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改札の手前で繋いでいた手を離したが、改札を抜けると当たり前のように徹が手を繋いでくるから、再び樹音の胸がキュンと鳴く。
「今日はサンキューな」
樹音のマンションが近付くと徹が言った。
「楽しかったね。うさぎ可愛かったねぇ。また会いに行きたいなぁ」
徹からの頼まれ事だったことなどすっかり忘れて、樹音は会心の笑みを浮かべて返す。
「おう、アイツすげぇ可愛いかったよなぁ……人って、自分に似てる生き物を可愛いと思うんだってさ。アイツお前に似てたもんな」
と徹が笑う。
「じゃあ約束のチケット、お前に分配するな」
徹は空いた片手で器用にスマホを操作した。
「やったぁー! ありがとう」
「礼を言うのはこっちだけどな。で、お前誰と行くんだよ。チケット二枚あんだよ」
「え、徹とじゃないの?」
「え? 俺とかよ」
「じゃあ誰と行くの?」
「いや、俺が聞いたんだよ。……なぁ、お前どういう意味で言ってる?」
「え、何が?」
「えーっ、全然気付いてねぇじゃん」
そう言って徹は表情を曇らせた。
「今日はサンキューな」
樹音のマンションが近付くと徹が言った。
「楽しかったね。うさぎ可愛かったねぇ。また会いに行きたいなぁ」
徹からの頼まれ事だったことなどすっかり忘れて、樹音は会心の笑みを浮かべて返す。
「おう、アイツすげぇ可愛いかったよなぁ……人って、自分に似てる生き物を可愛いと思うんだってさ。アイツお前に似てたもんな」
と徹が笑う。
「じゃあ約束のチケット、お前に分配するな」
徹は空いた片手で器用にスマホを操作した。
「やったぁー! ありがとう」
「礼を言うのはこっちだけどな。で、お前誰と行くんだよ。チケット二枚あんだよ」
「え、徹とじゃないの?」
「え? 俺とかよ」
「じゃあ誰と行くの?」
「いや、俺が聞いたんだよ。……なぁ、お前どういう意味で言ってる?」
「え、何が?」
「えーっ、全然気付いてねぇじゃん」
そう言って徹は表情を曇らせた。
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