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嵐の中の初恋
幼いが為のひたむきな想い
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窓の外では嵐が吹き荒んでいる。
建国以来、精霊信仰の深く根づいたこの国では地火水風の四大精霊を頂点として、あらゆるものに精霊が宿ると考えられていた。
そして四大精霊の影響が大きい土地がいくつかあり、アリーシェリナの父が治めるウィンドルフ領もそのうちの一つだ。ウィンドルフ領は水と風の精霊それぞれの影響を受けやすく、春から秋にかけて嵐が発生する日が多かった。ただし属性を問わず二種類の力が作用する土地となれば非常に珍しく、他には三か所しかないという。
自然に宿る精霊の力が強いということは災害に悩まされることも多い。
けれど、悪影響ばかりがあるわけでもなかった。
代々の領主が治め、人々が暮らす土地でもあるのだ。恩恵も相応にあるということに他ならない。
風が強い為に果樹の栽培には向かないけれど、代わりに林業がかなり盛んであったし、豊富で良質な水を湛える湖では魚もよく獲れる。ウィンドルフ領もまた、精霊と共にある土地だった。
嵐が来ることは昨日のうちから予知されていたから、窓は鎧戸までしっかりと閉められ、雨風が部屋に吹き込んで来ることはない。
けれど窓はおろか屋敷全体を揺さぶる風は精霊の怒りそのものに思えて、アリーシェリナはその激しさに怯えシーツにすっぽりと包まった。
『アリィ怖いの? だったら今夜、僕のベッドに来る?』
目を閉じると、まだ声変わりを迎える前の柔らかな声が脳裏に蘇る。
そうして、懐かしい記憶が昨日のことのように思い出された。
アリーシェリナが十歳だった頃だ。
その日、屋敷の図書室で本を読むのに夢中になりすぎて、気がつけばずいぶんと遅い時間になっていた。
夜中頃に嵐が来ると侍女の誰かから聞いている。父が治めるこの辺りは王都からずいぶんと西に下っており、今の時期には嵐がよく発生していた。
「話には聞いていたけれど、すごい風だね」
おそらくは精霊の力が近くまで来ているのだろう。
すでに閉められている頑丈な鎧戸を、激しい風が打ちつける音が聞こえはじめていた。時折お喋りをしながらも一緒に読書をしていた少年は真夜中の訪問者の予兆を告げる窓に視線を向け、感心したような口調で言う。
嵐が多いのは、昨日今日はじまった話ではない。
アリーシェリナが生まれるよりも、父が生まれるよりも、この一帯がウィンドルフ領と呼ばれるようになるよりも前からの話だ。幸いにしてウィンドルフ家初代当主が両精霊と相性が良かった為、時の王から精霊を慰める役割と共に領地として賜った。そう伝えられている。
もうそんな時期になったのだと改めて実感するけれど、何度経験しようとも幼いアリーシェリナにとって嵐はとても怖いものだ。
去年、一度だけ好奇心に駆られてカーテンの隙間から荒れ狂う外を見て、恐怖にすくみ上ったのは今でも忘れられない記憶だった。
「僕と一緒に眠ろう。そうしたら怖くないよ」
そろそろ眠る時間だと侍女が迎えに来る。部屋で一人で眠ることを憂いてアリーシェリナは身を震わせた。嵐に怯えていることを察知した少年に声をかけられ、咄嗟に首を左右に振る。
「だ、だめよ。同じベッドで眠るのは家族だけだって、お父様が言っていたもの」
言外に彼は家族じゃない――他人だと言っているようでアリーシェリナは胸を痛めた。
傷つけてしまったかもしれない。
でも父の言いつけは絶対だ。他にどう言えば淑女らしく、なおかつ彼を傷つけることもなかったのだろう。まだアリーシェリナには些か難しいことを考えていると、少年はにこりと微笑んだ。
「家族なら同じベッドで寝てもいいの?」
「た、多分?」
傷つけてしまった様子は見受けられない。
ほっとしながらも、彼の言葉には何と答えたら良いのか分からなかった。曖昧に肯定すれば、少年はさらに言葉を続けた。
「だったら僕とアリィが家族になるなら問題ないんだよね?」
「でも、家族になるって、どうやって?」
少年は"王都に住むとある高貴なお方"からお預かりしているのだと聞いている。
どうして預かることになったのか、その理由もいきさつもアリーシェリナは知らない。それこそ大人同士の難しい話で、子供な彼女は何も聞かされてはいなかった。
