。起き上がることは出来ますか?」

 ぼんやりと違和感の正体を探っていると思考を遮るようにオードリーが尋ねた。ロゼリエッタは自分の体力を察し、力なく首を振る。

「分かりました。では少し失礼致します」

 少しの間を置いて背中に手が差し込まれた。途中で宙ぶらりんになっていた違和感が再びよぎる。
 オードリーの手にしてはずいぶん大きい。支えてくれる腕も、太くはないけれど逞しかった。

 半ば無理やりこじ開けるように目を開く。必死に顔を巡らせ、腕の先へと視線を手繰った。どうしたら良いか迷っているのだろうか。軽く噛みしめる口元が見え、さらに顔を上げる。さらりと流れる黒髪と、仮面で表情を覆った緑色の目がそこにあった。

 シェイドには言わないでと言ったのに、やはりそういうわけにはいかなかったようだ。
 またロゼリエッタの思い通りに事は運ばなかった。
 だけど、今はそれが少し嬉しい。

「く、ろ……」
「ロゼリエッタ様、お水を」

 掠れる声は口の中だけで響き、二人の耳には届かなかったようだ。
 いや、もしかしたらシェイドには聞こえていたのかもしれない。けれど彼は何も言わずにロゼリエッタを見つめるだけだ。

 オードリーの差し出すグラスに口をつけ、ロゼリエッタはほんの少し眉を寄せた。

 グラスに注がれた水はとても冷たく、ほのかな苦みが混じっている。その苦みに心当たりがあった。

 子供の頃から熱を出す度に飲んでいる、熱さましの薬草の味だ。病気がちでよく熱を出していたロゼリエッタの為だけに、身体への負担が少しでも減るようにと特別に処方されたものでもある。

 その薬自体はロゼリエッタも持って来ていた。でも持っていることはシェイドには教えてはいない。教える必要がないと思ったからだ。
 それが何故、どうしてここにあるのだろう。ロゼリエッタにマーガス暗殺の嫌疑がかかった状態だとは言え、断りもなしに彼女の持ち物を開くとも思えない。

 もしかしたらダヴィッドが気を利かせて持って来てくれたのだろうか。会った直後だし、その可能性がいちばん高い気がする。

 冷たい水が熱い身体に染み込んで行く。心地良さに突き動かされてほとんど飲み干す頃には、薬が効いて来たのか眠気に襲われだした。

「いか……な……で」

 上手く力の入らない指先でシェイドのシャツの裾を掴み、ロゼリエッタの意識は完全に沈んだ。

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