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カイル視点の前日譚
彼女のこと
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夜会の翌日、カイルは招待された貴族の中から該当する少女をリストアップすることからまず手をつけた。
ディアスに頼んで全ての賓客を書き連ねた一覧の控えを用意してもらい、机の上に置く。
「それで、どのようなご令嬢を探し出せば良いのです?」
リストアップも手伝うことになったディアスがやんわりと尋ねる。
カイルはいちばん上にあったリストを手に取り、ぱらぱらと目を通しながら答えた。
「俺と同い年くらいの令嬢だ」
「それはまた。ずいぶんと範囲が広いのでは。せめて名前くらいはご存知ではないのですか」
「名前を知ってるなら何の苦労もしない」
「それもそうですね」
苦笑して自分もまたリストに目を落とすディアスに、カイルはそういえば、と思い出す。
「ディアスは昨日、庭園の見回りも担当してたな。榛色の長い髪で、緑色のドレスを着た女の子を見たりしなかったか」
「ああ、私が案内を担当した伯爵家のお嬢様がそうでしたねえ」
「は?」
のんびりと答えるディアスに、カイルはリストを閉じると半ば睨むような視線を向けた。
「何故それを先に言わなかったんだ」
「何故って、王子から聞かれませんでしたので」
思わず額に手を当てて首を振った。
リストを持って来させられた時に言えば良かったではないか。
カイルがリストを必要とする理由をディアスが聞かなかったのは、決して余計な口出しをしない有能な臣下だからでも、気の利かない無能な臣下だからでもない。
聞かない方が、面白いことになりそうだからだ。
「ですがお急ぎだったようで今朝いちばんに領地へ戻られると仰っていましたから、すでに王都を立った後かと」
「どうして引き留めなかったんだ」
「事情は分かりませんが無茶を仰らないで下さい。そもそも王子ならいざ知らず、私にそんな権限があるはずないではありませんか」
まごうことなき正論を言われ、カイルも引き下がるしかない。
けれど昨日しか話す機会がなかっただなんて、誰が思うだろうか。
深く息を吐いて気持ちを落ち着かせ、ディアスを見る。
「どこの令嬢か覚えてるか」
「確か……ハプスグラネダ伯爵ですね」
「ハプスグラネダ?」
カイルは訝しそうに眉を寄せた。元々、貴族の家名に詳しくはないし初めて聞く名だ。
「ええ。ここから馬車で三日ほどかかる領地を治めていらっしゃるようですよ。ですから普段はご子息とご令嬢が王都へいらっしゃることはないのだとか」
そんなに遠いのか。目の前が絶望で真っ暗になる。
だが家名が分かれば順番に並べられているリストからは探しやすい。そこに記載された中には『アリシア・ハプスグラネダ 十一歳』と確かにあった。
「――アリシア」
初めて知る花の名のように、小さく呟く。
カイルの中でようやく彼女の顔と名前が繋がった。自分に向けられたわけでもない笑顔を思い出すだけで、カイルの胸は温かくなる。
カイルが名を呼んでも振り向いてくれるのだろうか。花がほころぶように笑ってくれるだろうか。
「淡い妄想に浸っていらっしゃるところを邪魔するようで申し訳ありませんが、遠い場所に住んでいらっしゃるようですし、手紙でもしたためるのですか」
微妙に一言多いディアスの問いかけに、カイルはあえて何も言わずに首を振った。
いきなり手紙を出しても読まれない気がする。
それに、送り返されたらと思えば行動を躊躇わせた。
とは言え週末にカイル一人が気軽にふらりと行けるような距離じゃない。
図書館に保管されてある何種類もの地図で何度も確認したが、カイルが望んだからと言ってその距離が縮まることはもちろんなかった。
夜会からおよそ一月後、思わぬ事態が発生した。
カイルとエレナを婚約させようという話が持ち上がったのだ。
二人は同い年で、それなりに友好な関係を築いている。周囲の貴族たちにも、そのような話が出るのは自然の流れと思われていた。
