41 / 51
第三章 旅立ち編
38話 ボスとの戦闘
しおりを挟む
「おい坊主! 本当にこっちなのか?」
ボスは少しイラついている様子だ。
「ここを抜けた先に居るよ!」
そう言って、狭い道の丁度中央辺りに来た時、岩壁に対してネビアは[アイススパイク]を発動した。
「なんだ!?」
「ボス、上から岩が!」
ネビアのアイススパイクによって岩壁が破壊され、突起している岩や大小さまざまなが落石が山賊とネビアを襲った。
そして、ボスが頭上を見る為にネビアから視線を外した瞬間、一瞬で[閃光脚]で後退しながら、
[ファイヤエクスプロージョン]も複数回発動し、更に崩落させた。
山賊の居た場所は砂埃が舞い状況がしっかりと見えないが、ゴロゴロと大岩が落ちてきており、大惨事になっているように見える。
「全員やりましたか……?」
ネビアは確認する為に、[ライトウイスプ]を描き、砂煙の方へ近づいた。
すると……
――ブオン!
と風の音が響き、砂煙が上空へと飛んでいった。
そして、その中心には人影が見えた。
(ネビア)――アイススピア!
ネビアはそれを視認した瞬間、即座に[アイススピア]を放った。
しかし、それは人影の前でパリンと音を立て砕けてしまった。
「まさかこんなガキが魔法を使えるなんてな……」
そういうボスは背負っていた斧を手に持っていた。
それは全長1メートル程あり、柄は70メートルはある。
そして、刃は大きめの三日月型の刃が片側に1枚、反対側にもう1枚あり両刃になっている。
柄と両刃の部分には淡い緑色の光を放つ石が埋め込まれており、
一目でそれが特別な武器だと分かる。
「まだ生きていましたか……」
ネビアはまた即座に[アイススピア]を放った。
その瞬間、ボスは斧を扇のように下から上に仰いだ。
「な……!」
斧を仰いだ場所から、風中級魔法[ウインドウォール]が発生し、[アイススピア]を打ち消した。
風中級魔法[ウインドウォール]
ウィンドに形状変化を追加
下から上に登る風の壁を作る。矢や弱い火・水魔法等無効化できる。
「お前も魔装具使いか? だが、その程度の[アイススピア]じゃ俺の[風魔の斧]はとめられねえ!」
ネビアは魔装具という言葉は初めて聞いたが、ボスの持つ[風魔の斧]のような特別な武器がそうなのだろうと瞬時に理解していた。
「厄介ですね……」
ネビアは対人で戦士とまともにやり合うのはこれが初めてである。
気を引き締め直し、目の前の敵に集中した。
「落石の件、どうやったかはわからねえが、お前は生かしては帰さねえ。残念だが、ここで死んでもらう」
「ただではやられませんよ……!」
「はっ! 盾一枚で何が出来る!」
ボスはそう言って[閃光脚]で詰め寄り、ネビアに向かって斧を上から振り下ろした。
ネビアはそれをしっかりと回避した。
「今のを避けるとは……な!」
ボスはそのまま垂直に斧を振ってきたが、盾でいなしながら回避し――
「盾を持ってて命拾いしたなあ!!」
再びボスが真っ直ぐに斧を振り下ろそうとしてきたが……
(ネビア)――ファイヤエクスプロージョン!
