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心の伴わない繋がり ☆
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恥ずかしい姿をくまなく目で犯され、奥底から何か熱いものがせり上がって来る。体内に留めてはおけずに内側で弾け、ふとももを震わせた。荒い呼吸が小刻みに口をつき、男を誘う濃厚な蜜がとめどなく溢れてシーツに染み込んで行く。
奇妙な対抗心が働き、動かす指はそのままにレオナルドをまっすぐに見つめた。まるで獰猛な獣同士が命を賭して睨み合うように、お互いに目を逸らすことなく自らの身体を通して相手の身体を貪った。
胎内が疼く。
欲しくて、けれどそれはレオナルドじゃないのならいらない。
渇きを訴える身体を宥める為に蕾を弄って慰めた。
「っ、だめ、だ……。出る、……ン、出したい」
「殿下、あっ、ふ、ぁ……。で、んか。一緒、に……。あ、ああぁ……っ!」
手を伸ばせば簡単に触れられる距離にいるのに触れ合えないまま、自らの手で初めての絶頂に辿り着く。身体から力が抜け、荒い息を繰り返しながらクッションに沈んだ。
熱を孕み、しっとりと汗ばむ肌に上質なシルクのひんやりとした感触が心地良い。
でも、まだ終わりじゃない。
呼吸も落ち着いて来ると、鼻に届いた青くさいにおいに誘われるよう近寄った。
レオナルドの前に跪き、白濁に濡れた右手を取る。躊躇いもなく舌を出し、白濁液を舐めた。苦くて、決しておいしいものではない。レオナルドが鋭く息を詰めたのが分かった。
「聖女殿、それは」
「ん……殿下の、精液……おいし……」
苦くて、おいしくはない。
けれどフランチェスカにはそれでも良かった。一雫さえこぼしたくなくて懸命に舌を這わせる。無意識のうちに子種を求めて腰が揺れた。中に欲しいと、今なら手に入れられるかもしれない可能性を前にして、みっともなくねだっている。
レオナルドも本能に抗えないのか、吐精を終えて萎えたばかりのものが再び鎌首をもたげはじめた。みるみる硬さと大きさを増し、獲物を求めて天を向く。
「ふふ……っ。殿下も、ご自身の慰めでは物足りませんでしたか」
今度は触れることを拒まれなかった。
灼けついてしまいそうなほどに熱い屹立を優しく握り、先程の彼自身がそうしていたように手を動かす。先端の小さな窪みから透明な液体が分泌され、とろりと滴り落ちた。ぬるつく液体で指がすべって、予想以上に滑らかに上下する。
「く、ぅ……」
きつく眉を寄せ、快楽を堪える様がフランチェスカの情欲を煽った。
「だめ、だ、聖女殿……。それ、以上は……」
「また吐精してしまいますか?」
レオナルドは唇を噛んだ。
図星だろうか。
このまま手淫で吐精まで導きたい気もするけれど、もしかしたらこれが最後になってしまうかもしれない。それではフランチェスカは満足できなかった。何よりも、ずさんな計画が台無しだ。
「もう少し我慢なさって……殿下」
懇願するよう囁き、媚びた仕草で耳を食んだ。手の中で屹立が震える。
まだだめ、子供を叱るように思わず呟いて身体を寄せた。
心臓が激しく高鳴っている。
怖くないと言えば嘘だ。でも恐怖よりもずっと、レオナルドが欲しい気持ちの方が強かった。
「ん、んぅ……っ」
「やめ……っ!」
意図を察したレオナルドが再び制止の声をかける今度は聞かない。
固く閉ざされた蜜口に切っ先をあてがい、深く息を吐きながら腰を沈める。
成人男性のそれよりは成長してないと踏んではいたものの、それでも経験のない乙女の身には大きいものであることに変わりはなかった。
柔らかな媚肉を大きく硬い熱杭が力強く割り開き、フランチェスカを隙間なく埋めて行く。
