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第一章
50.新しい妃2
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「杏樹、新しく入内してきた郭婕妤をやり込めたんだって?」
青が目を輝かせて尋ねるてくる。
「やり込めたなんて人聞きの悪い。事実を述べたまでです」
「はははっ!郭婕妤が顔真っ赤にして逃げ出したんだろ。後宮中の評判だぜ!皆、随分すっきりしてたなぁ。流石だよ!」
楽しげに話す青と反対に、高力殿が眉根を寄せている。
「郭婕妤は、郭家の娘ということもあり気位も高く他の妃とも問題をおこしているのです」
「あぁ……」
あの性格ではそうでしょうね。
短時間でも気性の激しい人物だと分かるのだもの。
「くだらない諍いを起こすので何度も注意を促してきたのですが……」
「ご苦労様です」
思い出したのか高力殿は遠い目をした。
「あぁいうのを“箱入りのドラ娘”って言うんだろうぜ!」
「なに?それは?」
「“ドラ息子”の娘版!言い得て妙だと思わねぇか?」
再び大笑いし始めた青の代わりに高力殿が説明してくれる。
「郭婕妤は入内後、実家と叔母である郭貴妃の威光を笠に着てやりたい放題なため各妃や女官から苦情が相次いでいるんです。周囲と絶えず揉め事を起こすだけでなく、衣装や装飾品の類いも実家の財力に物を言わせて買いあさっている始末ですからね」
「買いあさってどうするの?」
「他の妃に見せびらかしたいのでしょう」
「自分で買ったものを?」
「正確には郭家の“力”を見せびらかしたいと言いますか……」
もう、言葉がでなかった。
私が思った以上にメンドクサイ方みたい。
「とうとう徳妃様を怒らせてしまったようで、しばらく謹慎されるようです」
「それは……またなんとも……自業自得ですね」
思わず苦笑すると青と高力殿もつられて笑い出した。
そこへお茶を持った侍女が入って来たのをきっかけに会話を打ち切る。
「ありがとう」
お茶を受け取った私は一口飲んで息をつく。
郭家のドラ娘がこれ以上問題行動を起こしませんように、と祈りながら。
まぁ、無理だろうけど。
青が目を輝かせて尋ねるてくる。
「やり込めたなんて人聞きの悪い。事実を述べたまでです」
「はははっ!郭婕妤が顔真っ赤にして逃げ出したんだろ。後宮中の評判だぜ!皆、随分すっきりしてたなぁ。流石だよ!」
楽しげに話す青と反対に、高力殿が眉根を寄せている。
「郭婕妤は、郭家の娘ということもあり気位も高く他の妃とも問題をおこしているのです」
「あぁ……」
あの性格ではそうでしょうね。
短時間でも気性の激しい人物だと分かるのだもの。
「くだらない諍いを起こすので何度も注意を促してきたのですが……」
「ご苦労様です」
思い出したのか高力殿は遠い目をした。
「あぁいうのを“箱入りのドラ娘”って言うんだろうぜ!」
「なに?それは?」
「“ドラ息子”の娘版!言い得て妙だと思わねぇか?」
再び大笑いし始めた青の代わりに高力殿が説明してくれる。
「郭婕妤は入内後、実家と叔母である郭貴妃の威光を笠に着てやりたい放題なため各妃や女官から苦情が相次いでいるんです。周囲と絶えず揉め事を起こすだけでなく、衣装や装飾品の類いも実家の財力に物を言わせて買いあさっている始末ですからね」
「買いあさってどうするの?」
「他の妃に見せびらかしたいのでしょう」
「自分で買ったものを?」
「正確には郭家の“力”を見せびらかしたいと言いますか……」
もう、言葉がでなかった。
私が思った以上にメンドクサイ方みたい。
「とうとう徳妃様を怒らせてしまったようで、しばらく謹慎されるようです」
「それは……またなんとも……自業自得ですね」
思わず苦笑すると青と高力殿もつられて笑い出した。
そこへお茶を持った侍女が入って来たのをきっかけに会話を打ち切る。
「ありがとう」
お茶を受け取った私は一口飲んで息をつく。
郭家のドラ娘がこれ以上問題行動を起こしませんように、と祈りながら。
まぁ、無理だろうけど。
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