4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~

TOYA

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第三章 上層へ

56話 窮地

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「は! ゼフィラも一緒に来てしまいましたわ!」

 賭けには勝ったようだ。
 石板と腕を突っ込める台座が目の前にある……!

「すまないゼフィラ、肩を貸してくれないか……?」
「もちろんですわ!」

 目が霞んできている……
 本当にぎりぎりだ。

「腕を……入れないと……」

 視界が真っ赤になってきた。
 魔力も無くなりそうだ。

 そんな事を思いながらもなんとか腕を突っ込むことができた。

――
経験値確認……
種族 一般
レベル10相当の経験値を習得しています。
魔法輪を強化します。

・・・
――

――
レベル7
七輪 エアリジェクション を習得

レベル8
八輪 サモン を習得
二輪 リターン を強化

レベル9
九輪 スワップ を習得
ダブルマジック を習得

レベル10
十輪 リジェネレーション を習得
ダブルマジック を習得
四輪 バインド を強化
五輪 ブラスト を強化
六輪 バースト を強化

レベルはMAXです。

――

 強化が終わり、腕の魔法輪をすぐに起動した。

「十輪リジェネレーション」

 そう唱えると、全身が光始め、
 欠損していた部分を含め全ての傷が完治していた。

「すごい……! 死にかけてたのが嘘みたいだ……」
「何が起こったんですの……?」
「君のおかげだゼフィラ! とにかく誰かが来る前に脱出だ!」

 そう言って俺はゼフィラを抱き寄せすぐにリターンを唱えた。
 そして、俺の村まで転送されていった。

「おや、お帰りロフル。その方は?」

 村にリターンすると居たのは村長だった。

「村長、この子はゼフィラ。ちょっとこの村で見ていてくれないか?」

 俺がそう言うと、好きなだけのんびりしていくと言いと快諾してくれた。
 そして、ゼフィラの方を向き、

「ゼフィラ、少しここで待っていてくれないか? そしてその後上層に戻る……また手伝ってほしいんだ」

 と伝えると、ゼフィラは小さく頷いた。
 それを見た後、すぐに村を後にした。

・・・
・・


「魔装具を速攻で取りに行く……!」

 そして、道中で出来るだけ習得した魔法輪を試そう。
 そう思いながら、0.0地点から転送魔法陣に乗って魔装具の保管場所へと向かった。

「十輪になったぞ」

 思わずそう呟きながら、保管場所の一番奥にあった十の扉の前へと来た。
 その扉を押すと、何の抵抗も無く開き始めた。
 そして、その先には宝箱のような小箱が一つ、台座の上に置かれていた。

 それを開けると、筒状の魔装具が入っていた。


「これが天装剣・打毀(てんそうけん・うちこわし)か」

 それを入手した瞬間、すぐにリターンで村へ戻った。

・・・
・・


「おや、早いお戻りじゃの」
「おかえりなさいですの!」

 村長とゼフィラは広場近くでお茶をしていたようだ。
 そのゼフィラを見るや、

「なぁ、俺が行きたいって願っている場所に行けるかな?」

 と質問した。

「ええ? そもそも一緒に希望の場所に飛べたこと自体ビックリですし……」

 俺はそうだよな……と少し落胆したが、
 ゼフィラは何か思いついた表情で、

「勇者様が行きたい場所へ行きたい! と祈れば行けるかも……?」

 と言ったので、早速試させてくれ! と懇願した。
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