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第二章 排除装置の破壊と闘気の存在
21話 道中にて
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湖まで走っている途中、急こう配な岩山に魔物の群れが居た。
フーチェはその姿を見て、
「可愛い魔物ですね!」
と言った。
その姿は俺が知っている山羊と形状が同じだった。
全長は2m程で毛は灰色だが……。
「可愛いな。狩るぞ」
「ええ、狩るんですか?!」
俺は一目散に山羊の方へ行き、4体ほど屠った。
そしてサーチで名前を確認した結果、グリムホーフだという事が分かった。
「さぁ……ばらすぞ!」
フーチェは遠目で少し引いている。
だが関係がない。
この形状の魔物には期待できる……!
そう思いながら捌くと……。
「肉……肉だ!!」
俺の知っている肉……!
赤くて……食欲をそそる形状!
「肉? それをどうするんですか……?」
フーチェは少し戸惑った表情で言った。
その問いに俺は間髪入れず、
「食べるんだよ! 今まで食った肉の中で絶対一番美味しいはず!」
テンションが高まってる俺に対し、フーチェはやや冷ややかな目で
「ええ……私は遠慮しておきますね……」
と言った。
肉をキューブに入るサイズに切り落とし、すべて詰め込み、湖へと持って行った。
「とても澄んできれいな水だ……」
間違いなく飲めると思った俺は水を手ですくい口へ運んだ。
「が……ッ! からい!」
なんと、この湖の水はまるで海水の様に塩辛かったのだ。
「うう、本当ですね……飲めたものではありません……」
「最高じゃねえか!」
フーチェの横で俺は思わず叫んだ。
「ロフルさんこの区画来てからちょっとおかしいです……」
そういうフーチェを置いといて、俺は早速鉄のデッドマンティスの器にしょっぱい水を入れて火岩にくべた。
「ちょ……ロフルさん!? 何してるんですか!」
フーチェのその問いに対し、まぁ出来てからのお楽しみだって!
と言いながら、水かさが減った煮沸水を粗い布でろ過しまた煮詰めた。
そして……調味料で最も汎用性の高い塩が完成した。
「完成した……嬉しい……!」
そう言いながら俺は塩を袋に詰めた。
「待たせたな! じゃぁ食事にしよう」
そういって俺はグリムホーフ肉とスライムボールを出し、豪快に焼き始めた。
この肉はかなり獣臭い。だが、デッドマンティスの方が100倍キツイ匂いがする。
もうこの程度なら全然気にならなくなっていた。
――パチパチ……
スライムボールはいつもの通り火を通すとぎゅっと縮んでいく。
一方肉は油を垂らしながら表面が焼けていく。
「完成だ……!」
俺はこんがりと焼けた肉に塩をまぶし、豪快にかぶりついた。
その瞬間、全身が震え産声を上げた。
「は……あぁ……美味い! まじかよ……おい!」
俺は語彙力を失い、恍惚とした表情で肉を眺め、あまりの美味さに感動していた。
その俺の姿をフーチェは指をくわえて見ていた。
俺はその姿を見て、はっと意識を取り戻し、
「ごめん忘れてた! はい、スライムボール焼き!」
とスライムボールを渡し、再び肉にかぶりついた。
フーチェは渡されたスライムボールはしばらくじっと見つめ、
「ロフルさんの意地悪! どう見ても欲しそうにしてたじゃないですか私!」
と迫り寄って来た。
「あはは、ごめん悪かったよ。はいどうぞ」
そう言ってフーチェに塩を振った肉を手渡した。
・・・
「は……はわぁ……ええ? 何ですかこれ……!」
フーチェも俺と同じく語彙力を失い肉に心を奪われている。
「美味いだろ?」
俺はどや顔で言った。
「本当に、今まで肉と言って食べてたスライムボールは何だったんでしょう……もう戻れないです。この味を知ってしまったら……!」
フーチェは話しつつもどんどん食べている。
「まぁ、この場所に生息している事は分かった。欲しくなったらまたここへ狩りに来ればいい」
俺も肉を口に運ぶ手が止まらない。
「私……これからは見た目がグロテスクでもまずは焼いて食べて見る事にします!!」
グリムホーフがグロテスクか……デッドマンティスとかの方がよっぽどグロイけどな……。
食事を終え、俺達は一息ついた。
「もう暗いな……」
気が付けば夜になっている。
俺たちはここで野宿することにした。
翌朝…・・・
俺たちは再び走り始め、次の区画へとやって来た。
ここはまたいつものような森が続いている。
その区画はさっさと走り抜け、次の区画を目指した。
「そろそろ0.0でしょうか」
フーチェはそう言いながら下位掌握を行ない、俺と次の区画へと移動した。
そして……その区画では今までとは全く異なる景色が広がっていた。
フーチェはその姿を見て、
「可愛い魔物ですね!」
と言った。
その姿は俺が知っている山羊と形状が同じだった。
全長は2m程で毛は灰色だが……。
「可愛いな。狩るぞ」
「ええ、狩るんですか?!」
俺は一目散に山羊の方へ行き、4体ほど屠った。
そしてサーチで名前を確認した結果、グリムホーフだという事が分かった。
「さぁ……ばらすぞ!」
フーチェは遠目で少し引いている。
だが関係がない。
この形状の魔物には期待できる……!
