上 下
18 / 36
3話

3-7 オムライスとモーニングセットとパフェ

しおりを挟む
「あの…追加いいですか?」


「ええ!追加…ですか」

思わずまだ追加するんですかと言いそうになるがこらえた。

「あっ、また食べ過ぎって友達にいわれちゃうかなー。でも甘いのばかりで塩辛いのも食べたくなりまして。」


メニューを出してうーんと悩む三津谷さん。

ドキドキしながらオーダーを待つ俺…
そして向かいの席のライターさんも固唾を飲んでこの緊張感を見守っている…ような気がする。

「では、オムライス3つとモーニングセットも3つお願いします。ロイヤルミルクティーも追加で。」

「は…はい!」

もう尋常じゃない量をすでに彼女は食べてるんだが、胃袋の出来が違うんだろう。
…おそろしや。

「岩倉さん、パンダ店長…追加でオムライス3とモーニング3でお願いします。」

「え…新規でなく追加で…?」

「追加です」

もうそこですべてを言わなくても
2人はゴスロリ女子のオーダーだと察したようだ。

「了解しました!」
「ウス!」
何故か気合いが入ってしまったパンダ店長と岩倉さん。
早速料理に岩倉さんがとりかかる。

マリリンがモーニングを食べ終わったライターさんやおじいちゃんおばあちゃんのテーブルのお皿を下げて、洗い場で洗い始めたので俺も手伝いに入る。

「ウソ!また追加!?どんだけ食べるんだろうね、あの子。うちの息子たちでもあそこまで食べないよ。」

「いや…魔法のようですよ。本当に料理があっという間に消えていくの。」

「いるんだね~
本当にあんなフードファイターみたいな子が。テレビのなかだけかと思ったよ。」


話してる間に早くもモーニングセットが3つでてきた。

「 モーニングできた。お願い。」
岩倉さんがボソッと告げる。

マリリンが三津谷さんのテーブルにすぐ料理を運んだ。
そして帰りに大量の積み上がった皿と空のロイヤルミルクティーのティーポットセットをトレイに載せて持って帰ってきた。

「あの子、ちゃんと全部食べてるし飲んでるよね~」

「うん、本当にすごい…。しかも食べるのも早い。」

ロイヤルミルクティーとオムライス3つもまた10分もしないうちに出来上がった。
今度は俺がそれらを運ぶ。

恐らくあのスピードなら先に出したサンドイッチもほぼ平らげているはずだ。

「お待たせしました。オムライスでございます。」

「あ、ありがとうございます」
モーニングセットのツナサンドと卵サンドは、俺の予想どおり皿からほぼ消えて彼女の胃袋におさまっていた。

最後のサンドイッチの1つを咀嚼しながら、空いたお皿を慣れた仕草で彼女も積み上げていく。

「オムライス!ありがとうございます。」

「ご注文以上でよろしかったですか…?」
一応、聞いておかねばならない。
さすがにこれで終わり…だよな?

「えーと…じゃあ!最後に!
パフェを…マロン、苺、チョコ、メロン、マンゴー 、抹茶!あるやつ全部1つずつくださぁい!」

「!?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

猫の喫茶店『ねこみや』

壬黎ハルキ
キャラ文芸
とあるアラサーのキャリアウーマンは、毎日の仕事で疲れ果てていた。 珍しく早く帰れたその日、ある住宅街の喫茶店を発見。 そこは、彼女と同い年くらいの青年が一人で仕切っていた。そしてそこには看板猫が存在していた。 猫の可愛さと青年の心優しさに癒される彼女は、店の常連になるつもりでいた。 やがて彼女は、一匹の白い子猫を保護する。 その子猫との出会いが、彼女の人生を大きく変えていくことになるのだった。 ※4話と5話は12/30に更新します。 ※6話以降は連日1話ずつ(毎朝8:00)更新していきます。 ※第4回キャラ文芸大賞にエントリーしました。よろしくお願いします<(_ _)>

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

天之琉華譚 唐紅のザンカ

ナクアル
キャラ文芸
 由緒正しい四神家の出身でありながら、落ちこぼれである天笠弥咲。 道楽でやっている古物商店の店先で倒れていた浪人から一宿一飯のお礼だと“曰く付きの古書”を押し付けられる。 しかしそれを機に周辺で不審死が相次ぎ、天笠弥咲は知らぬ存ぜぬを決め込んでいたが、不思議な出来事により自身の大切な妹が拷問を受けていると聞き殺人犯を捜索し始める。 その矢先、偶然出くわした殺人現場で極彩色の着物を身に着け、唐紅色の髪をした天女が吐き捨てる。「お前のその瞳は凄く汚い色だな?」そんな失礼極まりない第一声が天笠弥咲と奴隷少女ザンカの出会いだった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

小説版つみねこ きさらぎ駅編~不知火陽太の過去~

奈雲
キャラ文芸
【当たり前がなくなる日。】 不知火陽太少年は両親と弟に囲まれ幸せに過ごしてきた。しかしその当たり前の日常がある日突然音を立てて崩れ落ちていく。 強盗殺人犯によって両親を殺され、家に放火され弟を焼き殺された陽太は心に深い傷を負ってしまった。 日々他人からの心内言葉で心を閉ざしていた彼のもとに現れたのは【大悪魔 サタン】。 これはひょんなことから大悪魔サタンを呼び出してしまった陽太少年が体験する楽しくてちょっぴり怖くて不思議な物語。

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

処理中です...