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4話
4-6 緊張と不安。
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翌日から早速、莉奈ちゃんはアルバイトとしてぱんだ喫茶店で働き始めた。
今日は私、マリリンと伊織くんがホール担当だ。
見習いとして莉奈ちゃんが洗い場とバッシング担当になる。
ホールで店員全員が集まり朝のミーティングをする。
「伊織くん、今日から働くことになりました。僕の姪の莉奈です。よろしくね。」
「高橋伊織です。大学生二年生です。」
「さ…櫻井莉奈です。よよ…よろしくお願いいたします!」
小さい声を一生懸命振り絞る。
緊張で身体もガチガチになってる莉奈ちゃん。
わかるわ~
私も初めて働く場所では、緊張しすぎていつも胃が痛くて吐きそうになってたし。
でも、段々慣れてくるんだけどね。
それに伊織くんもかなりキラキラした美少年だから真っ直ぐ見られるとめちゃくちゃ緊張すると思う。
「莉奈、ちょっと前髪長いね…
髪も結べる?ピンか何か持ってる?」
パンダ店長が莉奈ちゃんの長く垂らした黒髪を見てチェックが入るが…
「イヤイヤ、アナタはパンダの着ぐるみじゃん!」って思わずツッコミそうになったけどかろうじてこらえた。
伊織くんも同じようなこと思ってるのか、苦虫を噛み潰したように顔をしかめている…
多分心の中で同じようにツッコミをパンダ店長にいれたにちがいない。
「あ、あります。ロッカーに…持ってきます。」
前髪をピンで止めて長い三つ編みのおさげをして戻ってきた莉奈ちゃん。
今までちゃんと顔が見えなかったけど、お母さんに面差しがよく似てとても綺麗な顔をしている子だ。
スタイルも細くてすらっと手足が長くて。
本人に自信さえあればモデルでもできそうなくらいなのに。
こんなに色々と恵まれた子が自信なくしてしまって不登校なんて…と何とも不憫に思う。
さて、開店の時間となる。
隅々まで掃除とグラスやお皿を拭き終えてお客様を待つ。
カランカランとドアベルがなると、いつもの常連客の2人、ライターさんと大志くんがまず入ってきた。
「いらっしゃいませー
こちらのお席にどうぞ」
2人を誘導して座らせてオーダーもとる。
大体いつも同じメニューだ。
モーニングとコーヒーのセット。
早速オーダーを通す。
岩倉さんとパンダ店長が料理とコーヒーを作り、素早く動く。
今日のモーニングはチーズハムサンドとポテトサラダのサンドイッチ。
チーズは少し熱で溶かしてあるのか、いい匂いがしてきて堪らない。
コーヒーもできあがったので、伊織くんと手分けして各々のテーブルに持っていく。
伊織くんはしばらく大志くんと談笑してから、またカウンターに戻ってきた。
「お冷やのお代わり。莉奈ちゃんが行ってみる?」
「え!?」
何気なく伊織くんが莉奈ちゃんにそう声をかけた。
莉奈ちゃんが飛び上がるようにして振り返る。
顔中に緊張と不安感が走るのがみてとれる。
今日は私、マリリンと伊織くんがホール担当だ。
見習いとして莉奈ちゃんが洗い場とバッシング担当になる。
ホールで店員全員が集まり朝のミーティングをする。
「伊織くん、今日から働くことになりました。僕の姪の莉奈です。よろしくね。」
「高橋伊織です。大学生二年生です。」
「さ…櫻井莉奈です。よよ…よろしくお願いいたします!」
小さい声を一生懸命振り絞る。
緊張で身体もガチガチになってる莉奈ちゃん。
わかるわ~
私も初めて働く場所では、緊張しすぎていつも胃が痛くて吐きそうになってたし。
でも、段々慣れてくるんだけどね。
それに伊織くんもかなりキラキラした美少年だから真っ直ぐ見られるとめちゃくちゃ緊張すると思う。
「莉奈、ちょっと前髪長いね…
髪も結べる?ピンか何か持ってる?」
パンダ店長が莉奈ちゃんの長く垂らした黒髪を見てチェックが入るが…
「イヤイヤ、アナタはパンダの着ぐるみじゃん!」って思わずツッコミそうになったけどかろうじてこらえた。
伊織くんも同じようなこと思ってるのか、苦虫を噛み潰したように顔をしかめている…
多分心の中で同じようにツッコミをパンダ店長にいれたにちがいない。
「あ、あります。ロッカーに…持ってきます。」
前髪をピンで止めて長い三つ編みのおさげをして戻ってきた莉奈ちゃん。
今までちゃんと顔が見えなかったけど、お母さんに面差しがよく似てとても綺麗な顔をしている子だ。
スタイルも細くてすらっと手足が長くて。
本人に自信さえあればモデルでもできそうなくらいなのに。
こんなに色々と恵まれた子が自信なくしてしまって不登校なんて…と何とも不憫に思う。
さて、開店の時間となる。
隅々まで掃除とグラスやお皿を拭き終えてお客様を待つ。
カランカランとドアベルがなると、いつもの常連客の2人、ライターさんと大志くんがまず入ってきた。
「いらっしゃいませー
こちらのお席にどうぞ」
2人を誘導して座らせてオーダーもとる。
大体いつも同じメニューだ。
モーニングとコーヒーのセット。
早速オーダーを通す。
岩倉さんとパンダ店長が料理とコーヒーを作り、素早く動く。
今日のモーニングはチーズハムサンドとポテトサラダのサンドイッチ。
チーズは少し熱で溶かしてあるのか、いい匂いがしてきて堪らない。
コーヒーもできあがったので、伊織くんと手分けして各々のテーブルに持っていく。
伊織くんはしばらく大志くんと談笑してから、またカウンターに戻ってきた。
「お冷やのお代わり。莉奈ちゃんが行ってみる?」
「え!?」
何気なく伊織くんが莉奈ちゃんにそう声をかけた。
莉奈ちゃんが飛び上がるようにして振り返る。
顔中に緊張と不安感が走るのがみてとれる。
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