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建国編
6th 嵐の如き転生4日目
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ゆっくりと目を開く。
目に入るのは、やっぱりまだ見慣れない天井。
アンが酔って暴走してから2日。
ちなみに、あの後小一時間弄られ続けた。
その後、正気に戻ったアンに謝られたけど......
アンの顔がだらしなく緩んでいたところからして反省はしてないらしい。
まぁ、いいんだけど。
《え? いいんですか?》
『あっ、えっ、いや、あれだから。酒が入ってたからしょうがない的な意味だから! その辺勘違いしないでよねっ!』
《へ~、そうなんですか~》
くっ、シクレめ。
絶対にニヤニヤしてるだろ。
って⁉︎
この気配は、ノイさん?
なんでこっちにすごい勢いで近づいてくんの?
まさか、とうとう何か面倒ごとが起こるのか?
マップでも......青いエフェクトの真っ赤な光点がこっちに近づいてきている。
《マスター、一体何が起こるんですか》
『いやいや、それは俺が知りたいくらいだよ』
まぁ、絶対に良いことではないんだろうけどね。
「く、クレハちゃん!」
と、そこにノイさんが飛び込んできた。
ものすごく慌てている......演技をしている、ノイさんが。
あぁ、これは面倒ごとだよ。
絶対に、もう本当にありえないくらの面倒ごとだ。
俺の勘が叫んでる。
「クレハちゃん、アンが。アンが、倒れたって!」
ふむ、非常に演技のセンスがいい。
主演女優賞クラスだね。
《マスター、なぜ演技だと?》
『まず、よく見て欲しいのはノイさんの血色。部屋に入ってくるときはものすごい勢いだったよね?』
《えぇ、そうですね》
『それでね、本当に慌ててるなら“アンが倒れたって”話を聞いた瞬間に走ってくると思うんだ』
《まぁ、そうでしょうね》
『なのに、ノイさんてば全く肌に赤みがさしてないでしょ? 息が上がってない、っていうのは“体力がある”で済むかもしれないけど、全く血行が早くなってないのはおかしいってわけ』
《なるほど......》
『それに、他にもあるよ』
《なんですか?》
『ノイさんの口元』
《......あ》
『気づいた? 醜くつり上がってるの。若干だけどね』
う~ん、それでも。
本当にアンの身に何かが起こっていないとは限らないしなぁ。
マップも俺の気配察知も健康状態までは見えないし......
しょうがない、騙されたふりするか。
「ほ、ほんとですか⁉︎ それで、アンは今は?」
「あ、ごめんね、あまりにもびっくりして聞くの忘れてたよ」
いや、そんな微妙に口角あげながら言われましても。
「そ、そうですか。あの、不安なのでアンのところに行ってきてもいいでしょうか」
「うん、い~よぉ、行っておいで」
だから、そんなにニヤッとしないの。
さっき主演女優賞とか行ったけど撤回する。
感情が表に出過ぎだね。
「ありがとうございます。では、行ってきます!」
部屋を出る瞬間のすれ違いざま、ノイさんの顔を見る。
その顔はやはり、醜く歪んでいた。
「とはいえ、急がないと」
本当に何が起こってるかわからないんだから。
* * * * *
「......はぁ、はぁ、はぁ」
くっ......スタミナが、足りない。
たったの500m走っただけでこの様だよ。
《マスター、スタミナ足りないとか思ってそうですけど、500m全力疾走してその程度で済んでるのってかなりだと思いますよ?》
『そ、そうかな? って、そんなことより!』
とりあえずアンのことだ。
「アンー! いますか~⁉︎」
......返事は、ない。
昨日もアンの家に来たけど、そのときは風もかくやって速さで来たから......
何か起こってると、考えるべきか。
ドアノブに手を伸ばす。
「開いた......アンー!」
奥から物音?
そうだ、マップ......
なっ、これは!
早く行かないとっ。
廊下を走り抜けて、居間に。
そこで見た光景は......
