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23.次男side
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恐ろしいのは父上だ。
自国の王女と貴族令嬢が子供生産機と成り果てようとも、微塵も気にしない。
「彼女達は王族であり貴族だ。国や家のために嫁ぎ貢献をするのは義務のようなもの。何の問題がある?」
真顔でそう言い切った。
僕は知っている。
父上が医療の向上のためにと例の国と共同して研究を行っていることを。
そのせいで?王女達は通常よりも妊娠しやすくなっている。
毎年、順調に妊娠出産している。
「彼女達は若く健康だ。これから先もどんどん子供を生んでくれるだろう。両国の未来のためにも、是非とも頑張ってもらいたいものだ」
鬼畜がいる。
年がら年中、子作りに励んで貰いたいがために、美容と健康にいいとされる薬を、例の国に売りつけている。
公爵家主導で開発している、美容と健康に効く薬だ。
それを王女の嫁ぎ先に売りつけているのだ。
我が父ながら、容赦ない。
例の国も、公爵家からの購入ということで信頼を寄せているし。
まあ、よく効く代物だ。
挙って買い求めるのも無理はない。
分量をきちんと守っていれば害はない。
王女達?喜んでるよ。
いつの世も女性は美を求めるものだし、彼女達も例に漏れず、美しくなることに貪欲だった。
だから、父上に感謝までしている。自分達を売った相手に、感謝を述べるって……。
「まあ、彼らが王女達の扱いを間違えることはまずないだろう」
「そうですね」
例の国は、王女を公務に参加させない。
それは貴族夫人となった令嬢も同じ。家政に一切関わらせない。
彼女達の仕事は唯一つ。
子を産むこと。
産んだ後も子供を育てることはない。
教育は全て各家で行われる。
そこに生母が関わる隙は全く存在しない。
王女達はそのことすら気付いていないのだろう。
例の国が王女達に何て説明したのかは分からないが、きっと上手く言いくるめたのだろう。
彼女達は死ぬまで気付かない筈だ。
「あの国との取引が上手くいっているのは、王女達のおかげだ」
「はい」
「彼女達にはこれからも頑張って貰わなければ」
父上は実にいい笑顔でそう言った。
知らない方が幸せなことは沢山ある。
知らないままの方が彼女達は幸せだろう。
よくよく考えれば、嫁ぎ先に大事にされるのは良いことだ。
例の国は女性達に沢山子供を産んで貰わないといけないから物凄く大事に扱う。
幸せは人それぞれだ。
だから、彼女達も幸せになれるだろう。
ただ……彼女達を売った金で、より良い薬が開発されているのを知って、僕は何とも言えない気持ちになった。
自国の王女と貴族令嬢が子供生産機と成り果てようとも、微塵も気にしない。
「彼女達は王族であり貴族だ。国や家のために嫁ぎ貢献をするのは義務のようなもの。何の問題がある?」
真顔でそう言い切った。
僕は知っている。
父上が医療の向上のためにと例の国と共同して研究を行っていることを。
そのせいで?王女達は通常よりも妊娠しやすくなっている。
毎年、順調に妊娠出産している。
「彼女達は若く健康だ。これから先もどんどん子供を生んでくれるだろう。両国の未来のためにも、是非とも頑張ってもらいたいものだ」
鬼畜がいる。
年がら年中、子作りに励んで貰いたいがために、美容と健康にいいとされる薬を、例の国に売りつけている。
公爵家主導で開発している、美容と健康に効く薬だ。
それを王女の嫁ぎ先に売りつけているのだ。
我が父ながら、容赦ない。
例の国も、公爵家からの購入ということで信頼を寄せているし。
まあ、よく効く代物だ。
挙って買い求めるのも無理はない。
分量をきちんと守っていれば害はない。
王女達?喜んでるよ。
いつの世も女性は美を求めるものだし、彼女達も例に漏れず、美しくなることに貪欲だった。
だから、父上に感謝までしている。自分達を売った相手に、感謝を述べるって……。
「まあ、彼らが王女達の扱いを間違えることはまずないだろう」
「そうですね」
例の国は、王女を公務に参加させない。
それは貴族夫人となった令嬢も同じ。家政に一切関わらせない。
彼女達の仕事は唯一つ。
子を産むこと。
産んだ後も子供を育てることはない。
教育は全て各家で行われる。
そこに生母が関わる隙は全く存在しない。
王女達はそのことすら気付いていないのだろう。
例の国が王女達に何て説明したのかは分からないが、きっと上手く言いくるめたのだろう。
彼女達は死ぬまで気付かない筈だ。
「あの国との取引が上手くいっているのは、王女達のおかげだ」
「はい」
「彼女達にはこれからも頑張って貰わなければ」
父上は実にいい笑顔でそう言った。
知らない方が幸せなことは沢山ある。
知らないままの方が彼女達は幸せだろう。
よくよく考えれば、嫁ぎ先に大事にされるのは良いことだ。
例の国は女性達に沢山子供を産んで貰わないといけないから物凄く大事に扱う。
幸せは人それぞれだ。
だから、彼女達も幸せになれるだろう。
ただ……彼女達を売った金で、より良い薬が開発されているのを知って、僕は何とも言えない気持ちになった。
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