ディアスは何も言わなかったし、カイルも相談しようとは思わなかった。
本来、貴族の結婚とはそういうものだ。それは王族とて例外ではない。
だがカイルにとって、エレナとの婚約にはもっと別の意味があった。
エレナと結婚するのであれば、彼女を――アリシアを忘れなければいけない。
いわゆる第二夫人に迎えようとすることはおそらく可能だ。理屈の上では可能ではあっても、実際に迎えることはできないだろう。
それはカイルの気持ちの問題であり、彼女がそんな状況を受け入れはしないというカイルの想像だ。
迷ったのは、数日だった。
カイルはエレナに正直に話すことを選んだ。
どうしても忘れられない女の子がいる。一度会っただけで、特別親しくなったわけでもない。それでも、カイルにとっては彼女だけがもう、特別な存在なのだと。
我ながらひどい言い分だと思う。
エレナのプライドをズタズタに切り裂いてまでカイルは、他の少女への想いを貫くことを決めたのだ。どれだけ詰られようとそれは当然の報いだろう。
「……すまない」
しかしエレナは怒った様子もなくさらりと答える。
「まあ奇遇ですこと。私にも、どうしても手に入れたい相手がいますの。あなたに婚約の意思がなくて本当に良かったです」
婚約が白紙になったのは、さらに一か月後のことだった。
夜会へ出るのはいつまで経っても好きにはなれない。
カイル個人ではなく、王家と繋がりを持つことを目的とした貴族やその子女たちの相手は面倒なばかりだ。
そんな場でも彼女がいるのなら話は別だが、時折ハプスグラネダ伯爵夫妻が列席しているのを遠目に確認できるだけだった。
どうすれば彼女はまた王都に来てくれるのだろう。
第三王子という立場を利用し、父である国王やハプスグラネダ伯爵に頼めばいいのかもしれない。
けれど、自分の手でハプスグラネダ領から連れ出したいと思った。かと言ってカイルの名で夜会に招待してみても、きっと来てはくれない。
「まあカイルったら。せめてもう少し楽しそうな顔をして下さいな」
困ったように苦笑いを浮かべるエレナに、しかしカイルは不機嫌さを隠さず答える。
「俺が踊りたいのは君じゃない」
「あら失礼ね。あなたが遠い地にいる初恋のお姫様と踊りたいように、私だって踊りたいのはあなたではない王子様なのよ」
エレナも心外だと言わんばかりに眉を寄せた。
傍から見れば見目麗しい、金髪の王子とプラチナブロンドの令嬢が見つめ合っているようにも見えるが、実際はとてもそんな甘い雰囲気ではない。
「君はその王子様とやらと踊れるだろう」
「あなただって、本当に踊りたいのなら踊れるのではなくって? それとも、不愛想にしすぎて印象が悪いからお誘いに応じてもらえないのが怖いのかしら?」
辛辣な言い方にカイルは思わずディアスへと視線を向けた。
全く、余計なことばかり話すものだ。
会話をしていることには気がついても、内容までは聞こえていないディアスは素知らぬ顔で、わずかな間だけ形ばかりの婚約関係にあった二人を眺めている。
「私も、あなたがそこまで想いを寄せる可愛いお姫様をぜひ見てみたいわ。いつになったら紹介して下さるの?」
紹介できるものならやってごらんなさい。暗に挑発する元婚約者の少女をカイルは忌々し気に見た。
婚約関係こそ解消したが、エレナが傍にいることで他の令嬢が迂闊に寄って来ようとしないのは助かっている。
しかしそれはエレナにとっても同じことが言え、利害関係の一致する彼らはいわば戦友のようなものだった。
恋愛感情など最初から互いにない。
捧げるべき心もとうに他の相手へ全て捧げている。
もしカイルが第一王子であったのなら、そうは行かなかった。
エレナはきっと性格的に王妃に向いている。
家柄についても申し分がないのは現に実証されているし、当人たちの気持ちなど、ここまで鑑みてはもらえなかっただろう。
否が上でも、カイルは自力ではどうにもならないことの存在を痛感する。
それはまだ子供であることだったり、王族であることだったり。
もちろん、そこから得られるメリットがないわけではない。けれどそれを享受することは当然の権利と考えていた。カイルに限った話ではないが、自由と時間という言う大きな代償を払っているのだ。
ただ、もう一度あの子に会って、笑って欲しいだけなのに。
子供であり、王族に名を連ねるカイルには、今はそれすら叶わない。
ディアスに頼んで全ての賓客を書き連ねた一覧の控えを用意してもらい、机の上に置く。
「それで、どのようなご令嬢を探し出せば良いのです?」
リストアップも手伝うことになったディアスがやんわりと尋ねる。
カイルはいちばん上にあったリストを手に取り、ぱらぱらと目を通しながら答えた。
「俺と同い年くらいの令嬢だ」
「それはまた。ずいぶんと範囲が広いのでは。せめて名前くらいはご存知ではないのですか」
「名前を知ってるなら何の苦労もしない」
「それもそうですね」
苦笑して自分もまたリストに目を落とすディアスに、カイルはそういえば、と思い出す。
「ディアスは昨日、庭園の見回りも担当してたな。榛色の長い髪で、緑色のドレスを着た女の子を見たりしなかったか」
「ああ、私が案内を担当した伯爵家のお嬢様がそうでしたねえ」
「は?」
のんびりと答えるディアスに、カイルはリストを閉じると半ば睨むような視線を向けた。
「何故それを先に言わなかったんだ」
「何故って、王子から聞かれませんでしたので」
思わず額に手を当てて首を振った。
リストを持って来させられた時に言えば良かったではないか。
カイルがリストを必要とする理由をディアスが聞かなかったのは、決して余計な口出しをしない有能な臣下だからでも、気の利かない無能な臣下だからでもない。
聞かない方が、面白いことになりそうだからだ。
「ですがお急ぎだったようで今朝いちばんに領地へ戻られると仰っていましたから、すでに王都を立った後かと」
「どうして引き留めなかったんだ」
「事情は分かりませんが無茶を仰らないで下さい。そもそも王子ならいざ知らず、私にそんな権限があるはずないではありませんか」
まごうことなき正論を言われ、カイルも引き下がるしかない。
けれど昨日しか話す機会がなかっただなんて、誰が思うだろうか。
深く息を吐いて気持ちを落ち着かせ、ディアスを見る。
「どこの令嬢か覚えてるか」
「確か……ハプスグラネダ伯爵ですね」
「ハプスグラネダ?」
カイルは訝しそうに眉を寄せた。元々、貴族の家名に詳しくはないし初めて聞く名だ。
「ええ。ここから馬車で三日ほどかかる領地を治めていらっしゃるようですよ。ですから普段はご子息とご令嬢が王都へいらっしゃることはないのだとか」
そんなに遠いのか。目の前が絶望で真っ暗になる。
だが家名が分かれば順番に並べられているリストからは探しやすい。そこに記載された中には『アリシア・ハプスグラネダ 十一歳』と確かにあった。
「――アリシア」
初めて知る花の名のように、小さく呟く。
カイルの中でようやく彼女の顔と名前が繋がった。自分に向けられたわけでもない笑顔を思い出すだけで、カイルの胸は温かくなる。
カイルが名を呼んでも振り向いてくれるのだろうか。花がほころぶように笑ってくれるだろうか。
「淡い妄想に浸っていらっしゃるところを邪魔するようで申し訳ありませんが、遠い場所に住んでいらっしゃるようですし、手紙でもしたためるのですか」
微妙に一言多いディアスの問いかけに、カイルはあえて何も言わずに首を振った。
いきなり手紙を出しても読まれない気がする。
それに、送り返されたらと思えば行動を躊躇わせた。
とは言え週末にカイル一人が気軽にふらりと行けるような距離じゃない。
図書館に保管されてある何種類もの地図で何度も確認したが、カイルが望んだからと言ってその距離が縮まることはもちろんなかった。
夜会からおよそ一月後、思わぬ事態が発生した。
カイルとエレナを婚約させようという話が持ち上がったのだ。
二人は同い年で、それなりに友好な関係を築いている。周囲の貴族たちにも、そのような話が出るのは自然の流れと思われていた。
ディアスは何も言わなかったし、カイルも相談しようとは思わなかった。
本来、貴族の結婚とはそういうものだ。それは王族とて例外ではない。
