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~第二章~
29.西へ
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北の大地から離れ、僕は今、西に来ている。
旅は道連れ世は情け、とはよく言ったものだ。道中で、サーカス団の人が発熱を出したので薬を分けてあげたら、「お礼に護衛をしてあげる」と言われて同行することになった。僕一人じゃ危なっかしいという事だ。その気持ちは嬉しいが、ちょっと心配性すぎる気がする。僕だって一応は男なのだから、そこんところも理解してほしいと思うのだけれど。……でも、こうして気にかけてくれる人がいるというのは、やっぱりありがたい事だ。このキャラバンのメンバーには感謝しないとね。
ちなみに、僕の横ではさっきの猫耳のお姉さん、ニーナが、馬に乗って楽しそうにしている。彼女もまた「一緒に行くの!」と言ってきかなかった。獣人と人間のハーフらしい。彼女の父親もまた団長さんと一緒に商売をしていたそうだ。
「ねぇーねぇー、次の町に着いたら、美味しい食べ物屋に連れてって欲しいニャ~ン♪」
そんなニーナは先程からずっとご機嫌である。
「はいはい。わかりましたよ」
と、僕は返事をした。
正直、彼女はとても美人だ。美人は見慣れてはいるものの、それでもドキドキするくらい綺麗だった。やっぱり旅をするには美人がいた方が良いとつくづく理解した。花がある。ニーナは成熟した大人の女性といった風貌に反して、まるで子供のように無邪気に笑う。そのせいか余計に可愛く見えた。
「ニーナは十歳だぞ?」
隣にいた団員がコソッと教えてくれた。
なん……だと!?
どう見ても二十歳を超えているだろ!!?
混乱する僕に今度は違う団員が話しかけてきた。彼は人間にしては立派な犬歯を持っていることから、ハーフというよりはクォーターだろうと思われる。
「あいつは獣人の血が濃いんだ。人間に近い見た目をしているが、半分は動物みたいなモンだからなぁ。」
彼は苦笑いを浮かべながら言った。なるほど。獣人は成長が早いと聞いたことがある。彼女の場合、半分人間の血を引いているため精神面は年相応といったところなんだろう。生粋の獣人は精神の成熟が早い。ギルドの中にもそういう人は何人かいた。
サーカス団と別れて暫くすると、道で倒れている男性を拾った。
アンティーク店を営む男性だった。
「最近になって親戚の店を譲られたんだけど、それから妙に体調を崩すようになってね……。もう歳なのかな……」
彼は力なく笑ってそう言う。
アンティーク店の経営というのは、想像以上に体力が必要な仕事だという話を聞いた事がある。きっとそれが原因なんじゃないか? 僕は彼を家まで送り届けると申し出た。男性は最初こそ遠慮していたけど、「ここで出会ったのも何かの縁でしょう」と言うと、「それもそうだね」と言って、僕の付き添いを了承してくれた。
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ちなみに、僕の横ではさっきの猫耳のお姉さん、ニーナが、馬に乗って楽しそうにしている。彼女もまた「一緒に行くの!」と言ってきかなかった。獣人と人間のハーフらしい。彼女の父親もまた団長さんと一緒に商売をしていたそうだ。
「ねぇーねぇー、次の町に着いたら、美味しい食べ物屋に連れてって欲しいニャ~ン♪」
そんなニーナは先程からずっとご機嫌である。
「はいはい。わかりましたよ」
と、僕は返事をした。
正直、彼女はとても美人だ。美人は見慣れてはいるものの、それでもドキドキするくらい綺麗だった。やっぱり旅をするには美人がいた方が良いとつくづく理解した。花がある。ニーナは成熟した大人の女性といった風貌に反して、まるで子供のように無邪気に笑う。そのせいか余計に可愛く見えた。
「ニーナは十歳だぞ?」
隣にいた団員がコソッと教えてくれた。
なん……だと!?
どう見ても二十歳を超えているだろ!!?
混乱する僕に今度は違う団員が話しかけてきた。彼は人間にしては立派な犬歯を持っていることから、ハーフというよりはクォーターだろうと思われる。
「あいつは獣人の血が濃いんだ。人間に近い見た目をしているが、半分は動物みたいなモンだからなぁ。」
彼は苦笑いを浮かべながら言った。なるほど。獣人は成長が早いと聞いたことがある。彼女の場合、半分人間の血を引いているため精神面は年相応といったところなんだろう。生粋の獣人は精神の成熟が早い。ギルドの中にもそういう人は何人かいた。
サーカス団と別れて暫くすると、道で倒れている男性を拾った。
アンティーク店を営む男性だった。
「最近になって親戚の店を譲られたんだけど、それから妙に体調を崩すようになってね……。もう歳なのかな……」
彼は力なく笑ってそう言う。
アンティーク店の経営というのは、想像以上に体力が必要な仕事だという話を聞いた事がある。きっとそれが原因なんじゃないか? 僕は彼を家まで送り届けると申し出た。男性は最初こそ遠慮していたけど、「ここで出会ったのも何かの縁でしょう」と言うと、「それもそうだね」と言って、僕の付き添いを了承してくれた。
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---------
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追記
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