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それからの日々
二年目
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さらに月日が流れ、出産まで間もなくという頃、庭の散歩中にゲオルグに声をかけられた。
「お嬢様」
ゲオルグもずっと修道院にいてくれる。
母からの手紙によれば、ゲオルグにも手紙を送っては戻って来るように何回か呼びかけていても断られ続けているらしい。
同じ敷地内にいても、アリーシェリナが顔を合わせるのも一か月に二度あれば良い方だ。
ゲオルグが修道院での仕事にやりがいを見い出しているのならそれでも良いと思う。けれど彼は騎士として生計を立てられたらと以前言っていた。その考えが変わったとは思えないのだ。
「お久し振りです、ゲオルグさん」
「――そろそろ御子がお産まれになる頃ですね」
「はい」
アリーシェリナは大きく膨らんだお腹を優しく撫でた。
ずっしりとした重さはそこに大切な命が宿っているのだと実感する。そして、母親になるのだと幸せな想いで満たしてくれた。
「最近では早く出たいのか内側で良く動くんです」
メアリから話は聞いていたけれど、初めて経験した時は嬉しくて泣きそうになった。
その後、合図のように内側から響いては、アリーシェリナも早く我が子に会いたいと願ってやまない。
「お嬢様――いえ。アリーシェリナ様」
ゲオルグが一歩踏み出す。
真剣な表情に、何故か嫌な予感がした。
子供に危害をくわえられるとかそういうことではなく、アリーシェリナの望まぬ事態が起こる。そんな気がしてならない。
「私が産まれて来る御子の父親となり、あなたと御子のお二人を守り抜くと誓います。だから、どうか私と結婚して下さい」
「私、は……」
ゲオルグに求婚される日が来るなんて思ってもみなかった。
予想外の言葉に世界がぐらつく。必死で自分の両足で立ちながら、アリーシェリナは声を振り絞った。
「ゲオルグさんも、ご存知のはずです。私はリヒト様を想い続けています。今も、これからもずっと、その想いは揺らぎません」
「もちろん重々承知しています。それでも子供には"父親"という存在が必要なのではありませんか」
「子供を持ち出すのはずるいです」
思わず咎めるような声と口ぶりになる。
けれど我が子を利用するような物言いは許容できなかったし、謝罪するつもりもない。そしてゲオルグも子供を利用することに後ろめたさを感じているのか反発する様子は見せなかった。
「それも承知しているうえで、私が生半可な気持ちでこのようなことを言っているのではないと理解していただきたいのです」
ゲオルグのアリーシェリナに対する気持ちがどんな形をしているのか、考えたことはなくとも、相応の覚悟を持っているのは分かっていた。
そうでなければ修道院に残り続けているはずもない。
アリーシェリナの護衛の役割を終えた後も、父との間に新たな契約が結ばれる手筈だった。ウィンドルフ領に留まることをよしとしないのなら紹介状を書くと、父も最善を尽くそうとしていた。
でもゲオルグは必要性をなくした、アリーシェリナの護衛を続ける道を望んだ。
それが何を意味するのか。
(――いいえ。私はもっと前から察していて、わざと気がついていないふりをしていた)
何も言わないのをいいことに、ゲオルグの想いを利用していた。ずるいと言うのならアリーシェリナだってそうだ。むしろ、アリーシェリナの方がずっと非がある。
ゲオルグを隠れ蓑にした。明かせない父親の素性を隠しきる為の盾に選んだ。それは許されなくても心からの謝罪を捧げなければいけない。
だけど、それとこれとは話が違う。
リヒト以外、誰も父親にはなれないのだ。
「子供の名前を決めているんです。もし男の子ならリベリト、女の子ならリアナ、と」
忘れられない、忘れたくないと想いを強く込めた名前を伝えれば、ゲオルグは表情を歪ませた。
尽くしてくれたことは感謝している。でもそこには恋も愛もなかった。もちろん嫌いなわけでもない。強いて言うのなら家族に対する情だろうか。兄のように思っている。だから子供を間に挟んだ家族の形は取れない。
「王都では、一時期収まっていた令嬢失踪事件が再び発生しているのだそうです」
「え?」
ゲオルグが何を言い出すのか一瞬分からなかった。
少しして、リヒトが意識を失った状態でウィンドルフ家に運ばれた時に同じ事件について話していたのを思い出す。
「――リヒト様が犯人だと?」
あの時もゲオルグはリヒトに疑いをかけていた。
問いかける声が震える。ゲオルグは悪びれた様子もなく言葉を紡いだ。
「王都にいる間に事件が起きているのなら、その可能性は十分にあるとお伝えしたいだけです」
「やめて!」
リヒトがそんなことをするはずがない。
アリーシェリナは淡い初恋の記憶を守る為にかぶりを振った。
王都にいる。それだけの憶測でリヒトを貶める言葉なんて聞きたくない。お腹の子供に、父親が悪人であるだなんて根も葉もない噂でも聞かせたくなかった。
重い沈黙が流れる。でもアリーシェリナは口を開く気にはなれず、逆に唇を引き結んだ。ゲオルグと口論がしたいわけでもない。ならば、黙るしかないではないか。
先に折れたのは当然ゲオルグだった。
申し訳ありません、と低く呟き、けれど、と続ける。
「私の気持ちは変わりません。アリーシェリナ様が誰のものにもなられずにいる間はずっと、お傍でお仕え致します」
「ゲオルグさん……」
「では、まだ作業がありますので失礼致します」
ゲオルグが立ち去って一人になると、アリーシェリナはそっと両手でお腹に触れた。
(どうしたらいいの。あなたも――お父様は欲しい?)
お腹の内側で子供が動く。
血の繋がりがなくても父と言う存在を必要としているようにも思えるし、血の繋がった父以外は必要としていないと言っているようにも思える。当たり前かもしれないけれど、アリーシェリナが欲しい答えに気持ちが揺らぐ。
(ごめんね、赤ちゃん。でもその分、私が精一杯あなたを愛するから)
アリーシェリナはもう寄り添えなくてもリヒト以外いらない。母親失格なこの気持ちだけはどうしようもないのだ。
「こんなところで立ち尽くしたりしてどうしたの? 戻らないとお腹を冷やしてしまうわ」
ふいに声をかけられた。
ソフィアが正面からゆっくりと近寄って来る。アリーシェリナは慌てて笑みを浮かべ、初めての友人を見やった。
「少し考えごとをしていて……」
「ゲオルグさんとケンカでもしたの?」
「え?」
「さっき、すれ違ったから挨拶をしようと思ったんだけど、何だかその……とても声をかけられる雰囲気ではなかったから」
「私が聞き分けのないことを言ってしまったから、やっぱり怒らせてしまっていたのね」
当たり障りのない言葉で誤魔化す以外に思いつかず、アリーシェリナは息を吐いて踵を返した。
だからソフィアの何か言いたげな表情には気がつかなかった。
「リナ、よく頑張ったわね」
初めての出産は半日ほどかかり、ようやく我が子の泣き声が聞こえた時はアリーシェリナも安堵と喜びで涙が溢れた。
「私……、の、赤ちゃん……」
「目の形はリナに似ているかしら?」
小さな命を腕の中に抱けば自分と同じ、淡い青の光を放つ銀白色の髪が血を継いだ子供なのだと実感させる。
固く閉ざされた目は何色か分からないけれど、メアリが言うように自分と似ているのだろうか。何だかくすぐったい気持ちになり、口元がリヒトのそれと似ているような気がすると思った途端に胸がいっぱいになった。
(私とリヒト様の、赤ちゃん)
この子だけがアリーシェリナの支えであり、産まれて来るその日がずっと待ち遠しくてたまらなかった。
半日にも及ぶ出産の痛みも苦しみも、全て跡形もなく消えて行く。泣きじゃくる我が子を抱きしめ、アリーシェリナもひたすら泣いた。
(嬉しい。私、一人でも頑張って育てるから)
産まれて来た我が子は娘だった為、リアナと名付けた。
父親のリヒトと同じ文字からはじまり、同じ文字数で終わる名前。
そして、母親のアリーシェリナの名前にも使われている文字も含んでいる。
あっという間に一年の月日が流れて行った。
母に相談できない代わりに出産経験者のシスター・リンダやメアリに色々なことを教わり、今まで以上にソフィアたちにも手助けしてもらいながらリアナは日に日に育っていく。ゲオルグも、お互いに抱っこは躊躇いがあってしてはいないものの、あれから特に軋轢はない。
窓際のベッドで眠るリアナを見つめているとドアがノックされた。
「あなたにお会いしたいという方がいらしてるわ、リナ」
「私に?」
アリーシェリナは首を傾げた。
心当たりがまるでない。
けれどわざわざ足を運んでくれている相手を追い返すのも申し訳なく、リアナがよく眠っているのを確認してからドアを開いた。
アリーシェリナの自室に案内されたその人物は、ソフィアにお礼を述べると後ろ手にドアを閉め、柔らかく微笑んだ。
「ど、うして……?」
女性だけが身を置く修道院に二年もいるうちに安心しきっていたのだと思う。
いかなる理由があっても修道女たちの自室がある場所に男性は入れない。
それは相手がたとえ王族だとしても例外ではないはずだ。――例外ではないと思い込んでいた。
「ここではリナって呼ばれてるんだね、アリィ」
「リヒト、様……」
もう二度と会うことも名を呼ぶこともないと思っていた相手が、手の届くところにいる。
だけどアリーシェリナはまるで雷に打たれたかのように動けなかった。
「お嬢様」
ゲオルグもずっと修道院にいてくれる。
母からの手紙によれば、ゲオルグにも手紙を送っては戻って来るように何回か呼びかけていても断られ続けているらしい。
同じ敷地内にいても、アリーシェリナが顔を合わせるのも一か月に二度あれば良い方だ。
ゲオルグが修道院での仕事にやりがいを見い出しているのならそれでも良いと思う。けれど彼は騎士として生計を立てられたらと以前言っていた。その考えが変わったとは思えないのだ。
「お久し振りです、ゲオルグさん」
「――そろそろ御子がお産まれになる頃ですね」
「はい」
アリーシェリナは大きく膨らんだお腹を優しく撫でた。
ずっしりとした重さはそこに大切な命が宿っているのだと実感する。そして、母親になるのだと幸せな想いで満たしてくれた。
「最近では早く出たいのか内側で良く動くんです」
メアリから話は聞いていたけれど、初めて経験した時は嬉しくて泣きそうになった。
その後、合図のように内側から響いては、アリーシェリナも早く我が子に会いたいと願ってやまない。
「お嬢様――いえ。アリーシェリナ様」
ゲオルグが一歩踏み出す。
真剣な表情に、何故か嫌な予感がした。
子供に危害をくわえられるとかそういうことではなく、アリーシェリナの望まぬ事態が起こる。そんな気がしてならない。
「私が産まれて来る御子の父親となり、あなたと御子のお二人を守り抜くと誓います。だから、どうか私と結婚して下さい」
「私、は……」
ゲオルグに求婚される日が来るなんて思ってもみなかった。
予想外の言葉に世界がぐらつく。必死で自分の両足で立ちながら、アリーシェリナは声を振り絞った。
「ゲオルグさんも、ご存知のはずです。私はリヒト様を想い続けています。今も、これからもずっと、その想いは揺らぎません」
「もちろん重々承知しています。それでも子供には"父親"という存在が必要なのではありませんか」
「子供を持ち出すのはずるいです」
思わず咎めるような声と口ぶりになる。
けれど我が子を利用するような物言いは許容できなかったし、謝罪するつもりもない。そしてゲオルグも子供を利用することに後ろめたさを感じているのか反発する様子は見せなかった。
「それも承知しているうえで、私が生半可な気持ちでこのようなことを言っているのではないと理解していただきたいのです」
ゲオルグのアリーシェリナに対する気持ちがどんな形をしているのか、考えたことはなくとも、相応の覚悟を持っているのは分かっていた。
そうでなければ修道院に残り続けているはずもない。
アリーシェリナの護衛の役割を終えた後も、父との間に新たな契約が結ばれる手筈だった。ウィンドルフ領に留まることをよしとしないのなら紹介状を書くと、父も最善を尽くそうとしていた。
でもゲオルグは必要性をなくした、アリーシェリナの護衛を続ける道を望んだ。
それが何を意味するのか。
(――いいえ。私はもっと前から察していて、わざと気がついていないふりをしていた)
何も言わないのをいいことに、ゲオルグの想いを利用していた。ずるいと言うのならアリーシェリナだってそうだ。むしろ、アリーシェリナの方がずっと非がある。
ゲオルグを隠れ蓑にした。明かせない父親の素性を隠しきる為の盾に選んだ。それは許されなくても心からの謝罪を捧げなければいけない。
だけど、それとこれとは話が違う。
リヒト以外、誰も父親にはなれないのだ。
「子供の名前を決めているんです。もし男の子ならリベリト、女の子ならリアナ、と」
忘れられない、忘れたくないと想いを強く込めた名前を伝えれば、ゲオルグは表情を歪ませた。
尽くしてくれたことは感謝している。でもそこには恋も愛もなかった。もちろん嫌いなわけでもない。強いて言うのなら家族に対する情だろうか。兄のように思っている。だから子供を間に挟んだ家族の形は取れない。
「王都では、一時期収まっていた令嬢失踪事件が再び発生しているのだそうです」
「え?」
ゲオルグが何を言い出すのか一瞬分からなかった。
少しして、リヒトが意識を失った状態でウィンドルフ家に運ばれた時に同じ事件について話していたのを思い出す。
「――リヒト様が犯人だと?」
あの時もゲオルグはリヒトに疑いをかけていた。
問いかける声が震える。ゲオルグは悪びれた様子もなく言葉を紡いだ。
「王都にいる間に事件が起きているのなら、その可能性は十分にあるとお伝えしたいだけです」
「やめて!」
リヒトがそんなことをするはずがない。
アリーシェリナは淡い初恋の記憶を守る為にかぶりを振った。
王都にいる。それだけの憶測でリヒトを貶める言葉なんて聞きたくない。お腹の子供に、父親が悪人であるだなんて根も葉もない噂でも聞かせたくなかった。
重い沈黙が流れる。でもアリーシェリナは口を開く気にはなれず、逆に唇を引き結んだ。ゲオルグと口論がしたいわけでもない。ならば、黙るしかないではないか。
先に折れたのは当然ゲオルグだった。
申し訳ありません、と低く呟き、けれど、と続ける。
「私の気持ちは変わりません。アリーシェリナ様が誰のものにもなられずにいる間はずっと、お傍でお仕え致します」
「ゲオルグさん……」
「では、まだ作業がありますので失礼致します」
ゲオルグが立ち去って一人になると、アリーシェリナはそっと両手でお腹に触れた。
(どうしたらいいの。あなたも――お父様は欲しい?)
