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3話

3-8 瞬時に消えていく料理。

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「えーと…じゃあ!最後に!
パフェを…マロン、苺、チョコ、メロン、マンゴー 、抹茶!あるやつ全部1つずつくださぁい!」

「!?」

思わずひっくり返りそうになるがなんとかこらえて、ひきつる笑顔で

「か、かしこまりました~」


向かいの席のライターのおじさんが急に目を光らせて、三津谷さんのテーブルに近づき話しかけた。

「君、すごいね。
僕、西村といいます。こういう者だけど…少し物書きをしてるので。
君の食べっぷりがとても素晴らしいので今度良かったら取材させてもらっていいかな?」

ライターの人、西村さんというのか。
俺も初めて知ったが。

三津谷さんの食べっぷりにライターさんも記者魂を刺激されたのか、三津谷さんに名刺を渡して取材交渉をしている。

「ええーすごいですね。ライターさんなのですか。
ありがとうございます ~ぜひぜひボクなんかでよければ」

「うん、また連絡させてもらうね」

西村さんはそのまま笑顔で三津谷さんに手を振り、お会計のレジに向かってきて。
支払いを済ませて帰っていった。

おじいちゃんおばあちゃんたちはまだまだ盛り上がり中のようだ。

追加オーダーでコーヒーやパフェなどを頼んできたり、おしゃべりを続けている。

俺は三津谷さんの最後のオーダーを通す。

「最後にパ…パフェ6つ!?かしこまりました!」
パンダ店長も着ぐるみで表情はわからないけど。
こんなに一人の客に膨大な数のオーダーを頼まれたのはさすがに始めてなのか、驚いてる様子。

焦る必要はそんなにないはずだけどなんでか動揺してしまい、アセアセと店長は動いている。

気持ちはすごくわかるよ、パンダ店長。

これまた10分ほどでパフェが全て出来上がる。

まずはオムライスをとっくに食べ終わった皿を下げてテーブルのスペースを開けてから、パフェを6つテーブルにおいていく。


「きゃー!すごい可愛い!嬉しい!」
三津谷さんはスマホで写真をたくさん撮っている。
こんなにパフェが並んでるの俺も初めて見るや…

食事がようやく終わったおじいちゃんおばあちゃんたちも三津谷さんの食べっぷりに気づいたようで、ざわざわしながら遠くから見守っている。

「ご注文、以上でよろしかった
ですか?」

「はい!ありがとうございます」

ホッ…思わず安堵した。
最後の伝票をテーブルに置いて離れる。
お会計…余裕で2万円以上はいってたけど学生に払えるのかな?

パフェもパクパクと美味しそうに頬張り、あっという間に全部口の中へと消えていった…
アイスもかなり入ってるのにお腹壊さないのだろうか?

「は~美味しかったです。ごちそうさまでした!」

三津谷さんはパフェ6つもものの5分ほどでペロリと平らげてしまった。
すごい…ケーキ17個食べて更にモーニングセット3つオムライス3つ、パフェ6つだよ…
細い身体のどこにそんなに入るスペースあるんだろうか。

さすがに最後といっただけあって、
そのまま立ち上がり、レジにお会計に来た三津谷さん。
しかし、レジの前にショーケースのケーキを見てまたしばらく立ち止まっている…

あれ?なんか嫌な予感するの、俺だけかな?
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