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~第二章~

33.排他的な村1

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 森で開催される祭りとは一体どんな祭りなのかな?
 古代の祭りのような儀式だろうか?
 だから昨日のオジサンは「参加するな」と言ってきたのかな?古代の祭りは宗教的なものなら生贄を捧げるものが結構あるからな……。今じゃあ、御法度だけど。それでも過激な宗派の者ならコッソリとやっていたとしてもおかしくない。

 それとも全裸での競技出場とか?

 古代のスポーツ祭典……あれも女子禁制だったし……。
 それかな?
 ん~~~。微妙だ。僕は裸族じゃないから。裸になるのも嫌だし、見るのはもっと嫌だ。何が悲しくて男の裸を見て競技しないといけないんだ。

 でもそういう「女子禁制」に限って、女子は密かに見に行ってるというオチは有るはず。
 女はいない!なんて暢気に考えているのは男だけだ。女は全てを見て知って、黙ってるのがセオリー。知らぬは男だけってパターンだ。


 ぐ~~~~っ。

 お腹すいた。
 少し早いけど昼食を食べることにしよう。
 宿屋の一階は、昼は「食事処」で夜は「酒場」と兼用してる。ある意味で効率のいい仕事周りだ。まぁ、夜の酒場だけじゃあ、やっていけないって言うのもあるだろうけどね。

 ギィ……。
 ドアを開けて店の中に入った瞬間、村人らしき人達からスゴい目で睨まれた。
 え?なに?
 ちょっとビックリした。
 キョロキョロと見回して空いている席を探す。
 
 昼前なのに意外と人が多いな。
 もしかして昼時だと混むからだろうか?
 それにしたって多い。

 空いている席は奥にあった。
 
 ただし、その奥に数人の男達がテーブル席に座っていた。
 まぁ、それは良い。
 でもね、なんだろう?
 妙にガラが悪い連中達だった。

 この雰囲気……どこかで感じた事があるんだけど思い出せない。どこだったかな?
 首を傾げてしまった。う~~ん……やっぱり思い出せない。記憶力は良い方なんだけど……。我ながら珍しい。

 周囲をぐるっと見回すと、やっぱり空いている席は奥しかなかった。席を立つ気配もない。仕方ないか。

 僕は店の一番奥の席に座った。

 旅での経験上、こういった悪意のある視線は慣れっこだ。なので気にせず注文した。

「スペシャルランチお願いします!」

 一瞬、店内がざわついた。
 何だろう?
 声が大きかったせいかな?
 でもそれは仕方ないよね?
 だって奥の席にいるんだから。
 
 それにこれだけ賑やかにしてるんだ。声を張り上げないと店の人は気付かない。


 


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