33 / 66
33.報復行動1
しおりを挟む
「では、お願いしますね」
「畏まりました」
私は、今日、学園で大変お世話になった方々の各家に損害賠償を請求する通知を発送させた。
理由は二つ。
「侮辱罪」と「名誉毀損罪」
ウォーカー侯爵家とカルセドニー辺境伯家の連盟で。
まぁ、ロザリンドのカルセドニー辺境伯家は別の意味で報復済みでしょうけれど、それでは私の腹の虫がおさまらない。
学園内の事だとしてもそれはそれ、これはこれ。
そういう意味ではロザリンドを始め、カルセドニー辺境伯家の皆様は優しい。学生だからの一言で納めてしまえるくらいに。その分、報復対象は近衛騎士団と一部の宮廷貴族に集中してます。
彼等は辺境伯家の重要性を理解していない。
いえ、近衛騎士団の幹部クラスと政治の中枢にいる者は理解しているでしょう。ただし、それ以外が微妙……。辺境伯家を王国の端にある田舎と勘違いしている輩までいるのだから困ったものです。
国境を警備する砦だという事を知らないのでしょうか?
幼少期に学ぶでしょう。
学園でも学ぶ筈なのに。
それでも辺境伯家を侮る近衛騎士と宮廷貴族が後を絶たない。バカなのかしら?バカだから身分が上の私達に対して、舐め腐った態度が取れたのでしょうね。
もっとも今頃、近衛騎士団も宮廷貴族達も別途で顔を真っ青にしているでしょう。
近衛騎士団は知らなかったのかしら?
自分達が使用している剣の製造元を。
数々の武器を生みだしているのは辺境伯家です。
勿論、全員がそうとは言いませんが、魔の森とまで称される魔獣の蔓延る土地を治めているカルセドニー辺境伯家がいなければ、この国は魔獣によって滅ぼされていてもおかしくない。その魔獣から国と人を守るだけでなく、魔獣の肉を産地のブランド肉にまでし、魔獣の牙で剣を造り、魔獣の目で魔法石を造りだし、魔獣の皮で革鎧を作っている。
それが辺境伯家です。
その功績は王家も認めるところ。だからこそ、侯爵家の次に権限ある地位に辺境伯を置いているのです。辺境伯は五大侯爵家以外で唯一、「独立する権利」を与えられた貴族です。
つまり、自分達の意見を通す権利がある。王家が命じたことに意見を出して反することだって出来ます。それが武力であれ財力であれ情報であれ。また、特権を乱用しない限りはなにをやっても良いとされています。
そんな辺境伯をないがしろにしたあげくに、上辺だけの情報で踊らされた愚か者たち。
彼等は今頃後悔しているでしょうね。
「畏まりました」
私は、今日、学園で大変お世話になった方々の各家に損害賠償を請求する通知を発送させた。
理由は二つ。
「侮辱罪」と「名誉毀損罪」
ウォーカー侯爵家とカルセドニー辺境伯家の連盟で。
まぁ、ロザリンドのカルセドニー辺境伯家は別の意味で報復済みでしょうけれど、それでは私の腹の虫がおさまらない。
学園内の事だとしてもそれはそれ、これはこれ。
そういう意味ではロザリンドを始め、カルセドニー辺境伯家の皆様は優しい。学生だからの一言で納めてしまえるくらいに。その分、報復対象は近衛騎士団と一部の宮廷貴族に集中してます。
彼等は辺境伯家の重要性を理解していない。
いえ、近衛騎士団の幹部クラスと政治の中枢にいる者は理解しているでしょう。ただし、それ以外が微妙……。辺境伯家を王国の端にある田舎と勘違いしている輩までいるのだから困ったものです。
国境を警備する砦だという事を知らないのでしょうか?
幼少期に学ぶでしょう。
学園でも学ぶ筈なのに。
それでも辺境伯家を侮る近衛騎士と宮廷貴族が後を絶たない。バカなのかしら?バカだから身分が上の私達に対して、舐め腐った態度が取れたのでしょうね。
もっとも今頃、近衛騎士団も宮廷貴族達も別途で顔を真っ青にしているでしょう。
近衛騎士団は知らなかったのかしら?
自分達が使用している剣の製造元を。
数々の武器を生みだしているのは辺境伯家です。
勿論、全員がそうとは言いませんが、魔の森とまで称される魔獣の蔓延る土地を治めているカルセドニー辺境伯家がいなければ、この国は魔獣によって滅ぼされていてもおかしくない。その魔獣から国と人を守るだけでなく、魔獣の肉を産地のブランド肉にまでし、魔獣の牙で剣を造り、魔獣の目で魔法石を造りだし、魔獣の皮で革鎧を作っている。
それが辺境伯家です。
その功績は王家も認めるところ。だからこそ、侯爵家の次に権限ある地位に辺境伯を置いているのです。辺境伯は五大侯爵家以外で唯一、「独立する権利」を与えられた貴族です。
つまり、自分達の意見を通す権利がある。王家が命じたことに意見を出して反することだって出来ます。それが武力であれ財力であれ情報であれ。また、特権を乱用しない限りはなにをやっても良いとされています。
そんな辺境伯をないがしろにしたあげくに、上辺だけの情報で踊らされた愚か者たち。
彼等は今頃後悔しているでしょうね。
180
お気に入りに追加
2,413
あなたにおすすめの小説
義母様から「あなたは婚約相手として相応しくない」と言われたので、家出してあげました。
新野乃花(大舟)
恋愛
婚約関係にあったカーテル伯爵とアリスは、相思相愛の理想的な関係にあった。しかし、それを快く思わない伯爵の母が、アリスの事を執拗に口で攻撃する…。その行いがしばらく繰り返されたのち、アリスは自らその姿を消してしまうこととなる。それを知った伯爵は自らの母に対して怒りをあらわにし…。
【完結】唯一の味方だと思っていた婚約者に裏切られました
紫崎 藍華
恋愛
両親に愛されないサンドラは婚約者ができたことで救われた。
ところが妹のリザが婚約者を譲るよう言ってきたのだ。
困ったサンドラは両親に相談するが、両親はリザの味方だった。
頼れる人は婚約者しかいない。
しかし婚約者は意外な提案をしてきた。
【完結】裏切ったあなたを許さない
紫崎 藍華
恋愛
ジョナスはスザンナの婚約者だ。
そのジョナスがスザンナの妹のセレナとの婚約を望んでいると親から告げられた。
それは決定事項であるため婚約は解消され、それだけなく二人の邪魔になるからと領地から追放すると告げられた。
そこにセレナの意向が働いていることは間違いなく、スザンナはセレナに人生を翻弄されるのだった。
愛せないですか。それなら別れましょう
黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」
婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。
バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。
そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。
王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。
「愛せないですか。それなら別れましょう」
この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。
【完結】旦那様、お飾りですか?
紫崎 藍華
恋愛
結婚し新たな生活に期待を抱いていた妻のコリーナに夫のレックスは告げた。
社交の場では立派な妻であるように、と。
そして家庭では大切にするつもりはないことも。
幸せな家庭を夢見ていたコリーナの希望は打ち砕かれた。
そしてお飾りの妻として立派に振る舞う生活が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる