7 / 130
7.陽向side
しおりを挟む
晃司と再会して数か月後――
『妻とは離婚する。陽向、俺と結婚してくれ』
そう言ってくれた。
嬉しかった。
だってずっと好きだったから。
晃司と別れても忘れられなかった。誰と付き合っても長続きしなかった。この人は!と思った相手はどことなく晃司に似た人で……。そういう人に限って相手がいた。
晃司は私を選んでくれた。
奥さんじゃなくて、私を!!
でも奥さんから慰謝料を請求された。
なんで!?
あっちが後から割り込んできたのに!!
私と晃司は元々恋人同士だった!!!
お邪魔虫はあっちじゃない!!!
『世慣れていない桃子がした事じゃない。恐らく伊集院家が請求してきたんだろう』
晃司は冷静だった。
お嬢様育ちで世間の荒波を経験した事のない人だから仕方ないんだって!
奥さんの実家が意地悪してるんだから奥さんにだって責任があるでしょう!?
あんな法外な金額を請求するなんて常識外れもいいところよ!何なの!?冗談じゃないわ!!
ただ、法的には彼女は晃司の『妻』だから。だから……謝らないといけない。そう思った。謝ったら許してくれる。だって私達は何も悪い事はしてないんだから。
なのに……。なのにお父さんは私が悪いって。
どうして私が!?なんで!?
『相手は既婚者なんだ!お前は人の道を踏み外したんだぞ!?なのに自分は悪くないと言う気か!!?』
怒鳴られた。
顔を真っ赤にして怒るお父さんを初めてみた。
どうして!? だって元々晃司と付き合っていたのは私だよ!?あの人が後から割り込んできたんじゃない!!あの人がいなかったら私と晃司は別れる必要なんてなかった!!大学卒業後には結婚していた筈よ!!!
なんで?どうして私を理解してくれないの!?
『相手の方に謝罪しないと……』
お父さんの呟きを聞いて腹が立った。
どうしてっ!!どうして!? 悪いところなんて何一つない!!悪いのはあ・い・て!!「悪いのはその女じゃない!なんでお父さんが謝るのよ!?」と叫んだ私を信じられない者を見るような目で見てきたお父さんはそれから私を避けるようになった。もう私の話は一切聞いてくれなくなった!!
もう訳が解らないよ……。
晃司に相談しようか迷った時だった。ふと目にした法律事務所の看板。
相談無料の文字が目に入ったの……。気付いたら私は事務所のドアを開けてた。そしたら――
『相手の奥さんが慰謝料を請求してきたんですか。そう言うケースは多いですね。そうですね……お父様の仰る通り、謝罪をするのも一つの手かと』
『誠意ある謝罪はきっと相手の心に訴える事もありますから』
弁護士さんの言葉は不思議。
ちょっと晃司に似ているからかな?素直に聞ける。
だから謝ったんだ。
晃司の奥さんに。ああ、もう元奥さんだっけ?
でも許してくれなかった。
運転手?使用人?そんな感じの人に阻まれて失礼な事を言われまくった。お金どうしよう……。
『心配しなくていい。陽向の慰謝料は俺が払う』
晃司が事態を察してくれた。
その後は全てトントン拍子に進んでいったの。
『妻とは離婚する。陽向、俺と結婚してくれ』
そう言ってくれた。
嬉しかった。
だってずっと好きだったから。
晃司と別れても忘れられなかった。誰と付き合っても長続きしなかった。この人は!と思った相手はどことなく晃司に似た人で……。そういう人に限って相手がいた。
晃司は私を選んでくれた。
奥さんじゃなくて、私を!!
でも奥さんから慰謝料を請求された。
なんで!?
あっちが後から割り込んできたのに!!
私と晃司は元々恋人同士だった!!!
お邪魔虫はあっちじゃない!!!