「本当にお嫌なら……私を容赦なく突き飛ばして下さいませ」
抵抗や拒絶する権利がレオナルドにはある。
だけど、もう半分以上がフランチェスカの胎内に飲み込まれた今となっては、さしものレオナルドでも理性を働かせるのは難しいに違いない。初めて動揺したような表情になった。
「ご安心、下さい……殿下。今夜のこと――決して誰にも言わずに、私一人の胸にしまい込みますから」
今夜だけで嘘を重ねて誘惑を続けたフランチェスカの約束を信じるほどレオナルドはお人好しではないだろう。
だから多くは望まない。一夜だけ本能に抗えなかったと、忌まわしき記憶だと朝になったら忘れてしまっても構わないから、抱いてくれたらそれで良かった。
高揚と痛みとで身体が熱を帯びる。燃え尽きて消えてなくなってしまってもいい。半端な覚悟や想いで純潔を捧げたわけじゃないのだ。
フランチェスカは両手でふくらみを寄せ、レオナルドの眼前で揺すった。
特別豊満な身体でもない。それでもフランチェスカにできる精一杯の誘惑だった。
「っ、ん」
レオナルドの手がゆっくりとふくらみに触れる。下から包み込み、やんわりと揉みしだきはじめた。
自分の手とはまるで違う感触に肌が戸惑いを覚えると同時に、初めて知る歓喜が渦巻いて身体中に広がって行く。
切なくて苦しいのに不快ではなく、むしろもっと欲しがってもどかしげに心を疼かせた。
フランチェスカはかぶりを振り、レオナルドの肩に手を置く。指先で乳首を転がされると、自分でした時よりずっと甘やかな強い快楽に背中がのけぞった。
突き飛ばさなかった以上今さら遠慮しても仕方ないと思っているのか、あるいは少しでも痛みを和らげようとしてくれているのか。どちらでもいい。ただ、気持ち良かった。そして――幸せすぎて、泣きたくなる。
快楽で涙が潤んでいるのだと思わせたくてレオナルドの髪に指を埋めた。
端正な顔にふくらみを押しつけて愛撫をねだれば、レオナルドは観念したのか熱い息を深く吐き出す。それから顔の位置をずらし、右側の乳首を口に含んだ。
「ふ、ぁ……っ! す、き……っ。殿下、す……それ、好き……っ」
溢れるまま想いを伝えそうになって、慌てて誤魔化す。
胎内が柔らかく開かれはじめ、まだ痛みはわずかに残っているけれど腰をゆっくりと上下させた。
無理やり繋いだ偽りの交わりでも、フランチェスカには大切な一生の思い出だ。どんな些細なことだろうと忘れずに身体に刻みつけたくて、奥深くを貫く熱杭を食い締める。
「ひぁっ!」
ふいに乳首に歯を立てられ、背中が大きく跳ねた。じんじんと痛むそれを今度は優しく舐られ、腰が砕けてしまいそうになる。
身体は十四、五歳のそれになったって、心は二十歳のレオナルドのものだ。その心を形成する記憶や経験は失われずに残っている。
フランチェスカではない誰かに寵を与え、肌を重ねたことも。
(それでも、いい。それでもいいと思ったから私は)
乳飲み子さながらに乳首に吸いつくレオナルドを見て下ろしていると、こんな状況でも母性をくすぐられるのか優しい気持ちになる。
けれどレオナルドの髪を撫でると子供扱いしているのが伝わって気に入らないのか、一瞬だけ真っすぐな目を向けられた。本当は二歳年上の男なのだと思い知らしめるように乳首にむしゃぶりつく。闇雲に吸うのではなく、フランチェスカの官能を引き出すよう巧みに歯と舌とを使った。
「ん……っ! ゃ、ぁ……」
媚薬によって夢中になりすぎたら今夜のことは何もフランチェスカの中に残らないかもしれない。
結果が出るまで答えに確証が持てないことが怖くて媚薬を飲まずにいたのは正解だった。レオナルドに与えられる快楽が強すぎて、何度も目の前が真っ白に灼ききれそうになっている。
「だめ、ぁ、あああぁ……っ!」
強すぎる快楽に襲われ、フランチェスカは身を屈めて懸命に耐えた。
