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第三章 上層へ
58話 旅の終わりと始まり
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セレナスの治療が終わり、意識を取り戻した時、何故殺さなかった!?
と俺に凄く怒っていたが、誰も死なないのが一番だと何とか納得してもらった。
その後、D-85にドームの詳細を聞き、
0.0施設の裏側に非常出入り口がある事が分かった。
その場所には転送魔法陣が設置されており、D-85と共に乗り込んだ。
その先には……巨大な都市施設のような場所が広がっており、
そしてこの場所を覆うように、ガラスのように透明な半円状のドームが空高くに見えている。
D-85は転送されてきた魔法陣横にある研究施設という場所に行き、自身のバッテリーを交換した。
「これで、すぐにバッテリーが切れる事はアリマセン」
そういうD-85に俺は気になる事を質問していった。
もはやすべてが気になって何から聞けばいいのか……という状態だが。
とにかく移住が出来るかの確認を重点的にした。
結論から言うと移住は出来そうだ。
このドームは広さで言うと、オーストラリアの3分の1程度の面積があり、非常に広大だった。
元々はかなり狭かったが、先人たちが少しずつ拡大を行った結果、そこまでの広さになったそうだ。
その辺の話をもっと深く聞きたいが……まずは移住の為にすぐに行動しなければならない。
ハナ達にも協力を仰がないとな……。
そんな事を考えていると、
「おお繋がったぞ!!」
と久しぶりに聞いたフォルチナの声が頭に鳴り響いた。
「え? どこにいる? 今まで静かだったのに急だな」
「定期的にずーっとお主に語り掛けようとしてたぞ。じゃが出来なかった。多分隔離された世界にいたせいじゃな」
フォルチナはそう頭の中で話続ける。
どうやら俺達の居た世界は、先人たちの研究で作り上げられた仮想世界だったそうだ。
仮想と言っても、そこの存在した植物や人、魔物は全部本物ではあるが……。
先人達はこのドームの外の環境に耐える事が出来ず、外へ出る可能性を模索していた。
そして鬼人と獣人に出会い、人々共に色々な実験を行った。
その一環で、ドーム外に環境を仮想的に作り出し、調査を行った結果、帰還できなくなってしまった者が現れた。
その帰還できなかった者達が俺達の祖先に当たるみたいだ。
フォルチナが何故そこまで知っているのかと疑問を持ったが、
フォルチナは魔王時代は全ての場所で起こる出来事を掌握していたそうだ。
その中で未知の人達が行う事が非常に興味深く、一番よく観察していたらしい。
「まぁこんな話はいつでも出来るじゃろ! さっさとわしを探せ! 旧魔王城に隔離されているぞ」
「わかった。けど待ってくれ! 後1年だけ!」
そう言ってフォルチナを説得し、この場所へ移住する者達をハナと共に集い始めた。
ハナの人望もあってか、移住希望者は思いの外大勢集まり、
四層世界の人口が急激に減少し落ち着きを取り戻し始めていた。
そして……
1年の時が過ぎた。
俺は一人、ドームの出入り口に立っている。
「フォルチナ。待たせたな」
「今更1年など一瞬じゃったわ」
「現魔王……俺に倒せるかな」
「あの時よりずいぶん強くなっておる。期待が出来るぞ!」
こうして頭の中のフォルチナと会話するのも慣れたもんだ。
時折頭痛がするから早く直接会った話したいが……。
「まずはお前を助けないとな」
「そうじゃ! そして共にこの第四層の魔王を倒そうぞ!」
「第四層ってどういう事だ? それは俺が最初に居た仮想的な世界の話だろ?」
そう質問すると、フォルチナは何を言っている?