そう思いながら捌くと……。
「肉……肉だ!!」
俺の知っている肉……!
赤くて……食欲をそそる形状!
「肉? それをどうするんですか……?」
フーチェは少し戸惑った表情で言った。
その問いに俺は間髪入れず、
「食べるんだよ! 今まで食った肉の中で絶対一番美味しいはず!」
テンションが高まってる俺に対し、フーチェはやや冷ややかな目で
「ええ……私は遠慮しておきますね……」
と言った。
肉をキューブに入るサイズに切り落とし、すべて詰め込み、湖へと持って行った。
「とても澄んできれいな水だ……」
間違いなく飲めると思った俺は水を手ですくい口へ運んだ。
「が……ッ! からい!」
なんと、この湖の水はまるで海水の様に塩辛かったのだ。
「うう、本当ですね……飲めたものではありません……」
「最高じゃねえか!」
フーチェの横で俺は思わず叫んだ。
「ロフルさんこの区画来てからちょっとおかしいです……」
そういうフーチェを置いといて、俺は早速鉄のデッドマンティスの器にしょっぱい水を入れて火岩にくべた。
「ちょ……ロフルさん!? 何してるんですか!」
フーチェのその問いに対し、まぁ出来てからのお楽しみだって!
と言いながら、水かさが減った煮沸水を粗い布でろ過しまた煮詰めた。
そして……調味料で最も汎用性の高い塩が完成した。
「完成した……嬉しい……!」
そう言いながら俺は塩を袋に詰めた。
「待たせたな! じゃぁ食事にしよう」
そういって俺はグリムホーフ肉とスライムボールを出し、豪快に焼き始めた。
この肉はかなり獣臭い。だが、デッドマンティスの方が100倍キツイ匂いがする。
もうこの程度なら全然気にならなくなっていた。
――パチパチ……
スライムボールはいつもの通り火を通すとぎゅっと縮んでいく。
一方肉は油を垂らしながら表面が焼けていく。
「完成だ……!」
俺はこんがりと焼けた肉に塩をまぶし、豪快にかぶりついた。
その瞬間、全身が震え産声を上げた。
「は……あぁ……美味い! まじかよ……おい!」
俺は語彙力を失い、恍惚とした表情で肉を眺め、あまりの美味さに感動していた。
その俺の姿をフーチェは指をくわえて見ていた。
俺はその姿を見て、はっと意識を取り戻し、
「ごめん忘れてた! はい、スライムボール焼き!」
とスライムボールを渡し、再び肉にかぶりついた。
フーチェは渡されたスライムボールはしばらくじっと見つめ、
「ロフルさんの意地悪! どう見ても欲しそうにしてたじゃないですか私!」
と迫り寄って来た。
「あはは、ごめん悪かったよ。はいどうぞ」
そう言ってフーチェに塩を振った肉を手渡した。
・・・
「は……はわぁ……ええ? 何ですかこれ……!」
フーチェも俺と同じく語彙力を失い肉に心を奪われている。
「美味いだろ?」
俺はどや顔で言った。
「本当に、今まで肉と言って食べてたスライムボールは何だったんでしょう……もう戻れないです。この味を知ってしまったら……!」
フーチェは話しつつもどんどん食べている。
「まぁ、この場所に生息している事は分かった。欲しくなったらまたここへ狩りに来ればいい」
俺も肉を口に運ぶ手が止まらない。
「私……これからは見た目がグロテスクでもまずは焼いて食べて見る事にします!!」
グリムホーフがグロテスクか……デッドマンティスとかの方がよっぽどグロイけどな……。
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俺たちはここで野宿することにした。
翌朝…・・・
俺たちは再び走り始め、次の区画へとやって来た。
ここはまたいつものような森が続いている。
その区画はさっさと走り抜け、次の区画を目指した。
「そろそろ0.0でしょうか」
フーチェはそう言いながら下位掌握を行ない、俺と次の区画へと移動した。
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