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~第三章~
51.家族関係3
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「う~ん……。貴族としては仲の良い家庭だったんじゃないかな?」
「ほぉ」
「なんだかんだ言って、僕のしたい事をやらせてくれたし……。学ぶ事には全面的に協力してくれた感じかな」
「その割には淡白な反応だな?」
「う~~ん……」
そう言われると何とも言いようがない。
親との微笑ましいエピソードを思い出せと言われると……何かあったかな?と首を傾げてしまうのは否めなかった。
父上との会話もそうだけど、「親と子供」と言うよりも「上司と部下」と言った関係の方が近い気がする。親子ってもっとこう……なんていうのかな?
「愛情はあるんだけど、それが父親と息子としてのものかどうか分からないんだよねぇ……」
「なるほどな」
国王は苦笑いを浮かべていた。
「父上は「家庭的な男」と言うよりも「仕事に生きる男」だ。家庭を顧みない、とまではいかないけど、それでも優先順位は低かったと思う」
正直、父上は家族の中で僕と話すのが一番楽だったんじゃないかな?と思わなくもない。兄とは話さなかったわけではないけれど、どこか距離があったように思う。兄上は父上と話したそうにしていたけど……。
「ちなみに、母親とはどうだ?」
「母上?」
「あぁ」
「そうだなぁ……」
淑女の代名詞のような母上は、見た目と態度に反して結構ロマンチックな乙女タイプだ。ツンとした冷たい印象はぬぐえないから勘違いしている人は多いけど意外と寂しがり屋だ。夫や子供に甘えて甘えられての関係を望むタイプだと思う。
その事を国王に言えば、「貴族女性にしては珍しいタイプだな。だが、サビオを見ているとちゃんと親に愛情をかけてもらった事が分かる」と言ってくれた。
確かに愛情深い人だった。
ただね、不器用な人でもあった。
素直に愛情表現を示せないというか。
貴族の女性、特に高位貴族の女性はポーカーフェイスが基本装備だ。母上の場合、外も中も一緒。切り替えができないタイプだった。
せめて僕だけでも母上に甘えていれば少しは違ったのかもしれない。
まぁ、今更だけどね。
その後も国王と他愛無い話をして別れた。
あれ?
そういえば兄の話はしなかったなぁと思いながら家に着いた。
国王も何故か兄の事は聞いてこなかったと気付いたのは寝室のベッドに横になってからだった。
「ほぉ」
「なんだかんだ言って、僕のしたい事をやらせてくれたし……。学ぶ事には全面的に協力してくれた感じかな」
「その割には淡白な反応だな?」
「う~~ん……」
そう言われると何とも言いようがない。
親との微笑ましいエピソードを思い出せと言われると……何かあったかな?と首を傾げてしまうのは否めなかった。
父上との会話もそうだけど、「親と子供」と言うよりも「上司と部下」と言った関係の方が近い気がする。親子ってもっとこう……なんていうのかな?
「愛情はあるんだけど、それが父親と息子としてのものかどうか分からないんだよねぇ……」
「なるほどな」
国王は苦笑いを浮かべていた。
「父上は「家庭的な男」と言うよりも「仕事に生きる男」だ。家庭を顧みない、とまではいかないけど、それでも優先順位は低かったと思う」
正直、父上は家族の中で僕と話すのが一番楽だったんじゃないかな?と思わなくもない。兄とは話さなかったわけではないけれど、どこか距離があったように思う。兄上は父上と話したそうにしていたけど……。
「ちなみに、母親とはどうだ?」
「母上?」
「あぁ」
「そうだなぁ……」
淑女の代名詞のような母上は、見た目と態度に反して結構ロマンチックな乙女タイプだ。ツンとした冷たい印象はぬぐえないから勘違いしている人は多いけど意外と寂しがり屋だ。夫や子供に甘えて甘えられての関係を望むタイプだと思う。
その事を国王に言えば、「貴族女性にしては珍しいタイプだな。だが、サビオを見ているとちゃんと親に愛情をかけてもらった事が分かる」と言ってくれた。
確かに愛情深い人だった。
ただね、不器用な人でもあった。
素直に愛情表現を示せないというか。
貴族の女性、特に高位貴族の女性はポーカーフェイスが基本装備だ。母上の場合、外も中も一緒。切り替えができないタイプだった。
せめて僕だけでも母上に甘えていれば少しは違ったのかもしれない。
まぁ、今更だけどね。
その後も国王と他愛無い話をして別れた。
あれ?
そういえば兄の話はしなかったなぁと思いながら家に着いた。
国王も何故か兄の事は聞いてこなかったと気付いたのは寝室のベッドに横になってからだった。
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