「おいおい、本当に来たぜ、餓鬼が」
野太い声と、それにつられるかのように鳴り響く粗野な笑い声。
あぁ、糞っ!こいつらやっぱり山賊じゃねーか!
そこかしこから血を流してるアンに、その前でズボンに手をかける寸前の糞野郎と、それを取り囲むかのように立っている2,3人の糞ども。
......急激に高ぶる感情とは逆に、冷え切っていく頭。
あぁ~、この感覚は久しぶりだ。
《ま、マスター⁉︎ 幾ら何でも、その体でこの人数の相手は!》
『うん、さすがにわかってるさ』
ちゃんと手はある。
「なぁ、親分、この餓鬼はどうするんで?」
ニヤニヤすんなよ、気持ちわりーなぁ。
「殺さなきゃいいんだそうだよ。ノイ様がいうにはなぁ」
......今、ノイの名が出たな。
成程、やっぱりあれもか。
「へへへ、この餓鬼の躾は任せていただけませんかね?」
うえっ、気持ち悪い。
この体に欲情してやがる、あいつ。
まずはあいつからだな。
「ったく、お前は好きだなぁ? あぁ、いいぜ! 好きなだけやりな」
「へへ、ありがとうごぜぇやす。こんなとびっきりの上玉中々お目にかかれませんぜ」
うわぁぁ、マジできもいや。
「......うるせぇよ」
「......あぁ? なんだこの餓鬼」
どうやら変態っていうのは趣味だけじゃなく耳も悪いらしい。
「聞こえなかったのか、糞が。うるせぇって言ってんだよ」
「ぶっ、ぎゃはははは! どうやら本当に躾がなってねぇみてぇだな!」
はあぁぁぁぁ~、これだから......
「屑は嫌なんだよ。言葉が通じねぇ。〈ενδυνάμωση〉」
《なっ、マスター⁉︎ それは......“魔術”。......いや、違いますね。“魔導術”ですか》
正解だよ、シクレ。
どうやら奴らには全くわかってないらしいけどね。
「はぁ? 何わけ話からねぇこと言ってやがんだよ! ひとまずオネンネしな!」
一気に間合いを詰めてくる変態。
懐に入り込まれた......その刹那。
「うるせぇって......何回言ったらわかんだよ!」
無造作に腕を薙ぐ。
残像が見えるほどの速度で振るわれた腕を、ただの変態が見切れるわけもなく。
壁を突き破って外まで飛び出して行った。
「なっ⁉︎」
驚愕、狐に包まれたかのような顔をする一同。
そんな絶好の隙を逃すわけがない。
アンのすぐそばにいる親分と呼ばれていた糞野郎の前に移動する。
「はやっ......⁉︎」
ふ~ん、目では追えてたんだ。
でも残念っ!
足払いに、ボディーブローを一発。
仕上げに掌底を顎に喰らわせれば。
「はい、一丁あがり!」
綺麗に白目をむいた筋肉ダルマの出来上がり。
さてお次はぁ?
そっと振り向く。
「ひぃ......」
はい、そこの怯えた君に決定!
一気に距離を縮めて、膝を真正面から踏みつける。
すると簡単に逆向きに曲がる。
「ぴぎゃああぁぁぁ‼︎ あ、ああああ足がぁぁぁぁ⁉︎」
「もう......うるさいぞっ」
ちょうどいい位置に来ていた顔面をクラッシュ。
今度は顔面が潰れた大男が仕上がった。
「あは、あはははは、あははははははは! き・も・ち・いーっ!」
って、いかんいかん。
幾ら何でもハイになり過ぎだ、俺。
《ま、マスター......》
ほら、シクレも若干引き気味だし。
「あ、そうそう。残りの君たちはあんまり面白くなさそうだしもういいよ〈σοκ〉」
詠唱をしながら指先を残りに向かって軽く振る。
すると、巨大なハンマーにでもぶち当たったかのように飛んで行った。
はぁ、やっぱり魔導術は便利だなぁ~。
殴ったり切ったりした感触がないのが玉に瑕だけど。
あや?
