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第四章
20. 秘密の客人
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「わざわざ足を運ばせて申し訳ありません。どうぞ、そちらの椅子に腰をかけて下さい」
「いや、こうして人目を避けて行動するのも間諜になったようで悪くはないな」
書斎に通された男はシェイドの言葉を受けて子供のように笑い、右肩で留めたマントの留め具を外した。目深に被った、至って地味な深緑のフードを脱げばマーガスの顔が現れる。
質の良い生地で仕立てられた厚手のマントは、この時期には些か適さなかったようだ。冷ややかな印象を与える顔も今だけは頬を紅潮させ、額にはうっすらと汗を滲ませていた。
マーガスは筒状に丸めた紙を内ポケットから取り出すとマントを脱いだ。あまり感情を表に見せない王太子もさすがに開放感が勝ったらしい。肩を大きく回して息を吐いた。
ひとしきり動かして気が済むと、椅子の背にマントをかけて腰を下ろす。手布で汗を拭い、珍しく安堵の息までついた。
「顔を隠した状態とは言え護衛の一人もお連れしないとは、よくレミリア殿下の許可が下りましたね」
「君がついてないなら誰をつけても一緒だよ」
マーガスは表情を引き締め、それに、と続ける。
「王族用の抜け道の所在をレミリアに聞いている。いざとなれば一人の方が小回りも効く。もっとも、目を欺きたいのは真面目に働く衛兵ではなく、この国に籍を置きながら我が国の王位転覆に手を貸す貴族だが」
「それもそうですね」
シェイドは頷き、正面の椅子に座った。
間に置かれたテーブルにマーガスが紙の束を置き、シェイドの方へ滑らせる。これこそがマーガスが季節外れの暑苦しいマントを羽織って身なりを偽ってまで、ここへ足を運んだ理由だ。
紙を留める紐を解き、文字の向きを確認して広げながらシェイドが読もうとしたその時。
「新しい生活は上手くやれているのか?」
「上手く、とは」
言葉の意味を計りかね、書面から第二の主へと視線を移す。
ロゼリエッタとの生活のことを指してはいるのだろうが、新しい生活などという意識はまるでない。ただ自分のわがままで手離しきれずに寝食を共にしている。それだけだ。
予想はしていてもまるで面白味のないシェイドの反応にマーガスは、つまらないと言わんばかりに目を眇めた。
「いや、その話は後でゆっくりすることにしようか。調書の内容の方が君には重要なのにすまなかったな」
「――いえ」
後だろうがゆっくりだろうが、シェイドにとってその件について話せることは何もない。だがマーガスとしてはやはり、同じくらい気にかかる案件ではあるのだろう。最終的な判断を下したのは"クロード・グランハイム"だというのに。
シェイドは再び書面に目を落とした。
調書を取ったのが昨日らしい。最初に日付けとマーガスの署名が記されていた。
ロゼリエッタがここに連れられて来て三日が経った。アイリ・サーバスが全貌を教えられていることはないにしろ、何をどこまで話すべきか本人も決めあぐねているのかもしれない。
二枚しかない紙がそのまま情報量を表していた。
見たところマーガス以外の人物名や具体的な名称が省かれているのは意図的で、細かな部分は直接確認しろという意味合いもあるのだろう。
「それは写しだから君が持っていて構わない。その記載内容でも良ければ、だが」
「十分です。ありがとうございます」
一通り読み終わり、シェイドは息をつく。
「紅茶に入っていた物質の特定はやはり難しい様子ですか」
「混入していたのが紅茶だからね。多少、においや味が強い薬物なり毒物だったとしても、紅茶自体の色や風味に紛れて気がつきにくい。それなりに腰を据えた調査をしないことには無理だろう」
先週の金曜日、マーガスは来るはずのない差出人を出迎える為の準備を進めた。尻尾を掴ませない相手が仕掛けた罠に飛び込むと同時に、マーガスもまた自らを囮にしたのだ。
そして用意された紅茶を一人で飲む際、わざと手が滑ったふりをしてカップを倒した。自分の手布でさりげなく拭いて染み込ませることも忘れなかった。
疑心暗鬼に陥らせることが目的なだけで最初から何も混入されてはいなかったのか、少なくとも触れることで害を与えるような何かが混入されているわけではないのか。判断を下すにも結果が出ていない状態では何の意味もない。
新しく淹れ直すと慌てた侍女の様子にも不審なところはなかった。
いくらロゼリエッタに罪を着せるつもりだとしても、息のかかった侍女を送り込んで隣国の王太子を毒殺などと簡単にできることではない。