お腹の内側で子供が動く。
血の繋がりがなくても父と言う存在を必要としているようにも思えるし、血の繋がった父以外は必要としていないと言っているようにも思える。当たり前かもしれないけれど、アリーシェリナが欲しい答えに気持ちが揺らぐ。
(ごめんね、赤ちゃん。でもその分、私が精一杯あなたを愛するから)
アリーシェリナはもう寄り添えなくてもリヒト以外いらない。母親失格なこの気持ちだけはどうしようもないのだ。
「こんなところで立ち尽くしたりしてどうしたの? 戻らないとお腹を冷やしてしまうわ」
ふいに声をかけられた。
ソフィアが正面からゆっくりと近寄って来る。アリーシェリナは慌てて笑みを浮かべ、初めての友人を見やった。
「少し考えごとをしていて……」
「ゲオルグさんとケンカでもしたの?」
「え?」
「さっき、すれ違ったから挨拶をしようと思ったんだけど、何だかその……とても声をかけられる雰囲気ではなかったから」
「私が聞き分けのないことを言ってしまったから、やっぱり怒らせてしまっていたのね」
当たり障りのない言葉で誤魔化す以外に思いつかず、アリーシェリナは息を吐いて踵を返した。
だからソフィアの何か言いたげな表情には気がつかなかった。
「リナ、よく頑張ったわね」
初めての出産は半日ほどかかり、ようやく我が子の泣き声が聞こえた時はアリーシェリナも安堵と喜びで涙が溢れた。
「私……、の、赤ちゃん……」
「目の形はリナに似ているかしら?」
小さな命を腕の中に抱けば自分と同じ、淡い青の光を放つ銀白色の髪が血を継いだ子供なのだと実感させる。
固く閉ざされた目は何色か分からないけれど、メアリが言うように自分と似ているのだろうか。何だかくすぐったい気持ちになり、口元がリヒトのそれと似ているような気がすると思った途端に胸がいっぱいになった。
(私とリヒト様の、赤ちゃん)
この子だけがアリーシェリナの支えであり、産まれて来るその日がずっと待ち遠しくてたまらなかった。
半日にも及ぶ出産の痛みも苦しみも、全て跡形もなく消えて行く。泣きじゃくる我が子を抱きしめ、アリーシェリナもひたすら泣いた。
(嬉しい。私、一人でも頑張って育てるから)
産まれて来た我が子は娘だった為、リアナと名付けた。
父親のリヒトと同じ文字からはじまり、同じ文字数で終わる名前。
そして、母親のアリーシェリナの名前にも使われている文字も含んでいる。
あっという間に一年の月日が流れて行った。
母に相談できない代わりに出産経験者のシスター・リンダやメアリに色々なことを教わり、今まで以上にソフィアたちにも手助けしてもらいながらリアナは日に日に育っていく。ゲオルグも、お互いに抱っこは躊躇いがあってしてはいないものの、あれから特に軋轢はない。
窓際のベッドで眠るリアナを見つめているとドアがノックされた。
「あなたにお会いしたいという方がいらしてるわ、リナ」
「私に?」
アリーシェリナは首を傾げた。
心当たりがまるでない。
けれどわざわざ足を運んでくれている相手を追い返すのも申し訳なく、リアナがよく眠っているのを確認してからドアを開いた。
アリーシェリナの自室に案内されたその人物は、ソフィアにお礼を述べると後ろ手にドアを閉め、柔らかく微笑んだ。
「ど、うして……?」
女性だけが身を置く修道院に二年もいるうちに安心しきっていたのだと思う。
いかなる理由があっても修道女たちの自室がある場所に男性は入れない。
それは相手がたとえ王族だとしても例外ではないはずだ。――例外ではないと思い込んでいた。
「ここではリナって呼ばれてるんだね、アリィ」
「リヒト、様……」
もう二度と会うことも名を呼ぶこともないと思っていた相手が、手の届くところにいる。
だけどアリーシェリナはまるで雷に打たれたかのように動けなかった。
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