でも、同い年の少年はアリーシェリナにとても優しい。慣れ親しんだ王都とは違って何もなくて退屈だろうに、毎日楽しそうに笑ってくれている。
だからアリーシェリナにとって彼は好ましかったし、同じ家で一緒に過ごしているから家族のようだと言えばそうだ。
それなら一緒のベッドに眠っても大丈夫なのかもしれない。
アリーシェリナがそう結論づけると、彼は思ってもみなかった解決策を提示した。
「簡単だよ。大きくなったら、アリィが僕のお嫁さんになったらいいんだ」
「――そんな簡単にお嫁さんとか決めてしまってもいいの?」
何しろ彼は"とある高貴なお方"と繋がりがある。
それはつまり、彼自身も"とある高貴な血筋"に与しているのだと、子供のアリーシェリナにだってうっすらと分かっている。ただ、一緒にいて楽しいから気がついていないふりをしているだけだ。
お嫁さんにしたいなんて、彼の一存で決められるはずもない。
アリーシェリナが戸惑っていると、彼は何てことのないように力強く頷いた。
「僕がアリィをお嫁さんにしたいんだ。それとも、アリィは他の人のところにお嫁さんに行きたいの?」
「そ、そんなことない! 私、も――」
勢い込んで否定してから、自分が何を言っているのか気がついて口ごもる。
少年は嬉しそうに顔を綻ばせた。その緑がかった明るい青の目がキラキラと輝いているのがとても眩しくて、何故か心がくすぐったい。アリーシェリナは目を細める。
眩い金色の髪や裏表のない真っすぐな性格と相俟って、少年はまるで太陽が煌めく夏の青空みたいだ。嵐だって簡単に吹き飛ばしてくれそうな気がする。
「じゃあ、決まりだね。だから今夜から嵐の夜や、そうでない時だって、好きな時に僕のベッドに来たらいいよ。僕が嵐からもお化けからも、何が相手でも絶対にアリィを守ってあげるから」
「本当?」
「うん。約束する」
少年は右手の小指を立ててアリーシェリナの前に差し出した。
「だから今、僕とちゃんと約束して」
アリーシェリナは少年の顔と誓いの為の右手と、本の上に置かれたままの自分の右手とを何度も交互に見やった。
本当のことを言えば、まだ、躊躇っている。
もちろん彼のお嫁さんになることがいやなわけじゃない。
でも明日の朝になれば、起こしに来た侍女はアリーシェリナが自分のベッドで寝ていないと気がつく。そうしたらきっと騒ぎになる。
「アリィ」
少年は目が合ったタイミングを逃さずにアリーシェリナの目を見つめた。
その真っすぐな視線に縫い止められて目を逸らせない。ただ心臓が高鳴って、頬が熱くなるのが分かった。
「君の父上が――ウィンドルフ侯爵の許可が得られたなら、いい?」
「お父様が、いいって言うのなら」
誘われるように言葉を続ける。
アリーシェリナがしっかりと拒絶するべきだったと思う。
でも一人で眠るのはやっぱり怖かったし、一緒にいられる時間がもっと増えたらいいのにと思いはじめていたのも事実だ。
だから自分では決められなくて、父に押しつけてしまった。
「だったらウィンドルフ侯爵も眠ってしまう前に急いで許可をもらいに行こう。まだ書斎にいてくれると良いのだけど」
そうしてアリーシェリナは、嵐が来る度に少年と一緒に眠るようになった。
少年の見立て通り書斎にいた父はあまり良い顔をしなかったけれど、家族になるのだから、という少年の言葉を表向きは受け入れてくれていた。それは彼が"とある高貴な血筋"だから逆らえなかったのかもしれないし、いずれは本当にと考えていたのかもしれない。
どちらにしろ、今となっては分からないことだ。
彼は、アリーシェリナが高熱を出している間に帰ってしまった。
どこに帰ったのか、またどこかで会えるのか、父も言わずにいた。
きっと、再会は叶わないのだと思う。
大人になったら結婚しようと、こっそり約束したことも。
叶うはずがない。
名前は、それが本当の名前かは分からないけれど聞いていた。
でも恥ずかしくて呼べなかった。
ある日突然会えなくなってしまうのなら、一度だけでも呼びかけたら良かったと、ずっと後悔している。
(リヒト、様)
淡い記憶の中にいる彼はいつだって優しくて頼りがいがあって、アリーシェリナの心に暖かな想いを灯す。
激しい雨風が窓の外から遠く聞こえる中で、すぐ近くから聞こえる優しい声と穏やかな鼓動は深い安堵をもたらしてくれた。
『一緒だと怖くないよ、ねえ、アリィ?』
