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番外編
8.ローゼリアside
しおりを挟む怖いもの見たさで王宮に行ってみた。
別に深い意味は無かったの。
ただ、あいつなら私が視えるんじゃないかって思っただけ。
結果は全然ダメ。
「愛してる」と言う割にダメじゃん、とツッコミを入れた。
まぁ、幽霊を視える方が異常だから。あんなんでも正常だったか、と安心したような心配のような。不思議な気持ちになってしまった。
ただ調子にのって王宮探検したのだ運のツキ。
あいつの異常性を垣間見た。……見るんじゃなかった。いや、あの場合不可抗力。たまたま。見たくて見た訳じゃない。
本当に偶然知ったのよね。
生きていた時じゃあ、全然気づかなかった。
あいつが私のストーカーだったなんて……。
アレはもう完全に変態。
流石にドン引きよ!
しかも結婚相手が「私に似てるから」ってなんだそれ?!ふざけてる?!
……っていうかさぁ、相手の女性ダイジョブ?って思ったし、心配になってたま~~に、様子を見にいってたんだよね。
まぁ、思った通り……いや、思った以上に酷かった。あれだ。結構貯め込むタイプの女性だったのがいけなかったのかもね。従順っていうか、逆らえないっていうか。中身が私とは真逆だった。女官長達のフォローがなかったら初期の頃に結婚生活破綻してたんじゃない?って思うわ。
変態王め。
ちょっとは女官長たちを労われ!てめぇに振り回される人達の気持ちも考えろ!そんなだから毎回大騒ぎなんだぞ!?給料アップしろや!休日増やせやコラ!!……と何度心で叫んだことか! 私だったら即刻辞めてる自信がある!
王妃、マジ不憫。
何かに付けて私と比較するし、私とちょっとでも違うところがあるとソコを指摘して直そうとするし、挙句に「ローゼリアではない……」よ?
妻を廃妃にして幽閉した後は「ローゼリアの偽物」「ローゼリアの劣化版」と言い放つ始末。
一体何様よ!って思った私は悪くないと思う。
お兄様はお兄様で「国王陛下様だ」なんて真顔で言うんだもん!
現実逃避は止めて!
貴方の親友は最悪の男よ!!
どっちの味方なの!?
ひとしきり騒いだら疲れてきちゃった。
お兄様が呆れた目で見てくる。
仕方ないじゃない。
あいつの愚痴を言えるのは昔も今もお兄様だけなんだから!
早く成仏しろ、なんていうけどね。
成仏できるもんならとっくにしてるって!
私的には、あいつの呪いかなんかだと思ってる。
だって度を越して執着されてるし、死んだ今だってストーカー行為は健在なんだもん!
毎朝、部屋に飾ってある私の肖像画に向かって「おはよう、ローゼリア」って言うし、執務室に行く時は「行ってくるよ、ローゼリア」って挨拶してるし!まぁ、それは良いとしても、一日の終わりに「今日の王太子」を肖像画に向かって話すのよ!止めてよね!ちょっと聞いてみたけど、まるで息子の自慢話を妻にしている感じだった。聞くんじゃなかった!好奇心は猫をも殺すってホントだわ……。マジ気持ち悪かった。
お兄様の娘。
あの子を国外に嫁がせて正解よ。
孫よりもずっと私に似てるんだもん。
あいつが知ってたら絶対に目を付けられてた!
逃がして大正解よ!
応援ありがとうございます!
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