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~第三章~

49.家族関係1

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「面白い事になっているぞ」

 国王兼友人が、ある情報を持ってきてくれた。
 情報と言うよりも極秘の手紙と資料だが。

「どうやら『本物』は『偽物』だったらしい」

「はっ!?」

 手紙は父……元父からだった。

「パッツィーニ侯爵は疑っていたようで、密かに調べていたそうだ」

「……」

「その結果、『偽物』と判明した」


 …………どういうこと?

 僕の気持ちを置き去りにして目の前にいる国王は実に楽しそうに笑っている。


 手紙の内容はこうだ。

 元々、父上は『本物の次男』を疑っていた。
 容姿はパッツィーニ侯爵家の特徴を持っているものの、魔力量が非常に少ない。どうも実子とは思えない。他人の空似の赤の他人と言われた方が納得する。
 それは兄も同じだったそうだ。
 最初は『実の弟』と可愛がっていたそうだが、段々と疎ましくなっていったそうだ。
 どうしても違和感が拭えなくなってきたそうだ。

 だからと言うべきか、『本物の次男』と調査を個人的に進めていったそうだ。
 極秘捜査を行ったのは王家に怪しまれない為と言うのもあるが、それ以上に、『本物の次男』を見つけ出してきた神官に気付かれないようにする目的もあったそうだ。

 その結果、偽物と判明したと言う訳だ。


「面白いのはそれだけではないぞ。サビオが侯爵家の『本物の次男』である事も判明した」

「え……?」

「ははははっ!知らなかったのか!」

「いやだって……」

 そんなの知らないよ。
 だって「お前は偽物だ」と言われて追い出されたんだから。

「まぁいい。そこでだ、サビオには今現在、二つの選択肢がある」

 国王は指を二本立てた。

「一つ。このままこの国で暮らす」

「はい」

「二つ。元の国に戻る」

「……」

「戻るなら護衛を付けるぞ。何せ、相手はお前を連れ戻そうと躍起になっているからな」

「あれだけ大々的に偽物だと処罰したのに?」

「ははっ!流石に怪しむか」

「まぁね」

「連れ戻そうとしているのは王族……この場合、国王だな」

「つまり、国王だけが僕を国に連れ戻そうとしていると?」

「そういうことだ」

「それって、他の人は反対しているって事でしょう?」

「ああ、他の重鎮達はこのまま偽物を本物として扱う方針で固まっている」

「……」

「さぁ、選べ」

 その条件では選択は一択だろう。

「残ります」

 僕は即答した。

「よろしい」

 国王は満足げに笑った。

 その後、詳しく聞けば「戻りたいと言われても危険だから止めろと言うしかなかった」と白状した。
 なんでも、僕を『偽物』と言い出し、『本物の次男』を用意したのは神官だ。
 神殿が何らかの関与をしていると父は疑っているらしい。



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