仮想世界はこの場所を参考に作った世界だからこの世界と同じ形に決まっておるだろう。
と呆れたような声で話した。
「第四層の魔王を倒し、まずは第三層をめざすぞ!」
「ちょっとまて! 思っているより話が広がっているんだが……」
「ちなみにあのドームの人達は、どんな魔法を使ったのか、第三層に行ったせいで全員居ないらしいぞ?」
「まじか……なら第3層は人がいっぱいいる世界なのかな?」
「たのしみじゃのう」
会話がひと段落した所で、俺はドームのゲートを開き、外へと一歩……足を踏み出した。
~完~
と俺に凄く怒っていたが、誰も死なないのが一番だと何とか納得してもらった。
その後、D-85にドームの詳細を聞き、
0.0施設の裏側に非常出入り口がある事が分かった。
その場所には転送魔法陣が設置されており、D-85と共に乗り込んだ。
その先には……巨大な都市施設のような場所が広がっており、
そしてこの場所を覆うように、ガラスのように透明な半円状のドームが空高くに見えている。
D-85は転送されてきた魔法陣横にある研究施設という場所に行き、自身のバッテリーを交換した。
「これで、すぐにバッテリーが切れる事はアリマセン」
そういうD-85に俺は気になる事を質問していった。
もはやすべてが気になって何から聞けばいいのか……という状態だが。
とにかく移住が出来るかの確認を重点的にした。
結論から言うと移住は出来そうだ。
このドームは広さで言うと、オーストラリアの3分の1程度の面積があり、非常に広大だった。
元々はかなり狭かったが、先人たちが少しずつ拡大を行った結果、そこまでの広さになったそうだ。
その辺の話をもっと深く聞きたいが……まずは移住の為にすぐに行動しなければならない。
ハナ達にも協力を仰がないとな……。
そんな事を考えていると、
「おお繋がったぞ!!」
と久しぶりに聞いたフォルチナの声が頭に鳴り響いた。
「え? どこにいる? 今まで静かだったのに急だな」
「定期的にずーっとお主に語り掛けようとしてたぞ。じゃが出来なかった。多分隔離された世界にいたせいじゃな」
フォルチナはそう頭の中で話続ける。
どうやら俺達の居た世界は、先人たちの研究で作り上げられた仮想世界だったそうだ。
仮想と言っても、そこの存在した植物や人、魔物は全部本物ではあるが……。
先人達はこのドームの外の環境に耐える事が出来ず、外へ出る可能性を模索していた。
そして鬼人と獣人に出会い、人々共に色々な実験を行った。
その一環で、ドーム外に環境を仮想的に作り出し、調査を行った結果、帰還できなくなってしまった者が現れた。
その帰還できなかった者達が俺達の祖先に当たるみたいだ。
フォルチナが何故そこまで知っているのかと疑問を持ったが、
フォルチナは魔王時代は全ての場所で起こる出来事を掌握していたそうだ。
その中で未知の人達が行う事が非常に興味深く、一番よく観察していたらしい。
「まぁこんな話はいつでも出来るじゃろ! さっさとわしを探せ! 旧魔王城に隔離されているぞ」
「わかった。けど待ってくれ! 後1年だけ!」
そう言ってフォルチナを説得し、この場所へ移住する者達をハナと共に集い始めた。
ハナの人望もあってか、移住希望者は思いの外大勢集まり、
四層世界の人口が急激に減少し落ち着きを取り戻し始めていた。
そして……
1年の時が過ぎた。
俺は一人、ドームの出入り口に立っている。
「フォルチナ。待たせたな」
「今更1年など一瞬じゃったわ」
「現魔王……俺に倒せるかな」
「あの時よりずいぶん強くなっておる。期待が出来るぞ!」
こうして頭の中のフォルチナと会話するのも慣れたもんだ。
時折頭痛がするから早く直接会った話したいが……。
「まずはお前を助けないとな」
「そうじゃ! そして共にこの第四層の魔王を倒そうぞ!」
「第四層ってどういう事だ? それは俺が最初に居た仮想的な世界の話だろ?」
そう質問すると、フォルチナは何を言っている?
仮想世界はこの場所を参考に作った世界だからこの世界と同じ形に決まっておるだろう。
と呆れたような声で話した。
「第四層の魔王を倒し、まずは第三層をめざすぞ!」
「ちょっとまて! 思っているより話が広がっているんだが……」
「ちなみにあのドームの人達は、どんな魔法を使ったのか、第三層に行ったせいで全員居ないらしいぞ?」
「まじか……なら第3層は人がいっぱいいる世界なのかな?」
「たのしみじゃのう」
会話がひと段落した所で、俺はドームのゲートを開き、外へと一歩……足を踏み出した。
~完~
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