足のつけ根にほど近いお腹の内側を切っ先の張り出した部分に擦られると、どうしたわけか足に力が入らなくなる。
「殿下ぁ……っ。おかしく、な……ちゃ……」
堪えられなくてレオナルドにしがみついた。
性交渉の経験など一度もないくせに散々弄ぶようなことをしたからか、レオナルドはフランチェスカの腰を掴んで胸への愛撫を続けたまま下から激しく突き上げて来る。
「そ、こ……擦ったら、だめ……。ぃ、ゃ……、ひ、あぁ……っ!」
大きな絶頂を迎え、胸を締めつける切なさから悲鳴に似た啼き声がこぼれると同時に胎内がきつく締まった。
レオナルドは、どうなのだろう。
初めてだから彼がどのタイミングで達して吐精するのか、兆しがあるのか、それがあるのならどのような変化があるのかも分からない。できるだけ長く一つになっていたいけれど、一夜限りだと割り切っていると示す為には中で受け止めてはいけないと思った。
「あ、あ……っ!」
むしろ逃げようとするフランチェスカを察したのか腰を強く押しつけられる。中に収められたままの熱杭が脈打つのが分かった。
レオナルドが吐精しようとしている。
離れなければ。かろうじて残る理性が思うのとは裏腹に本能が精を絞り取ろうと貪欲になる。別の生き物がのたうつように蜜壺は蠕動し、うねった。
お腹の奥に熱い塊が幾度も叩きつけられ、引きはじめていた快楽の波に流されてしまいそうでレオナルドの首に縋りついた。
(殿下の、子種が……私の、中、に)
注がれた熱はフランチェスカにこのうえない幸福感を与えてくれる。
だけど、何故。
「ど……して、殿下……」
「――あなたが煽ったんだ」
「殿、下……?」
「もう眠った方がいいと、忠告したのに」
屹立は二度の吐精にも萎えてはいない。雄々しい楔によって繋がったまま仰向けに横たえられ、今度はフランチェスカがレオナルドを見上げた。
「この身体だと吐精までの時間が短くて満足させてあげられないかもしれないが、代わりに回数をこなせる体力はあるから安心して。――フランチェスカ」
少年のレオナルドに、大人の男の面影が見えた気がした。
奇妙な対抗心が働き、動かす指はそのままにレオナルドをまっすぐに見つめた。まるで獰猛な獣同士が命を賭して睨み合うように、お互いに目を逸らすことなく自らの身体を通して相手の身体を貪った。
胎内が疼く。
欲しくて、けれどそれはレオナルドじゃないのならいらない。
渇きを訴える身体を宥める為に蕾を弄って慰めた。
「っ、だめ、だ……。出る、……ン、出したい」
「殿下、あっ、ふ、ぁ……。で、んか。一緒、に……。あ、ああぁ……っ!」
手を伸ばせば簡単に触れられる距離にいるのに触れ合えないまま、自らの手で初めての絶頂に辿り着く。身体から力が抜け、荒い息を繰り返しながらクッションに沈んだ。
熱を孕み、しっとりと汗ばむ肌に上質なシルクのひんやりとした感触が心地良い。
でも、まだ終わりじゃない。
呼吸も落ち着いて来ると、鼻に届いた青くさいにおいに誘われるよう近寄った。
レオナルドの前に跪き、白濁に濡れた右手を取る。躊躇いもなく舌を出し、白濁液を舐めた。苦くて、決しておいしいものではない。レオナルドが鋭く息を詰めたのが分かった。
「聖女殿、それは」
「ん……殿下の、精液……おいし……」
苦くて、おいしくはない。
けれどフランチェスカにはそれでも良かった。一雫さえこぼしたくなくて懸命に舌を這わせる。無意識のうちに子種を求めて腰が揺れた。中に欲しいと、今なら手に入れられるかもしれない可能性を前にして、みっともなくねだっている。
レオナルドも本能に抗えないのか、吐精を終えて萎えたばかりのものが再び鎌首をもたげはじめた。みるみる硬さと大きさを増し、獲物を求めて天を向く。
「ふふ……っ。殿下も、ご自身の慰めでは物足りませんでしたか」
今度は触れることを拒まれなかった。
灼けついてしまいそうなほどに熱い屹立を優しく握り、先程の彼自身がそうしていたように手を動かす。先端の小さな窪みから透明な液体が分泌され、とろりと滴り落ちた。ぬるつく液体で指がすべって、予想以上に滑らかに上下する。
「く、ぅ……」
きつく眉を寄せ、快楽を堪える様がフランチェスカの情欲を煽った。
「だめ、だ、聖女殿……。それ、以上は……」
「また吐精してしまいますか?」
レオナルドは唇を噛んだ。
図星だろうか。
このまま手淫で吐精まで導きたい気もするけれど、もしかしたらこれが最後になってしまうかもしれない。それではフランチェスカは満足できなかった。何よりも、ずさんな計画が台無しだ。
「もう少し我慢なさって……殿下」
懇願するよう囁き、媚びた仕草で耳を食んだ。手の中で屹立が震える。
まだだめ、子供を叱るように思わず呟いて身体を寄せた。
心臓が激しく高鳴っている。
怖くないと言えば嘘だ。でも恐怖よりもずっと、レオナルドが欲しい気持ちの方が強かった。
「ん、んぅ……っ」
「やめ……っ!」
意図を察したレオナルドが再び制止の声をかける今度は聞かない。
固く閉ざされた蜜口に切っ先をあてがい、深く息を吐きながら腰を沈める。
成人男性のそれよりは成長してないと踏んではいたものの、それでも経験のない乙女の身には大きいものであることに変わりはなかった。
柔らかな媚肉を大きく硬い熱杭が力強く割り開き、フランチェスカを隙間なく埋めて行く。
「本当にお嫌なら……私を容赦なく突き飛ばして下さいませ」
抵抗や拒絶する権利がレオナルドにはある。
だけど、もう半分以上がフランチェスカの胎内に飲み込まれた今となっては、さしものレオナルドでも理性を働かせるのは難しいに違いない。初めて動揺したような表情になった。
「ご安心、下さい……殿下。今夜のこと――決して誰にも言わずに、私一人の胸にしまい込みますから」
今夜だけで嘘を重ねて誘惑を続けたフランチェスカの約束を信じるほどレオナルドはお人好しではないだろう。
だから多くは望まない。一夜だけ本能に抗えなかったと、忌まわしき記憶だと朝になったら忘れてしまっても構わないから、抱いてくれたらそれで良かった。
高揚と痛みとで身体が熱を帯びる。燃え尽きて消えてなくなってしまってもいい。半端な覚悟や想いで純潔を捧げたわけじゃないのだ。
フランチェスカは両手でふくらみを寄せ、レオナルドの眼前で揺すった。
特別豊満な身体でもない。それでもフランチェスカにできる精一杯の誘惑だった。
「っ、ん」
レオナルドの手がゆっくりとふくらみに触れる。下から包み込み、やんわりと揉みしだきはじめた。
自分の手とはまるで違う感触に肌が戸惑いを覚えると同時に、初めて知る歓喜が渦巻いて身体中に広がって行く。
切なくて苦しいのに不快ではなく、むしろもっと欲しがってもどかしげに心を疼かせた。
フランチェスカはかぶりを振り、レオナルドの肩に手を置く。指先で乳首を転がされると、自分でした時よりずっと甘やかな強い快楽に背中がのけぞった。
突き飛ばさなかった以上今さら遠慮しても仕方ないと思っているのか、あるいは少しでも痛みを和らげようとしてくれているのか。どちらでもいい。ただ、気持ち良かった。そして――幸せすぎて、泣きたくなる。
快楽で涙が潤んでいるのだと思わせたくてレオナルドの髪に指を埋めた。
端正な顔にふくらみを押しつけて愛撫をねだれば、レオナルドは観念したのか熱い息を深く吐き出す。それから顔の位置をずらし、右側の乳首を口に含んだ。
「ふ、ぁ……っ! す、き……っ。殿下、す……それ、好き……っ」
溢れるまま想いを伝えそうになって、慌てて誤魔化す。
胎内が柔らかく開かれはじめ、まだ痛みはわずかに残っているけれど腰をゆっくりと上下させた。
無理やり繋いだ偽りの交わりでも、フランチェスカには大切な一生の思い出だ。どんな些細なことだろうと忘れずに身体に刻みつけたくて、奥深くを貫く熱杭を食い締める。
「ひぁっ!」
ふいに乳首に歯を立てられ、背中が大きく跳ねた。じんじんと痛むそれを今度は優しく舐られ、腰が砕けてしまいそうになる。
身体は十四、五歳のそれになったって、心は二十歳のレオナルドのものだ。その心を形成する記憶や経験は失われずに残っている。
フランチェスカではない誰かに寵を与え、肌を重ねたことも。
(それでも、いい。それでもいいと思ったから私は)
乳飲み子さながらに乳首に吸いつくレオナルドを見て下ろしていると、こんな状況でも母性をくすぐられるのか優しい気持ちになる。
けれどレオナルドの髪を撫でると子供扱いしているのが伝わって気に入らないのか、一瞬だけ真っすぐな目を向けられた。本当は二歳年上の男なのだと思い知らしめるように乳首にむしゃぶりつく。闇雲に吸うのではなく、フランチェスカの官能を引き出すよう巧みに歯と舌とを使った。
「ん……っ! ゃ、ぁ……」
媚薬によって夢中になりすぎたら今夜のことは何もフランチェスカの中に残らないかもしれない。
結果が出るまで答えに確証が持てないことが怖くて媚薬を飲まずにいたのは正解だった。レオナルドに与えられる快楽が強すぎて、何度も目の前が真っ白に灼ききれそうになっている。
「だめ、ぁ、あああぁ……っ!」
強すぎる快楽に襲われ、フランチェスカは身を屈めて懸命に耐えた。
足のつけ根にほど近いお腹の内側を切っ先の張り出した部分に擦られると、どうしたわけか足に力が入らなくなる。
「殿下ぁ……っ。おかしく、な……ちゃ……」
堪えられなくてレオナルドにしがみついた。
性交渉の経験など一度もないくせに散々弄ぶようなことをしたからか、レオナルドはフランチェスカの腰を掴んで胸への愛撫を続けたまま下から激しく突き上げて来る。
「そ、こ……擦ったら、だめ……。ぃ、ゃ……、ひ、あぁ……っ!」
大きな絶頂を迎え、胸を締めつける切なさから悲鳴に似た啼き声がこぼれると同時に胎内がきつく締まった。
レオナルドは、どうなのだろう。
初めてだから彼がどのタイミングで達して吐精するのか、兆しがあるのか、それがあるのならどのような変化があるのかも分からない。できるだけ長く一つになっていたいけれど、一夜限りだと割り切っていると示す為には中で受け止めてはいけないと思った。
「あ、あ……っ!」
むしろ逃げようとするフランチェスカを察したのか腰を強く押しつけられる。中に収められたままの熱杭が脈打つのが分かった。
レオナルドが吐精しようとしている。
離れなければ。かろうじて残る理性が思うのとは裏腹に本能が精を絞り取ろうと貪欲になる。別の生き物がのたうつように蜜壺は蠕動し、うねった。
お腹の奥に熱い塊が幾度も叩きつけられ、引きはじめていた快楽の波に流されてしまいそうでレオナルドの首に縋りついた。
(殿下の、子種が……私の、中、に)
注がれた熱はフランチェスカにこのうえない幸福感を与えてくれる。
だけど、何故。
「ど……して、殿下……」
「――あなたが煽ったんだ」
「殿、下……?」
「もう眠った方がいいと、忠告したのに」
屹立は二度の吐精にも萎えてはいない。雄々しい楔によって繋がったまま仰向けに横たえられ、今度はフランチェスカがレオナルドを見上げた。
「この身体だと吐精までの時間が短くて満足させてあげられないかもしれないが、代わりに回数をこなせる体力はあるから安心して。――フランチェスカ」
少年のレオナルドに、大人の男の面影が見えた気がした。
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