今の吹っ飛んだ時の音を聞きつけたのか、ゾロゾロと人が出て来た。
《ま、マスター、これは流石に無理ですっ!引きましょう!》
『いやいや、大丈夫だから、ね?』
まずは1人目。
腕を引くことで崩す。
そのまま、背負い投げのような形でぶん投げる。
それを皮切りに、集まって来ていた人たちがこっちに攻撃を仕掛けようと走って来た。
2人目は、突き出して来た腕にぴょいとジャンプして足を絡めてから、首に両腕で力一杯抱きつく。
するとすぐに膝から力が抜けた。
次は背が低めだったから、そのまま変則的なフランケンシュタイナーをかけることでもう1人巻き込ませつつ倒した。
3人,4人目。
5人目のおっさんは剣を振り下ろして来たから、手首を横から掴んで捻って剣をもらって叩っ斬った。
うえぇ、切れ味悪っ!
こんなのぽいだよぽいっ!
あ、捨てるついでに誰かに当たればいいなー。
「そいっ」
あ、当たった。
6人目。
はぁ、はぁ、やばい、やっぱり興奮して来たよぉ。
うぅ、あそこにじんじん来ちゃうぅ~。
えぇい、発散発散!
「破っ!」
発散とかいって魔力波で2人ゲット。
これで8人。
「まだまだ行くよー!」
こんなにたくさんの人に囲まれて、気分はアイドルかなっ。
楽しいなぁ。
《ま、マスターってば戦闘狂さんだったんですね......》
『えぇ、あはは、わかっちゃう?』
《そりゃあ、戦っている最中にそんなありえないくらい色気まみれの蕩けた表情されたら誰だってわかりますよ》
んふふ、まぁいいのだよ。
それで、9人目は......
「ほいっと」
腹を手刀でかっさばいて、と。
お次、記念すべき10人目はぁ~。
お、来た来た。
「鋭そうなナイフだね? え? くれるんだ、ありがとう!」
許可ももらったから、握ってる手を蹴り上げて飛び上がったナイフを逆手になるように掴む。
《相手の人、なんも喋ってませんけどね》
まぁ、そんなちっちゃいことはいいのぉ!
気を取り直して、すぐにするりとナイフを心臓につき入れる。
「おぉっ、なかなかな切れ味!」
刃物が手に入ればこっちのもんだね。
ぱっと後ろに回って飛んで喉を切り開く。
11人目。
12,3人目もおんなじ要領で。
14人目はなんかこけたから、手頃な場所にあった脳幹のあたりを突き刺す。
うぅん、にしても、こんなに返り血を浴びたからちょっと気持ちよくなって来ちゃった......
派手な魔導術でも使って発散しよっと。
「〈έκρηξη〉‼︎」
瞬間、大きな衝撃と共に熱波が体に吹き付ける。
「はぁ、やっぱりこの、体を奥から揺らしてくる衝撃も乙なものだねぇ!」
今ので何人行けたのかなぁ。
まぁいいや。
もっと楽しもう、今は。
でも、アンのことも心配だからできるだけたく終わらせたいな。
何はともあれ。
「行くぞ、いっちゃうぞ野郎どもおぉぉ!」
- - - - - - - - - -
はい、いかがでしたでしょうか。
前回があっち方面なら、今回はこっち方面でしたね。
大分血生臭かったかな。
ともあれ、戦闘狂系幼女。
萌えません?
え?
萌えない?
またまたぁ。
ん?
それよりも?
日付を見ろ......?
何いってんだい、まだ12/13じゃないか!
......12/13だろ?(遅刻)
というわけで、次回の更新は12/15です!
そろそろ準主役キャラが出て来る頃ですかね。
それでは、またお会いしましょう!
なんやかんやわいわいがやがやなTwitter
→@tama_717
目に入るのは、やっぱりまだ見慣れない天井。
アンが酔って暴走してから2日。
ちなみに、あの後小一時間弄られ続けた。
その後、正気に戻ったアンに謝られたけど......
アンの顔がだらしなく緩んでいたところからして反省はしてないらしい。
まぁ、いいんだけど。
《え? いいんですか?》
『あっ、えっ、いや、あれだから。酒が入ってたからしょうがない的な意味だから! その辺勘違いしないでよねっ!』
《へ~、そうなんですか~》
くっ、シクレめ。
絶対にニヤニヤしてるだろ。
って⁉︎
この気配は、ノイさん?
なんでこっちにすごい勢いで近づいてくんの?
まさか、とうとう何か面倒ごとが起こるのか?
マップでも......青いエフェクトの真っ赤な光点がこっちに近づいてきている。
《マスター、一体何が起こるんですか》
『いやいや、それは俺が知りたいくらいだよ』
まぁ、絶対に良いことではないんだろうけどね。
「く、クレハちゃん!」
と、そこにノイさんが飛び込んできた。
ものすごく慌てている......演技をしている、ノイさんが。
あぁ、これは面倒ごとだよ。
絶対に、もう本当にありえないくらの面倒ごとだ。
俺の勘が叫んでる。
「クレハちゃん、アンが。アンが、倒れたって!」
ふむ、非常に演技のセンスがいい。
主演女優賞クラスだね。
《マスター、なぜ演技だと?》
『まず、よく見て欲しいのはノイさんの血色。部屋に入ってくるときはものすごい勢いだったよね?』
《えぇ、そうですね》
『それでね、本当に慌ててるなら“アンが倒れたって”話を聞いた瞬間に走ってくると思うんだ』
《まぁ、そうでしょうね》
『なのに、ノイさんてば全く肌に赤みがさしてないでしょ? 息が上がってない、っていうのは“体力がある”で済むかもしれないけど、全く血行が早くなってないのはおかしいってわけ』
《なるほど......》
『それに、他にもあるよ』
《なんですか?》
『ノイさんの口元』
《......あ》
『気づいた? 醜くつり上がってるの。若干だけどね』
う~ん、それでも。
本当にアンの身に何かが起こっていないとは限らないしなぁ。
マップも俺の気配察知も健康状態までは見えないし......
しょうがない、騙されたふりするか。
「ほ、ほんとですか⁉︎ それで、アンは今は?」
「あ、ごめんね、あまりにもびっくりして聞くの忘れてたよ」
いや、そんな微妙に口角あげながら言われましても。
「そ、そうですか。あの、不安なのでアンのところに行ってきてもいいでしょうか」
「うん、い~よぉ、行っておいで」
だから、そんなにニヤッとしないの。
さっき主演女優賞とか行ったけど撤回する。
感情が表に出過ぎだね。
「ありがとうございます。では、行ってきます!」
部屋を出る瞬間のすれ違いざま、ノイさんの顔を見る。
その顔はやはり、醜く歪んでいた。
「とはいえ、急がないと」
本当に何が起こってるかわからないんだから。
* * * * *
「......はぁ、はぁ、はぁ」
くっ......スタミナが、足りない。
たったの500m走っただけでこの様だよ。
《マスター、スタミナ足りないとか思ってそうですけど、500m全力疾走してその程度で済んでるのってかなりだと思いますよ?》
『そ、そうかな? って、そんなことより!』
とりあえずアンのことだ。
「アンー! いますか~⁉︎」
......返事は、ない。
昨日もアンの家に来たけど、そのときは風もかくやって速さで来たから......
何か起こってると、考えるべきか。
ドアノブに手を伸ばす。
「開いた......アンー!」
奥から物音?
そうだ、マップ......
なっ、これは!
早く行かないとっ。
廊下を走り抜けて、居間に。
そこで見た光景は......
「おいおい、本当に来たぜ、餓鬼が」
野太い声と、それにつられるかのように鳴り響く粗野な笑い声。
あぁ、糞っ!こいつらやっぱり山賊じゃねーか!
そこかしこから血を流してるアンに、その前でズボンに手をかける寸前の糞野郎と、それを取り囲むかのように立っている2,3人の糞ども。
......急激に高ぶる感情とは逆に、冷え切っていく頭。
あぁ~、この感覚は久しぶりだ。
《ま、マスター⁉︎ 幾ら何でも、その体でこの人数の相手は!》
『うん、さすがにわかってるさ』
ちゃんと手はある。
「なぁ、親分、この餓鬼はどうするんで?」
ニヤニヤすんなよ、気持ちわりーなぁ。
「殺さなきゃいいんだそうだよ。ノイ様がいうにはなぁ」
......今、ノイの名が出たな。
成程、やっぱりあれもか。
「へへへ、この餓鬼の躾は任せていただけませんかね?」
うえっ、気持ち悪い。
この体に欲情してやがる、あいつ。
まずはあいつからだな。
「ったく、お前は好きだなぁ? あぁ、いいぜ! 好きなだけやりな」
「へへ、ありがとうごぜぇやす。こんなとびっきりの上玉中々お目にかかれませんぜ」
うわぁぁ、マジできもいや。
「......うるせぇよ」
「......あぁ? なんだこの餓鬼」
どうやら変態っていうのは趣味だけじゃなく耳も悪いらしい。
「聞こえなかったのか、糞が。うるせぇって言ってんだよ」
「ぶっ、ぎゃはははは! どうやら本当に躾がなってねぇみてぇだな!」
はあぁぁぁぁ~、これだから......
「屑は嫌なんだよ。言葉が通じねぇ。〈ενδυνάμωση〉」
《なっ、マスター⁉︎ それは......“魔術”。......いや、違いますね。“魔導術”ですか》
正解だよ、シクレ。
どうやら奴らには全くわかってないらしいけどね。
「はぁ? 何わけ話からねぇこと言ってやがんだよ! ひとまずオネンネしな!」
一気に間合いを詰めてくる変態。
懐に入り込まれた......その刹那。
「うるせぇって......何回言ったらわかんだよ!」
無造作に腕を薙ぐ。
残像が見えるほどの速度で振るわれた腕を、ただの変態が見切れるわけもなく。
壁を突き破って外まで飛び出して行った。
「なっ⁉︎」
驚愕、狐に包まれたかのような顔をする一同。
そんな絶好の隙を逃すわけがない。
アンのすぐそばにいる親分と呼ばれていた糞野郎の前に移動する。
「はやっ......⁉︎」
ふ~ん、目では追えてたんだ。
でも残念っ!
足払いに、ボディーブローを一発。
仕上げに掌底を顎に喰らわせれば。
「はい、一丁あがり!」
綺麗に白目をむいた筋肉ダルマの出来上がり。
さてお次はぁ?
そっと振り向く。
「ひぃ......」
はい、そこの怯えた君に決定!
一気に距離を縮めて、膝を真正面から踏みつける。
すると簡単に逆向きに曲がる。
「ぴぎゃああぁぁぁ‼︎ あ、ああああ足がぁぁぁぁ⁉︎」
「もう......うるさいぞっ」
ちょうどいい位置に来ていた顔面をクラッシュ。
今度は顔面が潰れた大男が仕上がった。
「あは、あはははは、あははははははは! き・も・ち・いーっ!」
って、いかんいかん。
幾ら何でもハイになり過ぎだ、俺。
《ま、マスター......》
ほら、シクレも若干引き気味だし。
「あ、そうそう。残りの君たちはあんまり面白くなさそうだしもういいよ〈σοκ〉」
詠唱をしながら指先を残りに向かって軽く振る。
すると、巨大なハンマーにでもぶち当たったかのように飛んで行った。
はぁ、やっぱり魔導術は便利だなぁ~。
殴ったり切ったりした感触がないのが玉に瑕だけど。
あや?
