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~アクア王国編~
24.ミレイ側妃side
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「第二王子を次期国王に指名する。なお、これは既に帝国に承認されておる決定事項である。即位の儀は一年後に執り行う。新国王の元で帝国からの支援が始まる手筈だ。これで我が国は水への被害はなくなるだろう」
はっ!?えっ?嘘でしょう!?
そんな……こんな結末なんて知らない! だってゲームとはまるで違う展開になってる!おかしい!おかしすぎる!! どうして!?誰が変えたの!?誰よ!出てきなさいよ!ふざけんじゃないわよ! なんで?私の努力が報われないじゃないの!
呆然とする私を放っておいて話しは進む。
第二王子を称える声。
第一王子を支持する者達からの不満の声。
第一王子から第二王子に鞍替えしようとする声。
どれもよく耳に届く。
だけど私の耳には届かない。
ただただ頭が真っ白になりながらその場に立ち尽くすしかなかった。
国王からの拝命に何故か悪役令嬢が頭を下げている。
え?悪役令嬢は第二王子の婚約者?!え?え?どうなってるの?!
「マデリーン嬢、新たな王太子の第二王子と共にこの国を守り支えてくれ」
はぁっ!?なに言ってんのぉおおおっ!?ありえない!
こんな……こんな事ってあるぅううっ!?
――なんでこうなったのよぉおおおっ!!!
「謹んで、御受け致します」
そう言った悪役令嬢――マデリーンの顔はとても誇らしげで輝いて見えた。
周囲は歓声に沸いているけれど、私は一人取り残された気分だった。
なんで?
私が王妃になるはずだったのに……。
悪役令嬢なんかが選ばれるなんて!
しかも第二王子と結婚ですって?!どうして?ねぇ!どうしてよ! 悔しさなのか怒りなのか解らない感情が渦巻く。
その後、王太子は伯爵位と領地を与えられた。
私は側妃から伯爵夫人に。
正式な「妻」となった。
「暫く王都から離れるだけだ」
王太子が変な事を言う。
「直ぐに戻ってこられる」
いやいや。
私だってこれが左遷同然だって事は分かる。
だって王族じゃなくなってるんだよ?
「それにしても父上も人が悪い」
「え?どういう事?」
「帝国を欺くために正当な後継者を避難させるんだから」
「ひ、避難?」
「そうだ。少しの間、この国は帝国預かりになる。それが明ければ晴れて自由の身だ。再び王太子夫妻として王宮で暮らせるぞ!」
何それ?! 全然意味がわからないんだけど!
もう王族じゃなくなってるのに王太子に返り咲けるものなの?!
「暫くの我慢だ」
「え、えぇ……」
自信満々の夫に何も言えなかった。
こうして王都を離れる事で私の人生は大きく変わっていく事になるのだった。
これからの事を考えてると憂鬱で仕方がなかった。私……もしかして王太子を選んだのは間違いだった……?
数日後、私たちは王都を離れる事となった。
そして二度と王都に戻ってこれなかった。
はっ!?えっ?嘘でしょう!?
そんな……こんな結末なんて知らない! だってゲームとはまるで違う展開になってる!おかしい!おかしすぎる!! どうして!?誰が変えたの!?誰よ!出てきなさいよ!ふざけんじゃないわよ! なんで?私の努力が報われないじゃないの!
呆然とする私を放っておいて話しは進む。
第二王子を称える声。
第一王子を支持する者達からの不満の声。
第一王子から第二王子に鞍替えしようとする声。
どれもよく耳に届く。
だけど私の耳には届かない。
ただただ頭が真っ白になりながらその場に立ち尽くすしかなかった。
国王からの拝命に何故か悪役令嬢が頭を下げている。
え?悪役令嬢は第二王子の婚約者?!え?え?どうなってるの?!
「マデリーン嬢、新たな王太子の第二王子と共にこの国を守り支えてくれ」
はぁっ!?なに言ってんのぉおおおっ!?ありえない!
こんな……こんな事ってあるぅううっ!?
――なんでこうなったのよぉおおおっ!!!
「謹んで、御受け致します」
そう言った悪役令嬢――マデリーンの顔はとても誇らしげで輝いて見えた。
周囲は歓声に沸いているけれど、私は一人取り残された気分だった。
なんで?
私が王妃になるはずだったのに……。
悪役令嬢なんかが選ばれるなんて!
しかも第二王子と結婚ですって?!どうして?ねぇ!どうしてよ! 悔しさなのか怒りなのか解らない感情が渦巻く。
その後、王太子は伯爵位と領地を与えられた。
私は側妃から伯爵夫人に。
正式な「妻」となった。
「暫く王都から離れるだけだ」
王太子が変な事を言う。
「直ぐに戻ってこられる」
いやいや。
私だってこれが左遷同然だって事は分かる。
だって王族じゃなくなってるんだよ?
「それにしても父上も人が悪い」
「え?どういう事?」
「帝国を欺くために正当な後継者を避難させるんだから」
「ひ、避難?」
「そうだ。少しの間、この国は帝国預かりになる。それが明ければ晴れて自由の身だ。再び王太子夫妻として王宮で暮らせるぞ!」
何それ?! 全然意味がわからないんだけど!
もう王族じゃなくなってるのに王太子に返り咲けるものなの?!
「暫くの我慢だ」
「え、えぇ……」
自信満々の夫に何も言えなかった。
こうして王都を離れる事で私の人生は大きく変わっていく事になるのだった。
これからの事を考えてると憂鬱で仕方がなかった。私……もしかして王太子を選んだのは間違いだった……?
数日後、私たちは王都を離れる事となった。
そして二度と王都に戻ってこれなかった。
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