僕らの青春

葉風 葵

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僕らの青春

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 車窓に映る私は草臥れてはなく、むしろ洒落込んでいる。だが、心は曇天である。

学舎の桜の散る様を窓越しに睨む。生暖かい空気に疎に降る雨。
私が知りたかったことは、三年間では知ることができなかった。
ペーパーテストでは知ることのできないことを、この小さい世界、社会、牢獄は教えてなどくれなかった。
生まれた時に起こる二分の一の差別や、平等にあるのは生ではないこと。
そのどれもこの学びの牢獄は説いてはくれなかった。
胸に付けられた死んだ花を取り去りバラバラに砕く、砕く、砕く。

牢獄へ向かう車窓の私はいつも洒落ていた。
校則では禁じられた其れは「社会」に出れば必須になる常識だからだ。
歪んでいる、滲んでいる。この世界の全てが憎い。それを表に出せるほど私は強い人間ではない。戦う彼女たちのことだって指を咥えて見ている弱い人間だ。

好きな服を着たい。好きな時に化粧をしたい。スカートの丈など学業に影響するのだろうか。

この学舎という箱は、歪んで滲む。育まれる美しさを否定はしない。植え付けられるのは生きた化石の様な倫理観。

こんなに愛おしい廊下で仮面を被り続けた私は、ここに心を置いて、花だけ砕いて、捨て置いて、そうして短いスカートすらも忘れゆく。

置き去りたかったのは、シーラカンスあの夜。
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