振り下ろす動作の時、ボスの腹ががら空きだった為、ネビアはそこへ[ファイヤエクスプロージョン]を放った。
――ボンッ
その音と共にボスは後方へと吹き飛んだ。
「は……?」
ボスは一撃で既に立ち上がれない程のダメージを負っていた。
「最後に一つ聞きたいんですが……いっぱい居た中で貴方が一番強いんですか?」
「ごふ……当たり前だ。俺がここ一帯を縄張りにしている山賊の頭だからな……!」
「そうですか……僕たちは少し、怯え過ぎていたのかもしれません」
ネビアはそう言いながら[風魔の斧]を手に取り、ボスに再び[ファイヤエクスプロージョン]を放った。
そして、ボスは魂片へと還っていった……。
「戦士としては、フィアンの百分の一の強さでしたね……」
そうしてネビアはフィアン達の元へと戻っていった。
トゥーカには山賊三大勢力という迷惑な連中が存在し、治安を悪くしている。
先程倒したボスがその三大勢力の一つだった事を、ネビア達はまだ知らない……。
・・・
・・
・
~デバシーmemo~
魔装具[風魔の斧]
全長:約1メートル
重量:約5キログラム
刃の部分
大きめの三日月型の刃が片側に1枚、反対側にもう1枚の両刃
刃の表面には風のような模様や符号が刻まれており、使うたびに淡い光を放つ。
淡い緑色の光を放つ石が刃に埋め込まれている。
柄の部分
金属で出来ており70センチメートルほどの長さ。
刃と同じく柄の先端部分に緑色の石が埋め込まれている。
下から上に扇のように振る事で[ウインドウォール]を発動できる。
ボスは少しイラついている様子だ。
「ここを抜けた先に居るよ!」
そう言って、狭い道の丁度中央辺りに来た時、岩壁に対してネビアは[アイススパイク]を発動した。
「なんだ!?」
「ボス、上から岩が!」
ネビアのアイススパイクによって岩壁が破壊され、突起している岩や大小さまざまなが落石が山賊とネビアを襲った。
そして、ボスが頭上を見る為にネビアから視線を外した瞬間、一瞬で[閃光脚]で後退しながら、
[ファイヤエクスプロージョン]も複数回発動し、更に崩落させた。
山賊の居た場所は砂埃が舞い状況がしっかりと見えないが、ゴロゴロと大岩が落ちてきており、大惨事になっているように見える。
「全員やりましたか……?」
ネビアは確認する為に、[ライトウイスプ]を描き、砂煙の方へ近づいた。
すると……
――ブオン!
と風の音が響き、砂煙が上空へと飛んでいった。
そして、その中心には人影が見えた。
(ネビア)――アイススピア!
ネビアはそれを視認した瞬間、即座に[アイススピア]を放った。
しかし、それは人影の前でパリンと音を立て砕けてしまった。
「まさかこんなガキが魔法を使えるなんてな……」
そういうボスは背負っていた斧を手に持っていた。
それは全長1メートル程あり、柄は70メートルはある。
そして、刃は大きめの三日月型の刃が片側に1枚、反対側にもう1枚あり両刃になっている。
柄と両刃の部分には淡い緑色の光を放つ石が埋め込まれており、
一目でそれが特別な武器だと分かる。
「まだ生きていましたか……」
ネビアはまた即座に[アイススピア]を放った。
その瞬間、ボスは斧を扇のように下から上に仰いだ。
「な……!」
斧を仰いだ場所から、風中級魔法[ウインドウォール]が発生し、[アイススピア]を打ち消した。
風中級魔法[ウインドウォール]
ウィンドに形状変化を追加
下から上に登る風の壁を作る。矢や弱い火・水魔法等無効化できる。
「お前も魔装具使いか? だが、その程度の[アイススピア]じゃ俺の[風魔の斧]はとめられねえ!」
ネビアは魔装具という言葉は初めて聞いたが、ボスの持つ[風魔の斧]のような特別な武器がそうなのだろうと瞬時に理解していた。
「厄介ですね……」
ネビアは対人で戦士とまともにやり合うのはこれが初めてである。
気を引き締め直し、目の前の敵に集中した。
「落石の件、どうやったかはわからねえが、お前は生かしては帰さねえ。残念だが、ここで死んでもらう」
「ただではやられませんよ……!」
「はっ! 盾一枚で何が出来る!」
ボスはそう言って[閃光脚]で詰め寄り、ネビアに向かって斧を上から振り下ろした。
ネビアはそれをしっかりと回避した。
「今のを避けるとは……な!」
ボスはそのまま垂直に斧を振ってきたが、盾でいなしながら回避し――
「盾を持ってて命拾いしたなあ!!」
再びボスが真っ直ぐに斧を振り下ろそうとしてきたが……
(ネビア)――ファイヤエクスプロージョン!
振り下ろす動作の時、ボスの腹ががら空きだった為、ネビアはそこへ[ファイヤエクスプロージョン]を放った。
――ボンッ
その音と共にボスは後方へと吹き飛んだ。
「は……?」
ボスは一撃で既に立ち上がれない程のダメージを負っていた。
「最後に一つ聞きたいんですが……いっぱい居た中で貴方が一番強いんですか?」
「ごふ……当たり前だ。俺がここ一帯を縄張りにしている山賊の頭だからな……!」
「そうですか……僕たちは少し、怯え過ぎていたのかもしれません」
ネビアはそう言いながら[風魔の斧]を手に取り、ボスに再び[ファイヤエクスプロージョン]を放った。
そして、ボスは魂片へと還っていった……。
「戦士としては、フィアンの百分の一の強さでしたね……」
そうしてネビアはフィアン達の元へと戻っていった。
トゥーカには山賊三大勢力という迷惑な連中が存在し、治安を悪くしている。
先程倒したボスがその三大勢力の一つだった事を、ネビア達はまだ知らない……。
・・・
・・
・
~デバシーmemo~
魔装具[風魔の斧]
全長:約1メートル
重量:約5キログラム
刃の部分
大きめの三日月型の刃が片側に1枚、反対側にもう1枚の両刃
刃の表面には風のような模様や符号が刻まれており、使うたびに淡い光を放つ。
淡い緑色の光を放つ石が刃に埋め込まれている。
柄の部分
金属で出来ており70センチメートルほどの長さ。
刃と同じく柄の先端部分に緑色の石が埋め込まれている。
下から上に扇のように振る事で[ウインドウォール]を発動できる。
18
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
美少女エルフ隊長へ転生した俺は、無能な指揮官に愛想がついたので軍隊を抜けました ~可愛い部下たちとスキル【ダンジョン管理】で生きのびます~
二野宮伊織
ファンタジー
ブラック企業で働いていた俺は、なぜか30歳になった瞬間、異世界に転生してしまう。
しかも、転生先はカルロス帝国第7特殊魔法中隊という、エルフのみで編成された亜人部隊の十人隊隊長だった。
その名はアレー。前世の姿とは似ても似つかない19歳の巨乳で美しい女エルフだ。
最初はその容姿に喜んだ俺だったが、この世界の亜人の立場はかなり低く、無能な人間の指揮官に振り回される日々を過ごしていた。
そんなある日、俺たちは進軍の休憩中に敵の襲撃にあってしまう。その戦力十倍差という圧倒的不利な戦いにも関わらず、無謀な作戦を実行する指揮官。
それを見て俺たちは愛想をつかし、軍を脱走し敵兵から逃げる事にした。
必死に逃亡して逃げ込んだ洞窟で主人公は神様に出会い、【ダンジョン管理】というスキルを与えられる。これは、洞窟を自分の意のままに変えられるという能力だ。
主人公はこのスキルを使って、仲間たちと共にダンジョンで生き残ることを決意する。敵兵や帝国の追っ手に脅えながらも、俺は美少女エルフの仲間たちと共に異世界でサバイバルを始めたのだった。
※誤字、脱字等がありましたら、感想欄等で報告していただければありがたいです。
契約スキルで嫁沢山!-男少女多な異世界を正常なる世界へ-
Hi-104
ファンタジー
HOT2位 ファンタジー12位ありがとうございます!
慌てて乗った電車は女性車両、しかも周りは女子中高生だらけ…
女子中高生に囲まれたまま異世界召喚発動!
目覚めた先に婆さんが現れて男女の比率が狂った異世界を救えと…
魔王は倒さなくていいって?でもゴブリンどもは皆殺し?
チートも伝説の武器もくれないって?唯一貰った物がこれって…
あまり期待されていない感じがするが気のせいだろう…
そしてついに!女子中高生の待つ場所へ送ってくれると婆さんがおっしゃった!
いざ楽園へと旅立つがそこに待ち受けていたものは…
記憶力に自信がない主人公はしっかりと使命を忘れずにいられるのか!?
異世界で幸せを掴めるのか!?世界を救ったりできるのか!?
ちょっとおバカで、たまに真面目そんな物語の始まりです。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる