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~第四章~

77.サバスside ~オレフ王国の学生3~

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 王女の取り巻き連中達からの嫌がらせ。
 いつからか始まった嫌がらせの数々は微々たるものだ。
 大して実力がある連中じゃない。戦力的に優れているとはいい難い連中だ。恐らく防御の方が得意なのだろう。だから、とう訳ではないが俺に被害はなかった。直接なにかを言われた事もない。確実に証拠となるものは残さないので訴えることは難しい。放っておくのが一番だ。だが、それは俺が標的にされている場合に限る。他の連中だとどうなる?


「……お前、気を付けておけよ」

「え?僕?何を?」

「王女の取り巻き共にだ」

「え~~~!?僕は関係ないでしょ?」

「お前は俺と一緒に行動する事が多いんだ。彼奴らに目を付けられている可能性は高い」

「だから何か仕掛けてくるかもって?ないない。あ……でも」

「? なんだ?」

「お姫様の弱味?ってのを握るチャンスではあるよね?」

「…………お前な……」

「冗談だよ、サバス」

 コロコロと無邪気に笑うが、その瞳の奥に何やら妖しい光が宿っていたのを見逃しはしないぞ、俺は。

「相手は庶子とはいえ一国の王女だ」

「でもさぁ、気になるよね。突如、魔力が目覚めた事もそうだし。彼女は何かと不可解な点があるんだよね」

「考え過ぎじゃないのか?」

「かもしれない。ただ、情報が遮断されているのが気になるんだよね」

「…………何が言いたいんだ、お前は……」

「あはは!あのお姫様にはナニカあるんじゃないかなって……ま、僕の勘だけど」

 エヴァンの言葉に呆れつつも俺は笑えなかった。こいつの勘は当たる。

「嫌な感じがするんだよ」

「王女にか?」

「う~~~ん……彼女自身っていうよりも……取り巻いている環境?僕も上手く説明できないけどね。なんか秘密がある気がする。それにお姫様が気付いているのかどうかは別としてね」

「……」

「何か起きなきゃいいけど……」

 この時の俺達はまだ気が付いていなかった。
 いや、知らない振りをしていただけかもしれない。
 エヴァンの勘はあたる。
 それに俺自身も嫌な予感はしていた。

 嫌な予感ほどよく当たる。


 それから暫くして事件は起こった。

 俺達が知らない所で、知らない形で。



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