今は遠くなってしまったその声に「うん」と子供のように頷いて、アリーシェリナは目を閉じると眠りに落ちて行った。
建国以来、精霊信仰の深く根づいたこの国では地火水風の四大精霊を頂点として、あらゆるものに精霊が宿ると考えられていた。
そして四大精霊の影響が大きい土地がいくつかあり、アリーシェリナの父が治めるウィンドルフ領もそのうちの一つだ。ウィンドルフ領は水と風の精霊それぞれの影響を受けやすく、春から秋にかけて嵐が発生する日が多かった。ただし属性を問わず二種類の力が作用する土地となれば非常に珍しく、他には三か所しかないという。
自然に宿る精霊の力が強いということは災害に悩まされることも多い。
けれど、悪影響ばかりがあるわけでもなかった。
代々の領主が治め、人々が暮らす土地でもあるのだ。恩恵も相応にあるということに他ならない。
風が強い為に果樹の栽培には向かないけれど、代わりに林業がかなり盛んであったし、豊富で良質な水を湛える湖では魚もよく獲れる。ウィンドルフ領もまた、精霊と共にある土地だった。
嵐が来ることは昨日のうちから予知されていたから、窓は鎧戸までしっかりと閉められ、雨風が部屋に吹き込んで来ることはない。
けれど窓はおろか屋敷全体を揺さぶる風は精霊の怒りそのものに思えて、アリーシェリナはその激しさに怯えシーツにすっぽりと包まった。
『アリィ怖いの? だったら今夜、僕のベッドに来る?』
目を閉じると、まだ声変わりを迎える前の柔らかな声が脳裏に蘇る。
そうして、懐かしい記憶が昨日のことのように思い出された。
アリーシェリナが十歳だった頃だ。
その日、屋敷の図書室で本を読むのに夢中になりすぎて、気がつけばずいぶんと遅い時間になっていた。
夜中頃に嵐が来ると侍女の誰かから聞いている。父が治めるこの辺りは王都からずいぶんと西に下っており、今の時期には嵐がよく発生していた。
「話には聞いていたけれど、すごい風だね」
おそらくは精霊の力が近くまで来ているのだろう。
すでに閉められている頑丈な鎧戸を、激しい風が打ちつける音が聞こえはじめていた。時折お喋りをしながらも一緒に読書をしていた少年は真夜中の訪問者の予兆を告げる窓に視線を向け、感心したような口調で言う。
嵐が多いのは、昨日今日はじまった話ではない。
アリーシェリナが生まれるよりも、父が生まれるよりも、この一帯がウィンドルフ領と呼ばれるようになるよりも前からの話だ。幸いにしてウィンドルフ家初代当主が両精霊と相性が良かった為、時の王から精霊を慰める役割と共に領地として賜った。そう伝えられている。
もうそんな時期になったのだと改めて実感するけれど、何度経験しようとも幼いアリーシェリナにとって嵐はとても怖いものだ。
去年、一度だけ好奇心に駆られてカーテンの隙間から荒れ狂う外を見て、恐怖にすくみ上ったのは今でも忘れられない記憶だった。
「僕と一緒に眠ろう。そうしたら怖くないよ」
そろそろ眠る時間だと侍女が迎えに来る。部屋で一人で眠ることを憂いてアリーシェリナは身を震わせた。嵐に怯えていることを察知した少年に声をかけられ、咄嗟に首を左右に振る。
「だ、だめよ。同じベッドで眠るのは家族だけだって、お父様が言っていたもの」
言外に彼は家族じゃない――他人だと言っているようでアリーシェリナは胸を痛めた。
傷つけてしまったかもしれない。
でも父の言いつけは絶対だ。他にどう言えば淑女らしく、なおかつ彼を傷つけることもなかったのだろう。まだアリーシェリナには些か難しいことを考えていると、少年はにこりと微笑んだ。
「家族なら同じベッドで寝てもいいの?」
「た、多分?」
傷つけてしまった様子は見受けられない。
ほっとしながらも、彼の言葉には何と答えたら良いのか分からなかった。曖昧に肯定すれば、少年はさらに言葉を続けた。
「だったら僕とアリィが家族になるなら問題ないんだよね?」
「でも、家族になるって、どうやって?」
少年は"王都に住むとある高貴なお方"からお預かりしているのだと聞いている。
どうして預かることになったのか、その理由もいきさつもアリーシェリナは知らない。それこそ大人同士の難しい話で、子供な彼女は何も聞かされてはいなかった。
でも、同い年の少年はアリーシェリナにとても優しい。慣れ親しんだ王都とは違って何もなくて退屈だろうに、毎日楽しそうに笑ってくれている。
だからアリーシェリナにとって彼は好ましかったし、同じ家で一緒に過ごしているから家族のようだと言えばそうだ。