だがカイルにとって、エレナとの婚約にはもっと別の意味があった。
エレナと結婚するのであれば、彼女を――アリシアを忘れなければいけない。
いわゆる第二夫人に迎えようとすることはおそらく可能だ。理屈の上では可能ではあっても、実際に迎えることはできないだろう。
それはカイルの気持ちの問題であり、彼女がそんな状況を受け入れはしないというカイルの想像だ。
迷ったのは、数日だった。
カイルはエレナに正直に話すことを選んだ。
どうしても忘れられない女の子がいる。一度会っただけで、特別親しくなったわけでもない。それでも、カイルにとっては彼女だけがもう、特別な存在なのだと。
我ながらひどい言い分だと思う。
エレナのプライドをズタズタに切り裂いてまでカイルは、他の少女への想いを貫くことを決めたのだ。どれだけ詰られようとそれは当然の報いだろう。
「……すまない」
しかしエレナは怒った様子もなくさらりと答える。
「まあ奇遇ですこと。私にも、どうしても手に入れたい相手がいますの。あなたに婚約の意思がなくて本当に良かったです」
婚約が白紙になったのは、さらに一か月後のことだった。
夜会へ出るのはいつまで経っても好きにはなれない。
カイル個人ではなく、王家と繋がりを持つことを目的とした貴族やその子女たちの相手は面倒なばかりだ。
そんな場でも彼女がいるのなら話は別だが、時折ハプスグラネダ伯爵夫妻が列席しているのを遠目に確認できるだけだった。
どうすれば彼女はまた王都に来てくれるのだろう。
第三王子という立場を利用し、父である国王やハプスグラネダ伯爵に頼めばいいのかもしれない。
けれど、自分の手でハプスグラネダ領から連れ出したいと思った。かと言ってカイルの名で夜会に招待してみても、きっと来てはくれない。
「まあカイルったら。せめてもう少し楽しそうな顔をして下さいな」
困ったように苦笑いを浮かべるエレナに、しかしカイルは不機嫌さを隠さず答える。
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「あら失礼ね。あなたが遠い地にいる初恋のお姫様と踊りたいように、私だって踊りたいのはあなたではない王子様なのよ」
エレナも心外だと言わんばかりに眉を寄せた。
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全く、余計なことばかり話すものだ。
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「私も、あなたがそこまで想いを寄せる可愛いお姫様をぜひ見てみたいわ。いつになったら紹介して下さるの?」
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婚約関係こそ解消したが、エレナが傍にいることで他の令嬢が迂闊に寄って来ようとしないのは助かっている。
しかしそれはエレナにとっても同じことが言え、利害関係の一致する彼らはいわば戦友のようなものだった。
恋愛感情など最初から互いにない。
捧げるべき心もとうに他の相手へ全て捧げている。
もしカイルが第一王子であったのなら、そうは行かなかった。
エレナはきっと性格的に王妃に向いている。
家柄についても申し分がないのは現に実証されているし、当人たちの気持ちなど、ここまで鑑みてはもらえなかっただろう。
否が上でも、カイルは自力ではどうにもならないことの存在を痛感する。
それはまだ子供であることだったり、王族であることだったり。
もちろん、そこから得られるメリットがないわけではない。けれどそれを享受することは当然の権利と考えていた。カイルに限った話ではないが、自由と時間という言う大きな代償を払っているのだ。
ただ、もう一度あの子に会って、笑って欲しいだけなのに。
子供であり、王族に名を連ねるカイルには、今はそれすら叶わない。
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