20 / 36
3話
3-9 チートデイ
しおりを挟む
お会計に来た三津谷さんがレジの前にショーケースのケーキを見てまた立ち止まる…
なんか嫌な予感するの、俺だけ?
「あの~このショーケースのケーキはお持ち帰りってできますか?」
「え…で、できますが。」
「じゃあ、ケーキ10個!持ち帰ります。お会計に加えてください♪」
ケーキ10個!?さっき17個食べたんですよ、アナタ!!
「そ、そんなに食べて大丈夫なの?三津谷さん…」
思わずアルバイト中であることを忘れて普通に三津谷さんに話しかけてしまった。
「え?何が?」
キョトンとした顔で聞き返してくる彼女。
「いや、毎日そんなに食べてるなら食費とかもバカにならないのでは…?」
「ああ~ありがとう!大丈夫だよ。
普段からはこんなに食べないけれど、
今日はチートデイだからご褒美として食べまくると決めたの」
チートデイとは、ダイエット中に設ける好きなものを自由に食べる日ってやつだよね。
いや、しかしチートデイだとしてもおかしいだろ、あの量は…。
首を傾げながらも、パンダ店長にお持ち帰りでケーキ10個のオーダーが入りました、と伝えると…
「えっ…ケーキお持ち帰り10個…ですか」
としばらく固まってた。
パンダ店長の常識をすでに何倍も上回ってるよな。
喫茶店の持ち帰り用のケーキの箱に詰めれるだけ詰めて、
お会計25000円ほどを支払い、大食いゴスロリ少女、三津谷さんは笑顔で帰っていったのだった…
三津谷さんが帰ったあと、
何組かのお客様がぱんだ喫茶店を訪れたが、
ほとんどモーニングセット、ケーキなどもなくなっていたので。
すぐにクローズの札をかけてランチタイムの前にお店を一旦閉めることになってしまった。
慌てて近所のスーパーへ買い出しに岩倉さんが走って行った。
いつも冷静かつ手際のよい岩倉さんやパンダ店長をあんなに慌てさせることもまあ、まずないよ。
いやはや、三津谷悠里…いや、ユリリ恐るべし!
そういや、ユリリはお店を出る前に俺に不思議なことを言ってきた…
「伊織くん、とっても可愛いよね。よく女の子と間違われるでしょ。」
「ああ、まあね。」
「そっかーでも同類ではなかったんだなー残念!」
「ん?同類って?俺はそんなにケーキとかは食べないけど?」
「あはっ。そうだよね。じゃあまた学校でね!」
「おう。」
…同類?なんか引っ掛かる言い方してた気もするがまた今度会ったらわかるか。
そして、その引っ掛かりはすぐに解決したのであった。
後日、大学のテニスサークルの更衣室に向かう途中で声をかけられた。
「伊織くん。」
「…はい?」
なんか嫌な予感するの、俺だけ?
「あの~このショーケースのケーキはお持ち帰りってできますか?」
「え…で、できますが。」
「じゃあ、ケーキ10個!持ち帰ります。お会計に加えてください♪」
ケーキ10個!?さっき17個食べたんですよ、アナタ!!
「そ、そんなに食べて大丈夫なの?三津谷さん…」
思わずアルバイト中であることを忘れて普通に三津谷さんに話しかけてしまった。
「え?何が?」
キョトンとした顔で聞き返してくる彼女。
「いや、毎日そんなに食べてるなら食費とかもバカにならないのでは…?」
「ああ~ありがとう!大丈夫だよ。
普段からはこんなに食べないけれど、
今日はチートデイだからご褒美として食べまくると決めたの」
チートデイとは、ダイエット中に設ける好きなものを自由に食べる日ってやつだよね。
いや、しかしチートデイだとしてもおかしいだろ、あの量は…。
首を傾げながらも、パンダ店長にお持ち帰りでケーキ10個のオーダーが入りました、と伝えると…
「えっ…ケーキお持ち帰り10個…ですか」
としばらく固まってた。
パンダ店長の常識をすでに何倍も上回ってるよな。
喫茶店の持ち帰り用のケーキの箱に詰めれるだけ詰めて、
お会計25000円ほどを支払い、大食いゴスロリ少女、三津谷さんは笑顔で帰っていったのだった…
三津谷さんが帰ったあと、
何組かのお客様がぱんだ喫茶店を訪れたが、
ほとんどモーニングセット、ケーキなどもなくなっていたので。
すぐにクローズの札をかけてランチタイムの前にお店を一旦閉めることになってしまった。
慌てて近所のスーパーへ買い出しに岩倉さんが走って行った。
いつも冷静かつ手際のよい岩倉さんやパンダ店長をあんなに慌てさせることもまあ、まずないよ。
いやはや、三津谷悠里…いや、ユリリ恐るべし!
そういや、ユリリはお店を出る前に俺に不思議なことを言ってきた…
「伊織くん、とっても可愛いよね。よく女の子と間違われるでしょ。」
「ああ、まあね。」
「そっかーでも同類ではなかったんだなー残念!」
「ん?同類って?俺はそんなにケーキとかは食べないけど?」
「あはっ。そうだよね。じゃあまた学校でね!」
「おう。」
…同類?なんか引っ掛かる言い方してた気もするがまた今度会ったらわかるか。
そして、その引っ掛かりはすぐに解決したのであった。
後日、大学のテニスサークルの更衣室に向かう途中で声をかけられた。
「伊織くん。」
「…はい?」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
猫の喫茶店『ねこみや』
壬黎ハルキ
キャラ文芸
とあるアラサーのキャリアウーマンは、毎日の仕事で疲れ果てていた。
珍しく早く帰れたその日、ある住宅街の喫茶店を発見。
そこは、彼女と同い年くらいの青年が一人で仕切っていた。そしてそこには看板猫が存在していた。
猫の可愛さと青年の心優しさに癒される彼女は、店の常連になるつもりでいた。
やがて彼女は、一匹の白い子猫を保護する。
その子猫との出会いが、彼女の人生を大きく変えていくことになるのだった。
※4話と5話は12/30に更新します。
※6話以降は連日1話ずつ(毎朝8:00)更新していきます。
※第4回キャラ文芸大賞にエントリーしました。よろしくお願いします<(_ _)>
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
天之琉華譚 唐紅のザンカ
ナクアル
キャラ文芸
由緒正しい四神家の出身でありながら、落ちこぼれである天笠弥咲。
道楽でやっている古物商店の店先で倒れていた浪人から一宿一飯のお礼だと“曰く付きの古書”を押し付けられる。
しかしそれを機に周辺で不審死が相次ぎ、天笠弥咲は知らぬ存ぜぬを決め込んでいたが、不思議な出来事により自身の大切な妹が拷問を受けていると聞き殺人犯を捜索し始める。
その矢先、偶然出くわした殺人現場で極彩色の着物を身に着け、唐紅色の髪をした天女が吐き捨てる。「お前のその瞳は凄く汚い色だな?」そんな失礼極まりない第一声が天笠弥咲と奴隷少女ザンカの出会いだった。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる