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21.新事業
しおりを挟むうふ。ふふふ。
笑いが止まらないわ!
まさかこんなに上手くいくなんて!
「マジか……」
何故かユアンが死んだ魚のような目をしていた。
こんなに素晴らしい事なのにどうしたのかな?
「それにしても、王都にはまともな男性がいないのかしら?」
「皆、まだ若いからな」
「若気の至り、と言いたいの?」
「まぁ、親はそう思っているようだ」
「と言う事は、キースはそう思っていないのね」
「ノーコメントで」
やっぱり。
ま、馬鹿は思考に犯されたお馬鹿さん達が多いお陰で私達の商売は潤うのだから文句は言えない。ここで真人間にならないと後がないから皆には是非とも頑張って欲しいところ。
「貴族専用の更生施設を建設するとは。流石はアザミだ」
「そんなぁ、照れるわ」
「平民の施設と違って有料というのも良い」
「当然でしょう?口コミ料込みなんだもの。それに名目上は『リゾート地での休暇』『領地経営を学ぶため』としてるんだもの」
「よく追加料金で揉めなかったものだ」
「あら?滞在を延長するんだから当然でしょう?」
「ケチな伯爵家が出し渋ると思ったのだがな」
「歴史ある伯爵家から犯罪者が出るよりはマシでしょう、と言ったら口を閉じたわ」
「やれやれ、アザミに口で勝とうとは……浅はかな伯爵家だ」
「アホな子供を持つと親は大変ね」
「その分、こちらとしては儲けになる」
「全くだわ。それよりもキース」
「なんだい?」
「王家から王太子殿下を預かってくれと依頼が来てるんだけど……流石に王族を更生施設に入居させる訳にはいかないのよね。公爵家に任せても良い?」
「勿論だ」
「なら決まりね」
とっても良い笑顔のキースとは反対にユアンはこの世の終わりを迎えたかのような表情だった。
どうしたのかな?
それにしても公爵家との新事業は本当に儲かる!
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