それなら一緒のベッドに眠っても大丈夫なのかもしれない。
アリーシェリナがそう結論づけると、彼は思ってもみなかった解決策を提示した。
「簡単だよ。大きくなったら、アリィが僕のお嫁さんになったらいいんだ」
「――そんな簡単にお嫁さんとか決めてしまってもいいの?」
何しろ彼は"とある高貴なお方"と繋がりがある。
それはつまり、彼自身も"とある高貴な血筋"に与しているのだと、子供のアリーシェリナにだってうっすらと分かっている。ただ、一緒にいて楽しいから気がついていないふりをしているだけだ。
お嫁さんにしたいなんて、彼の一存で決められるはずもない。
アリーシェリナが戸惑っていると、彼は何てことのないように力強く頷いた。
「僕がアリィをお嫁さんにしたいんだ。それとも、アリィは他の人のところにお嫁さんに行きたいの?」
「そ、そんなことない! 私、も――」
勢い込んで否定してから、自分が何を言っているのか気がついて口ごもる。
少年は嬉しそうに顔を綻ばせた。その緑がかった明るい青の目がキラキラと輝いているのがとても眩しくて、何故か心がくすぐったい。アリーシェリナは目を細める。
眩い金色の髪や裏表のない真っすぐな性格と相俟って、少年はまるで太陽が煌めく夏の青空みたいだ。嵐だって簡単に吹き飛ばしてくれそうな気がする。
「じゃあ、決まりだね。だから今夜から嵐の夜や、そうでない時だって、好きな時に僕のベッドに来たらいいよ。僕が嵐からもお化けからも、何が相手でも絶対にアリィを守ってあげるから」
「本当?」
「うん。約束する」
少年は右手の小指を立ててアリーシェリナの前に差し出した。
「だから今、僕とちゃんと約束して」
アリーシェリナは少年の顔と誓いの為の右手と、本の上に置かれたままの自分の右手とを何度も交互に見やった。
本当のことを言えば、まだ、躊躇っている。
もちろん彼のお嫁さんになることがいやなわけじゃない。
でも明日の朝になれば、起こしに来た侍女はアリーシェリナが自分のベッドで寝ていないと気がつく。そうしたらきっと騒ぎになる。
「アリィ」
少年は目が合ったタイミングを逃さずにアリーシェリナの目を見つめた。
その真っすぐな視線に縫い止められて目を逸らせない。ただ心臓が高鳴って、頬が熱くなるのが分かった。
「君の父上が――ウィンドルフ侯爵の許可が得られたなら、いい?」
「お父様が、いいって言うのなら」
誘われるように言葉を続ける。
アリーシェリナがしっかりと拒絶するべきだったと思う。
でも一人で眠るのはやっぱり怖かったし、一緒にいられる時間がもっと増えたらいいのにと思いはじめていたのも事実だ。
だから自分では決められなくて、父に押しつけてしまった。
「だったらウィンドルフ侯爵も眠ってしまう前に急いで許可をもらいに行こう。まだ書斎にいてくれると良いのだけど」
そうしてアリーシェリナは、嵐が来る度に少年と一緒に眠るようになった。
少年の見立て通り書斎にいた父はあまり良い顔をしなかったけれど、家族になるのだから、という少年の言葉を表向きは受け入れてくれていた。それは彼が"とある高貴な血筋"だから逆らえなかったのかもしれないし、いずれは本当にと考えていたのかもしれない。
どちらにしろ、今となっては分からないことだ。
彼は、アリーシェリナが高熱を出している間に帰ってしまった。
どこに帰ったのか、またどこかで会えるのか、父も言わずにいた。
きっと、再会は叶わないのだと思う。
大人になったら結婚しようと、こっそり約束したことも。
叶うはずがない。
名前は、それが本当の名前かは分からないけれど聞いていた。
でも恥ずかしくて呼べなかった。
ある日突然会えなくなってしまうのなら、一度だけでも呼びかけたら良かったと、ずっと後悔している。
(リヒト、様)
淡い記憶の中にいる彼はいつだって優しくて頼りがいがあって、アリーシェリナの心に暖かな想いを灯す。
激しい雨風が窓の外から遠く聞こえる中で、すぐ近くから聞こえる優しい声と穏やかな鼓動は深い安堵をもたらしてくれた。
『一緒だと怖くないよ、ねえ、アリィ?』
今は遠くなってしまったその声に「うん」と子供のように頷いて、アリーシェリナは目を閉じると眠りに落ちて行った。
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