39 / 67
39.ソニアside
しおりを挟む
今日も来ない。
何時からだろう。
レーモンの訪れる日が減った。
『いい加減にしろ、ソニア。私達はもう子供ではないんだ。何時までも学生気分ではいられない』
そんなこと今まで言わなかった!
『仕事が忙しいんだ。……話?それは重要な案件か?』
なんでそんなに冷たいの?
もっと優しくしてよ!
前は優しかったのに!
なんで!?
理由が分かった。
侍女達の話しているのを偶然聞いて知った。
レーモンが浮気してる。
相手は年上の人妻だって。
凄い美人の伯爵夫人だって。
その人に男の人はみんな夢中になっちゃうんだって。
レーモンが裏切ってた。
嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!!!
忙しいっていったじゃない!
仕事だって!!
なのに……私を裏切ってた。
どうして!!?
レーモンは私の“王子様”なんだよ?
私を幸せにする必要がある!
なのに……なんで……。
周りにいる人達が噂してる。
「やっぱりね。いつかこんな日が来るんじゃないかって思ってたもの」
「よく今まで持ったものだわ」
「ほんと。ただでさえ後ろ盾がない状況なのに、あの態度だもの」
「まぁね。でも、あれで子供がいたらまた別だったのにねぇ」
「幾ら子供は天からの授かりものだからって。懐妊の兆しすらないんだからしょうがないわよ」
侍女達の笑い声が聞こえてきた。
私、馬鹿にされてる。
子供、子供、子供、子供、子供……。
まるで呪文のようだった。
子供がいたら良かったの?
私とレーモンの子供。
子供が出来ないのは私のせい……?
違う違う違う違う違う違う!!!
私のせいじゃない!!!
こんなに苦しいのに。
こんなに辛いのに。
レーモンは助けてくれない。
私が泣いてるんだよ?
傷付いてるんだよ?
なんで助けてくれないの?
なんで会いに来てくれないの?
こんなの……おかしい。
こんなの私が望んだ状況じゃない。
だって『物語のお姫様』は「めでたしめでたし」で終わるじゃない!!
ハッピーエンドじゃなきゃいけないの!!!
ガシャン!!
「離して!!」
「ソニア……落ち着け……!」
暴れる私を護衛達が拘束する。
離して、離して、離しなさいよ!!
ムリヤリ口を塞がれた。
なんでよ!?
私が何をしたっていうの!!
夫の浮気に怒っただけじゃない!
これは妻の当然の権利ってやつでしょ!?
おかしいよ。こんなの……。
私はそのまま拘束されて寝室で軟禁状態になった。
後から侍女長に色々言われた。
「レーモンの素行を見咎めてはいけない」とか、「王太子のレーモンに手を挙げるなんてとんでもない」とか。
他にもたくさん言われた。
いっぱい怒られた。
でも何が悪いの?
分からない。
レーモンが来るたびに喧嘩になる。
その度に拘束されて怒られる。
暫くするとレーモンは来なくなった。
季節が二度巡った。
最後にレーモンの顔を見たのは何時だったかな?……もう思い出せない。
「レーモンに会いたい。連れてきて」
「それは無理でございます」
「なんで?」
「王太子殿下はお忙しいのです」
「はっ!女に会うのに、でしょ?」
「……そんな事はございません」
「ウソツキ。みんな、嘘ばっかり!いいからレーモンを連れてきて!!」
叫んだ。
何度も叫んだ。
叫ばないといけない。
だって叫ばないといつの間にかレーモンも此処に来なくなる。
ずっと来なくなる気がした。
何時の間にか来なくなった先生達みたいに。
私の願いが叶ったのは数ヶ月後だった。
何時からだろう。
レーモンの訪れる日が減った。
『いい加減にしろ、ソニア。私達はもう子供ではないんだ。何時までも学生気分ではいられない』
そんなこと今まで言わなかった!
『仕事が忙しいんだ。……話?それは重要な案件か?』
なんでそんなに冷たいの?
もっと優しくしてよ!
前は優しかったのに!
なんで!?
理由が分かった。
侍女達の話しているのを偶然聞いて知った。
レーモンが浮気してる。
相手は年上の人妻だって。
凄い美人の伯爵夫人だって。
その人に男の人はみんな夢中になっちゃうんだって。
レーモンが裏切ってた。
嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!!!
忙しいっていったじゃない!
仕事だって!!
なのに……私を裏切ってた。
どうして!!?
レーモンは私の“王子様”なんだよ?
私を幸せにする必要がある!
なのに……なんで……。
周りにいる人達が噂してる。
「やっぱりね。いつかこんな日が来るんじゃないかって思ってたもの」
「よく今まで持ったものだわ」
「ほんと。ただでさえ後ろ盾がない状況なのに、あの態度だもの」
「まぁね。でも、あれで子供がいたらまた別だったのにねぇ」
「幾ら子供は天からの授かりものだからって。懐妊の兆しすらないんだからしょうがないわよ」
侍女達の笑い声が聞こえてきた。
私、馬鹿にされてる。
子供、子供、子供、子供、子供……。
まるで呪文のようだった。
子供がいたら良かったの?
私とレーモンの子供。
子供が出来ないのは私のせい……?
違う違う違う違う違う違う!!!
私のせいじゃない!!!
こんなに苦しいのに。
こんなに辛いのに。
レーモンは助けてくれない。
私が泣いてるんだよ?
傷付いてるんだよ?
なんで助けてくれないの?
なんで会いに来てくれないの?
こんなの……おかしい。
こんなの私が望んだ状況じゃない。
だって『物語のお姫様』は「めでたしめでたし」で終わるじゃない!!
ハッピーエンドじゃなきゃいけないの!!!
ガシャン!!
「離して!!」
「ソニア……落ち着け……!」
暴れる私を護衛達が拘束する。
離して、離して、離しなさいよ!!
ムリヤリ口を塞がれた。
なんでよ!?
私が何をしたっていうの!!
夫の浮気に怒っただけじゃない!
これは妻の当然の権利ってやつでしょ!?
おかしいよ。こんなの……。
私はそのまま拘束されて寝室で軟禁状態になった。
後から侍女長に色々言われた。
「レーモンの素行を見咎めてはいけない」とか、「王太子のレーモンに手を挙げるなんてとんでもない」とか。
他にもたくさん言われた。
いっぱい怒られた。
でも何が悪いの?
分からない。
レーモンが来るたびに喧嘩になる。
その度に拘束されて怒られる。
暫くするとレーモンは来なくなった。
季節が二度巡った。
最後にレーモンの顔を見たのは何時だったかな?……もう思い出せない。
「レーモンに会いたい。連れてきて」
「それは無理でございます」
「なんで?」
「王太子殿下はお忙しいのです」
「はっ!女に会うのに、でしょ?」
「……そんな事はございません」
「ウソツキ。みんな、嘘ばっかり!いいからレーモンを連れてきて!!」
叫んだ。
何度も叫んだ。
叫ばないといけない。
だって叫ばないといつの間にかレーモンも此処に来なくなる。
ずっと来なくなる気がした。
何時の間にか来なくなった先生達みたいに。
私の願いが叶ったのは数ヶ月後だった。
応援ありがとうございます!
39
お気に入りに追加
3,032
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる