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20.クズ教師の末路
しおりを挟む前回の僕にしたように、クズ教師は他の依頼先の教え子にも似たような折檻をしていた。その内容が本当に教育のためだったなら問題にはならなかっただろう。だが、彼らの場合はとても「教育」の一言で済むようなものではなかった。しかも、クズ教師引きいるクズ集団は揃いも揃ってドクズ野郎だ。「教育者」という大義名分をいいことにやりたい放題。再起不能になった教え子の数は計り知れない。
家名のために口を噤んでいたい家が次々と証言台に立ったのが決め手だろう。
宮廷魔術師のトップの家に奴を送り込んだのは正解だったな。かの子爵家には特に恨みはない。だが、その息子は別だ。義姉上の無実の証拠を密かに握りつぶしていたんだからな。いや、少し違う。あの男は「なかったこと」にした。真実を知って無視する事もできず、かと言って公表する勇気もなかった。だから証拠そのものを消した。前は精神を病んだとか言って逃げられたからな。今回はそのお返しだ。
父親の宮廷魔術師もこれで息子によって失脚させられずに済むんだ。安いものだろう。前のように卑怯者の誹りを受けずに済む。地位、名誉、財産、その全てを失って酒浸りの日々を過ごすことも無い。
僕はそれから機嫌よく嗤って過ごしていた。すると、何故かあのクズ教師から公爵家に助けを求める手紙が届いた。厚顔無恥にも程がある。まあ、それだけ切羽詰まっているのだろう。
奴はあろうことか「庶子でしかない公爵子息をあそこまでに仕立て上げたのは自分の教育の賜物だ」と、さも自分の手柄の如く吹聴したが信じる者は誰もいなかった。不思議な事に「公爵子息の教育過程」がいつの間にか新聞社にすっぱ抜かれていたからだ。クズは必死になって否定したが「記憶装置」の画像付きともなれば言い訳もさせてもらえず、教育者の人生に幕を閉じた。あんな鞭打ちが趣味の奴らが教育者をやっていけばいずれは誰かに訴えられるだろうと思っていた通り、数多の貴族家から訴えられ最後には全員仲良く獄中行きだ。
念のため、匿名で新聞社に送って良かったよ。
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