今の吹っ飛んだ時の音を聞きつけたのか、ゾロゾロと人が出て来た。
《ま、マスター、これは流石に無理ですっ!引きましょう!》
『いやいや、大丈夫だから、ね?』
まずは1人目。
腕を引くことで崩す。
そのまま、背負い投げのような形でぶん投げる。
それを皮切りに、集まって来ていた人たちがこっちに攻撃を仕掛けようと走って来た。
2人目は、突き出して来た腕にぴょいとジャンプして足を絡めてから、首に両腕で力一杯抱きつく。
するとすぐに膝から力が抜けた。
次は背が低めだったから、そのまま変則的なフランケンシュタイナーをかけることでもう1人巻き込ませつつ倒した。
3人,4人目。
5人目のおっさんは剣を振り下ろして来たから、手首を横から掴んで捻って剣をもらって叩っ斬った。
うえぇ、切れ味悪っ!
こんなのぽいだよぽいっ!
あ、捨てるついでに誰かに当たればいいなー。
「そいっ」
あ、当たった。
6人目。
はぁ、はぁ、やばい、やっぱり興奮して来たよぉ。
うぅ、あそこにじんじん来ちゃうぅ~。
えぇい、発散発散!
「破っ!」
発散とかいって魔力波で2人ゲット。
これで8人。
「まだまだ行くよー!」
こんなにたくさんの人に囲まれて、気分はアイドルかなっ。
楽しいなぁ。
《ま、マスターってば戦闘狂さんだったんですね......》
『えぇ、あはは、わかっちゃう?』
《そりゃあ、戦っている最中にそんなありえないくらい色気まみれの蕩けた表情されたら誰だってわかりますよ》
んふふ、まぁいいのだよ。
それで、9人目は......
「ほいっと」
腹を手刀でかっさばいて、と。
お次、記念すべき10人目はぁ~。
お、来た来た。
「鋭そうなナイフだね? え? くれるんだ、ありがとう!」
許可ももらったから、握ってる手を蹴り上げて飛び上がったナイフを逆手になるように掴む。
《相手の人、なんも喋ってませんけどね》
まぁ、そんなちっちゃいことはいいのぉ!
気を取り直して、すぐにするりとナイフを心臓につき入れる。
「おぉっ、なかなかな切れ味!」
刃物が手に入ればこっちのもんだね。
ぱっと後ろに回って飛んで喉を切り開く。
11人目。
12,3人目もおんなじ要領で。
14人目はなんかこけたから、手頃な場所にあった脳幹のあたりを突き刺す。
うぅん、にしても、こんなに返り血を浴びたからちょっと気持ちよくなって来ちゃった......
派手な魔導術でも使って発散しよっと。
「〈έκρηξη〉‼︎」
瞬間、大きな衝撃と共に熱波が体に吹き付ける。
「はぁ、やっぱりこの、体を奥から揺らしてくる衝撃も乙なものだねぇ!」
今ので何人行けたのかなぁ。
まぁいいや。
もっと楽しもう、今は。
でも、アンのことも心配だからできるだけたく終わらせたいな。
何はともあれ。
「行くぞ、いっちゃうぞ野郎どもおぉぉ!」
- - - - - - - - - -
はい、いかがでしたでしょうか。
前回があっち方面なら、今回はこっち方面でしたね。
大分血生臭かったかな。
ともあれ、戦闘狂系幼女。
萌えません?
え?
萌えない?
またまたぁ。
ん?
それよりも?
日付を見ろ......?
何いってんだい、まだ12/13じゃないか!
......12/13だろ?(遅刻)
というわけで、次回の更新は12/15です!
そろそろ準主役キャラが出て来る頃ですかね。
それでは、またお会いしましょう!
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