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~朱雀の章~

第113話閑話 鳳凰side~遠い未来~

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『』電話
 
*******
 


 
その年に新たな帝の即位式があった。
この国に移り住んで彼是千年が絶つ。朱雀帝の子孫は今も健在だ。うん。良きかな良きかな。

新しく帝になった東宮は朱雀帝によく似ていた。姿形が、ではなく中身がな。優しくて、温かい。変な女に引っかかっては大変だと思い慌てて縁結びの神にお願いしたのは良い思い出だ。お陰で、東宮は愛しい女人と結婚し可愛い子供が授かった。幸せそうでなにより。

可愛い東宮のために即位式でははしゃぎ過ぎてしまったが、まあ良いだろう。私は瑞兆だ。素晴らしい為政者に吉兆を与えるのは当然だ!



プルルルルル!!!

ガチャ!

「もしもし?」

『私だ』

「……お掛けなった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになったうえで…『もうその手にはのらん!』……チッ!」

「で?何の用なの、

『お前んとこの皇帝が代替わりしたと聞いてな』

「……だから何?」

『私も祝福を与えてやろうと思ってな』

「いらないよ!!!」

『お前に聞いておらんは!』

「なに人様の処の帝に唾つけようとしてんだよ! 迷惑なんだよ! 自分の家テリトリー内で祝福すればいいだろ!」

『うちに皇帝はもうおらん!!』

「なら、そこら辺の権力者に吉兆をやればいいだろ!」

『あんな俗物どもにくれてやるほど我の祝福は安くない!』

ハハハハハ。
この男はを言ってんだ?

「大陸の為政者で“俗物”だらけじゃないか!!寧ろ俗っぽくない為政者なんていないだろうが!!!」

異民族の支配を繰り広げているんだからな!
弱肉強食。
強ければ正義!のとこだろ!
勝てば良し!の場所に居て何言ってんだ?


『お前からも言っておいてくれ!』

「何を?」

『決まっているであろう! 私からの“祝福”を受けとることをだ!』

「はっ!?」

『かの国の者達に言っても「私達には鳳凰様がいらっしゃいますから」の一点張りだ!!お前だけの祝福で良いと言わんばかりではないか!!こちらには私も含めて大勢の吉兆たちが祝福するを言っておるにも拘わらずな!!!』

龍王……。
なるほど。どうやら敵は龍王だけじゃなさそうだ。代表として龍王が今まで対応してきたってところか。っていうか、既にうちの国の人間に催促してるって何様のつもりだよ?図々しい!!
 

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