そもそもわざと挑発に乗ったから何も言わずにいたが、レミリアが信頼を置く侍女にお茶の用意をさせればそれだけで計画は立ち行かなくなる。茶葉をすり変えるだけにしても、毒味役がいる可能性だってあるのだ。考えれば考えるほど暗殺を目的とした計画の割には粗が目立つ。
平和ボケした無能な王太子があるいは、と思ったのだろうか。
確かにこんなことで命を落とすような自覚のない王太子ならば、王位を継がない方が国の為になるのかもしれない。
もちろん、マーガスは浅慮な王太子などではなかったが。
「誰の指示で動いたのかは一切喋っていないのですね」
「騒ぎを起こした目的は話してくれたが、向こうもロゼリエッタ嬢を手駒にする為のカードをまだ持っているんだろう。それを使われるのを恐れてか、肝心な部分は無言を貫いているよ」
「目に見えて疑わしいだけに、巧妙に尻尾を隠してはいるようですね」
「我が王家に怨恨のあるこの国の貴族など、君の母君の元婚約者が真っ先に疑われる立場だからな。その辺りはさすがに抜かりはないのだろう」
非常に厄介な相手だよ。
マーガスは溜め息と共にそう吐き出した。それから一縷の希望を込めて続ける。
「とは言え我が国で起こった火災に関わった人物は、叔父上以外は全員捕まっている。こちらの国の誰と繋がっているのか、割れるのも時間の問題だろう」
「そうであれば良いのですが」
シェイドも同感だとばかりに頷いて次の疑問を振った。
「白詰草を模した印璽の入手も、やはりアイリ・サーバスを通していたと見て間違いはないのですか」
「複製したら足がつくだろうからな。そもそも、あの手紙はクロード……君相手に送るものとして、彼女が書いたものらしい」
「僕に?」
捨てたはずの名前に思わず反応し、シェイドは眉をひそめた。
「君がロゼリエッタ嬢と話し合う機会が欲しくて書いたのだと。それが悪意によって私の元に届けられてしまったわけだけどね。もちろん、私の暗殺が企てられていることも知らなかったようだよ」
アイリの証言を一字一句思い出しながらマーガスは答える。それでシェイドの疑念が晴れることはなく、むしろ新たな種を芽吹かせた。
「ですが、宛て名には殿下の名が確かに記されていましたよね」
「ああ。彼女も宛て名は書かず、印璽を押しただけの状態で渡したらしい」
「すると宛て名を書いたのは別人でしょうか」
マーガスは軽く頷き、肩をすくませる。
「おそらくね。本当は誰が書いたのか、は重要なことじゃない。誰が出したのか、それさえ分かるなら後は何でも良かったんだろう。周到なんだか杜撰なんだか、よく分からなくなるな」
「――そうですね」
シェイドは顎に指を当て、情報をまとめるべく頭の中で整理をはじめた。
少なくとも、滞在している間にマーガスを亡き者にすることが大きな目的ではないようだ。王弟派に属している以上、最大の目的ではあるのだろうが、今この場に関してはさして重要視をしていないように思える。
王弟派も一枚岩ではない。そういうことなのだろうか。
どちらにしろ本人に聞かなければ真意は分からないことだ。
シェイドは一度考えを保留にし、また疑問を投げかける。
「ロゼリエッタ嬢を乗せた馬車はカルヴァネス侯爵の領地ではなく、どこへ向かわせようとしていたのです?」
「ああ、それは」
紅茶の注がれたカップに口をつけ、マーガスは何とも言えない表情を浮かべた。
らしくない表情は、巻き込む形になったロゼリエッタへの同情や懺悔が含まれているのかもしれない。どこかやるせない雰囲気があった。
「グランハイム公爵家や、レミリアを通してクロードに会うことはできない。だがロゼリエッタ嬢に何かあったと知れば、君の方から会いに来る……そう言われたのだそうだ」
「要するに狂言誘拐のつもりだったと?」
「端的に言えばそういうことになるな」
シェイドは思わず絶句した。
ロゼリエッタが領地へ向かうことを、ダヴィッドがそれとなくレミリアに知らせてくれていたから救出が間に合った。
もしもあのままロゼリエッタが本当に連れ去られていたら、どうなっていたか。
彼らの良いように手酷く利用され、身も心も傷つけられていただろう。
すでに彼女を傷つけたシェイドが偉そうに言えたことではない。
だが、それでも最悪の事態から守れたことに安堵する。
「ロゼリエッタ・カルヴァネス嬢及び彼女の侍女たちの身柄はこちらが無事に確保した。いや、正確に言うなら確保させられた、と言うべきかな。これで君はこの場所から離れて行動することはできなくなったのだからね」
「――そういうことになりますね」
マーガスは"確保させられた"と言ったが、それでシェイドの動きが制限されたことを咎めた様子はない。
むしろ身内には情が厚い彼は好機だと思っている。そんな様子だ。
「本当にこのままでいいのか、クロード」
マーガスは重々しく口を開いた。
窓から差し込む日差しは西に傾きかけて柔らかい。だが、それを受けるマーガスの表情は声音以上に硬質だった。
「いや、こうして人目を避けて行動するのも間諜になったようで悪くはないな」
書斎に通された男はシェイドの言葉を受けて子供のように笑い、右肩で留めたマントの留め具を外した。目深に被った、至って地味な深緑のフードを脱げばマーガスの顔が現れる。
質の良い生地で仕立てられた厚手のマントは、この時期には些か適さなかったようだ。冷ややかな印象を与える顔も今だけは頬を紅潮させ、額にはうっすらと汗を滲ませていた。
マーガスは筒状に丸めた紙を内ポケットから取り出すとマントを脱いだ。あまり感情を表に見せない王太子もさすがに開放感が勝ったらしい。肩を大きく回して息を吐いた。
ひとしきり動かして気が済むと、椅子の背にマントをかけて腰を下ろす。手布で汗を拭い、珍しく安堵の息までついた。
「顔を隠した状態とは言え護衛の一人もお連れしないとは、よくレミリア殿下の許可が下りましたね」
「君がついてないなら誰をつけても一緒だよ」
マーガスは表情を引き締め、それに、と続ける。
「王族用の抜け道の所在をレミリアに聞いている。いざとなれば一人の方が小回りも効く。もっとも、目を欺きたいのは真面目に働く衛兵ではなく、この国に籍を置きながら我が国の王位転覆に手を貸す貴族だが」
「それもそうですね」
シェイドは頷き、正面の椅子に座った。
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紙を留める紐を解き、文字の向きを確認して広げながらシェイドが読もうとしたその時。
「新しい生活は上手くやれているのか?」
「上手く、とは」
言葉の意味を計りかね、書面から第二の主へと視線を移す。
ロゼリエッタとの生活のことを指してはいるのだろうが、新しい生活などという意識はまるでない。ただ自分のわがままで手離しきれずに寝食を共にしている。それだけだ。
予想はしていてもまるで面白味のないシェイドの反応にマーガスは、つまらないと言わんばかりに目を眇めた。
「いや、その話は後でゆっくりすることにしようか。調書の内容の方が君には重要なのにすまなかったな」
「――いえ」
後だろうがゆっくりだろうが、シェイドにとってその件について話せることは何もない。だがマーガスとしてはやはり、同じくらい気にかかる案件ではあるのだろう。最終的な判断を下したのは"クロード・グランハイム"だというのに。
シェイドは再び書面に目を落とした。
調書を取ったのが昨日らしい。最初に日付けとマーガスの署名が記されていた。
ロゼリエッタがここに連れられて来て三日が経った。アイリ・サーバスが全貌を教えられていることはないにしろ、何をどこまで話すべきか本人も決めあぐねているのかもしれない。
二枚しかない紙がそのまま情報量を表していた。
見たところマーガス以外の人物名や具体的な名称が省かれているのは意図的で、細かな部分は直接確認しろという意味合いもあるのだろう。
「それは写しだから君が持っていて構わない。その記載内容でも良ければ、だが」
「十分です。ありがとうございます」
一通り読み終わり、シェイドは息をつく。
「紅茶に入っていた物質の特定はやはり難しい様子ですか」
「混入していたのが紅茶だからね。多少、においや味が強い薬物なり毒物だったとしても、紅茶自体の色や風味に紛れて気がつきにくい。それなりに腰を据えた調査をしないことには無理だろう」
先週の金曜日、マーガスは来るはずのない差出人を出迎える為の準備を進めた。尻尾を掴ませない相手が仕掛けた罠に飛び込むと同時に、マーガスもまた自らを囮にしたのだ。
そして用意された紅茶を一人で飲む際、わざと手が滑ったふりをしてカップを倒した。自分の手布でさりげなく拭いて染み込ませることも忘れなかった。
疑心暗鬼に陥らせることが目的なだけで最初から何も混入されてはいなかったのか、少なくとも触れることで害を与えるような何かが混入されているわけではないのか。判断を下すにも結果が出ていない状態では何の意味もない。
新しく淹れ直すと慌てた侍女の様子にも不審なところはなかった。
いくらロゼリエッタに罪を着せるつもりだとしても、息のかかった侍女を送り込んで隣国の王太子を毒殺などと簡単にできることではない。
そもそもわざと挑発に乗ったから何も言わずにいたが、レミリアが信頼を置く侍女にお茶の用意をさせればそれだけで計画は立ち行かなくなる。茶葉をすり変えるだけにしても、毒味役がいる可能性だってあるのだ。考えれば考えるほど暗殺を目的とした計画の割には粗が目立つ。
平和ボケした無能な王太子があるいは、と思ったのだろうか。
確かにこんなことで命を落とすような自覚のない王太子ならば、王位を継がない方が国の為になるのかもしれない。
もちろん、マーガスは浅慮な王太子などではなかったが。
「誰の指示で動いたのかは一切喋っていないのですね」
「騒ぎを起こした目的は話してくれたが、向こうもロゼリエッタ嬢を手駒にする為のカードをまだ持っているんだろう。それを使われるのを恐れてか、肝心な部分は無言を貫いているよ」
「目に見えて疑わしいだけに、巧妙に尻尾を隠してはいるようですね」
「我が王家に怨恨のあるこの国の貴族など、君の母君の元婚約者が真っ先に疑われる立場だからな。その辺りはさすがに抜かりはないのだろう」
非常に厄介な相手だよ。
マーガスは溜め息と共にそう吐き出した。それから一縷の希望を込めて続ける。
「とは言え我が国で起こった火災に関わった人物は、叔父上以外は全員捕まっている。こちらの国の誰と繋がっているのか、割れるのも時間の問題だろう」
「そうであれば良いのですが」
シェイドも同感だとばかりに頷いて次の疑問を振った。
「白詰草を模した印璽の入手も、やはりアイリ・サーバスを通していたと見て間違いはないのですか」
「複製したら足がつくだろうからな。そもそも、あの手紙はクロード……君相手に送るものとして、彼女が書いたものらしい」
「僕に?」
捨てたはずの名前に思わず反応し、シェイドは眉をひそめた。
「君がロゼリエッタ嬢と話し合う機会が欲しくて書いたのだと。それが悪意によって私の元に届けられてしまったわけだけどね。もちろん、私の暗殺が企てられていることも知らなかったようだよ」
アイリの証言を一字一句思い出しながらマーガスは答える。それでシェイドの疑念が晴れることはなく、むしろ新たな種を芽吹かせた。
「ですが、宛て名には殿下の名が確かに記されていましたよね」
「ああ。彼女も宛て名は書かず、印璽を押しただけの状態で渡したらしい」
「すると宛て名を書いたのは別人でしょうか」
マーガスは軽く頷き、肩をすくませる。
「おそらくね。本当は誰が書いたのか、は重要なことじゃない。誰が出したのか、それさえ分かるなら後は何でも良かったんだろう。周到なんだか杜撰なんだか、よく分からなくなるな」
「――そうですね」
シェイドは顎に指を当て、情報をまとめるべく頭の中で整理をはじめた。
少なくとも、滞在している間にマーガスを亡き者にすることが大きな目的ではないようだ。王弟派に属している以上、最大の目的ではあるのだろうが、今この場に関してはさして重要視をしていないように思える。
王弟派も一枚岩ではない。そういうことなのだろうか。
どちらにしろ本人に聞かなければ真意は分からないことだ。
シェイドは一度考えを保留にし、また疑問を投げかける。
「ロゼリエッタ嬢を乗せた馬車はカルヴァネス侯爵の領地ではなく、どこへ向かわせようとしていたのです?」
「ああ、それは」
紅茶の注がれたカップに口をつけ、マーガスは何とも言えない表情を浮かべた。
らしくない表情は、巻き込む形になったロゼリエッタへの同情や懺悔が含まれているのかもしれない。どこかやるせない雰囲気があった。
「グランハイム公爵家や、レミリアを通してクロードに会うことはできない。だがロゼリエッタ嬢に何かあったと知れば、君の方から会いに来る……そう言われたのだそうだ」
「要するに狂言誘拐のつもりだったと?」
「端的に言えばそういうことになるな」
シェイドは思わず絶句した。
ロゼリエッタが領地へ向かうことを、ダヴィッドがそれとなくレミリアに知らせてくれていたから救出が間に合った。
もしもあのままロゼリエッタが本当に連れ去られていたら、どうなっていたか。
彼らの良いように手酷く利用され、身も心も傷つけられていただろう。
すでに彼女を傷つけたシェイドが偉そうに言えたことではない。
だが、それでも最悪の事態から守れたことに安堵する。
「ロゼリエッタ・カルヴァネス嬢及び彼女の侍女たちの身柄はこちらが無事に確保した。いや、正確に言うなら確保させられた、と言うべきかな。これで君はこの場所から離れて行動することはできなくなったのだからね」
「――そういうことになりますね」
マーガスは"確保させられた"と言ったが、それでシェイドの動きが制限されたことを咎めた様子はない。
むしろ身内には情が厚い彼は好機だと思っている。そんな様子だ。
「本当にこのままでいいのか、クロード」
マーガスは重々しく口を開いた。
窓から差し込む日差しは西に傾きかけて柔らかい。だが、それを受けるマーガスの表情は声音以上に硬質だった。
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