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ある朝、希は頭痛で目覚めた。というより、最後に時計を見てから一時間しか経っていない。この頭痛が、寝不足のせいなのか神経の高ぶりのせいなのかはわからなかったが、希はのそのそとベッドから起き上がり、キッチンに立ってコップに水を注ぐと、一瞬徹の顔を思い浮かべてから、頭痛薬を流し込んだ。
徹には薬の飲み過ぎを指摘されていたが、今日は朝から大事な社内会議があるからやむを得ない。
希は家具やインテリア雑貨を扱う会社で、商品企画の仕事に就いていた。今日は新商品案の社内プレゼンをする為、昨夜はその資料に目を通していて、気付けば朝になっていた、というわけだ。プレゼンは今日が初めてではなかったが、希は毎回緊張感を持って準備万全で臨む。
癒しの空間づくりをコンセプトに、様々な商品企画に携わっていた。自分の企画が通れば、アイデアが形となって世に出る。それが企画職のやりがいだ。
午後三時。希はブラックコーヒーを片手に、デスクで頬杖をついていた。
今日のプレゼンはいまいち手応えを感じることができず、溜まっていた疲労が一気に押し寄せていた。
経営層は簡単には首を縦に振らない。企画が承認されるまで、試行錯誤の繰り返しなのだ。
会いたい……。
疲れている時ほど、会いたくなるものだ。
徹には薬の飲み過ぎを指摘されていたが、今日は朝から大事な社内会議があるからやむを得ない。
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