『世慣れていない桃子がした事じゃない。恐らく伊集院家が請求してきたんだろう』
晃司は冷静だった。
お嬢様育ちで世間の荒波を経験した事のない人だから仕方ないんだって!
奥さんの実家が意地悪してるんだから奥さんにだって責任があるでしょう!?
あんな法外な金額を請求するなんて常識外れもいいところよ!何なの!?冗談じゃないわ!!
ただ、法的には彼女は晃司の『妻』だから。だから……謝らないといけない。そう思った。謝ったら許してくれる。だって私達は何も悪い事はしてないんだから。
なのに……。なのにお父さんは私が悪いって。
どうして私が!?なんで!?
『相手は既婚者なんだ!お前は人の道を踏み外したんだぞ!?なのに自分は悪くないと言う気か!!?』
怒鳴られた。
顔を真っ赤にして怒るお父さんを初めてみた。
どうして!? だって元々晃司と付き合っていたのは私だよ!?あの人が後から割り込んできたんじゃない!!あの人がいなかったら私と晃司は別れる必要なんてなかった!!大学卒業後には結婚していた筈よ!!!
なんで?どうして私を理解してくれないの!?
『相手の方に謝罪しないと……』
お父さんの呟きを聞いて腹が立った。
どうしてっ!!どうして!? 悪いところなんて何一つない!!悪いのはあ・い・て!!「悪いのはその女じゃない!なんでお父さんが謝るのよ!?」と叫んだ私を信じられない者を見るような目で見てきたお父さんはそれから私を避けるようになった。もう私の話は一切聞いてくれなくなった!!
もう訳が解らないよ……。
晃司に相談しようか迷った時だった。ふと目にした法律事務所の看板。
相談無料の文字が目に入ったの……。気付いたら私は事務所のドアを開けてた。そしたら――
『相手の奥さんが慰謝料を請求してきたんですか。そう言うケースは多いですね。そうですね……お父様の仰る通り、謝罪をするのも一つの手かと』
『誠意ある謝罪はきっと相手の心に訴える事もありますから』
弁護士さんの言葉は不思議。
ちょっと晃司に似ているからかな?素直に聞ける。
だから謝ったんだ。
晃司の奥さんに。ああ、もう元奥さんだっけ?
でも許してくれなかった。
運転手?使用人?そんな感じの人に阻まれて失礼な事を言われまくった。お金どうしよう……。
『心配しなくていい。陽向の慰謝料は俺が払う』
晃司が事態を察してくれた。
その後は全てトントン拍子に進んでいったの。
108
お気に入りに追加
4,567
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結済】完全無欠の公爵令嬢、全てを捨てて自由に生きます!~……のはずだったのに、なぜだか第二王子が追いかけてくるんですけどっ!!〜
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
「愛しているよ、エルシー…。たとえ正式な夫婦になれなくても、僕の心は君だけのものだ」「ああ、アンドリュー様…」
王宮で行われていた晩餐会の真っ最中、公爵令嬢のメレディアは衝撃的な光景を目にする。婚約者であるアンドリュー王太子と男爵令嬢エルシーがひしと抱き合い、愛を語り合っていたのだ。心がポキリと折れる音がした。長年の過酷な淑女教育に王太子妃教育…。全てが馬鹿げているように思えた。
嘆く心に蓋をして、それでもアンドリューに嫁ぐ覚悟を決めていたメレディア。だがあらぬ嫌疑をかけられ、ある日公衆の面前でアンドリューから婚約解消を言い渡される。
深く傷付き落ち込むメレディア。でもついに、
「もういいわ!せっかくだからこれからは自由に生きてやる!」
と吹っ切り、これまでずっと我慢してきた様々なことを楽しもうとするメレディア。ところがそんなメレディアに、アンドリューの弟である第二王子のトラヴィスが急接近してきて……?!
※作者独自の架空の世界の物語です。相変わらずいろいろな設定が緩いですので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。
※この作品はカクヨムさんにも投稿しています。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる