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本編
11.メシマズ ~二日目の夕食~
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二日目の夕食。
それは昨日食べた肉の塊と魚のパイに負けない強烈なインパクトを俺に与えた。
≪今日は遅くなるとお聞きしておりましたので精のつくものがよいと思いまして“ウナギのゼリー寄せ”に致しました≫
はぁ!?
これがゼリー!!?
絶句する俺を置いてミス・マープルの説明が始まる。
≪ぶつ切りにしたウナギをよく煮込んでゼリー状に固めた逸品です。栄養価の高い英国の伝統料理でございます≫
「そう……」
もう言葉が出てこない。
見た目が既に恐怖を煽る。皿に盛りつけられたウナギは本当にぶつ切りしてあって骨が見える上に、ゼリーがしっかりを張り付いているせいか薄青い部分と薄黄色い部分が見られた。色だけ見ると爽やかな色合いだけどコレを食べるとなると話は違ってくる。
何かの罰ゲームかな?
俺が硬直している間にミス・マープルは手際よくテーブルの上に食器を用意していく。そして、給仕が終わると俺に席につくよう促してきた。無機質な目だというのに、その視線は明らかにこちらを見つめている。
まるで獲物を待ち構えている猛禽類のようだ。
どうしよう。
食べるまで目を離してくれなさそうだ。
俺は腹を決めて席についた。震える手を叱責させながらフォークを握る。ウナギゼリーを小さく切ってゆっくりと口に入れた途端に、ブワッと広がる生臭さ。
「うっ!!」
咄嗟に口を押さえ、慌ててトイレに駆け込んだ。幸いなことに吐き気はそれほどでもなかったが、口に入れた物を全て吐き出した。
「うぅ……気持ちわる」
もう何も食べられそうにない。
結局、その夜は殆ど水だけで過ごした。
翌朝、気分の悪さを引きずったまま朝食の席に着くとテーブルの上に置かれていたのは昨日と同じような朝食メニュー。トーストと目玉焼き、焼きトマトとベイクド・ビーンズなどなどがワンプレートに盛りつけられている。味もマトモだ。
これで確信した。
ミス・マープルは朝食以外まともな料理が作れないという事に。
それは昨日食べた肉の塊と魚のパイに負けない強烈なインパクトを俺に与えた。
≪今日は遅くなるとお聞きしておりましたので精のつくものがよいと思いまして“ウナギのゼリー寄せ”に致しました≫
はぁ!?
これがゼリー!!?
絶句する俺を置いてミス・マープルの説明が始まる。
≪ぶつ切りにしたウナギをよく煮込んでゼリー状に固めた逸品です。栄養価の高い英国の伝統料理でございます≫
「そう……」
もう言葉が出てこない。
見た目が既に恐怖を煽る。皿に盛りつけられたウナギは本当にぶつ切りしてあって骨が見える上に、ゼリーがしっかりを張り付いているせいか薄青い部分と薄黄色い部分が見られた。色だけ見ると爽やかな色合いだけどコレを食べるとなると話は違ってくる。
何かの罰ゲームかな?
俺が硬直している間にミス・マープルは手際よくテーブルの上に食器を用意していく。そして、給仕が終わると俺に席につくよう促してきた。無機質な目だというのに、その視線は明らかにこちらを見つめている。
まるで獲物を待ち構えている猛禽類のようだ。
どうしよう。
食べるまで目を離してくれなさそうだ。
俺は腹を決めて席についた。震える手を叱責させながらフォークを握る。ウナギゼリーを小さく切ってゆっくりと口に入れた途端に、ブワッと広がる生臭さ。
「うっ!!」
咄嗟に口を押さえ、慌ててトイレに駆け込んだ。幸いなことに吐き気はそれほどでもなかったが、口に入れた物を全て吐き出した。
「うぅ……気持ちわる」
もう何も食べられそうにない。
結局、その夜は殆ど水だけで過ごした。
翌朝、気分の悪さを引きずったまま朝食の席に着くとテーブルの上に置かれていたのは昨日と同じような朝食メニュー。トーストと目玉焼き、焼きトマトとベイクド・ビーンズなどなどがワンプレートに盛りつけられている。味もマトモだ。
これで確信した。
ミス・マープルは朝食以外まともな料理が作れないという事に。
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