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ホワイトアウト (The End.)
【 1 】 ホワイトアウト
しおりを挟むケンの幸せそうな笑顔を見届けた後 、
アタシ は … 長い 長い眠りについた…
…… ー ー ー
… ー ー 無理やり起こされた時 、
" 私 " は 、26歳に なっていた 。
地元のスナックで 、
雇われママをやっていた 。
他人事のように 、
その環境を把握しようと 、
アタシは ぼやけた視界と脳裏で 、
うつろに眺めていく 。
目の前にいる 、ケンの姿を。
『 あっ… 』 ケン だ … 。
アタシの驚いた声は 、
" 私 " にも 、ケン にも 、届いていない。
ケンはまだ 、
" 私 " の事が 好きなんだろうか… ?
そんな事を ぼんやりと考えながら 、
眠り過ぎて疲れきっていたアタシは 、
起き上がる事も出来ず 、
真っ暗な闇の中で 、
小さな " 私 " の姿で横たわっていた 。
…… ー ー
ケンの哀しそうな顔 と 、
ケンの口から 、
シド が 難病にかかったという 、
きつい内容を聞かされていく 。
あぁ… 、だからアタシは… 、
無理やり起こされたのか… 。
何にも言えないアタシは 、
ケン と " 私 " が 、
お互いに、
肩を抱き合って泣いているのを 、
無表情なまま 、見つめていた 。
シド が 、
難病になった話を聞く前に 、
アタシ は 、
ケン が 結婚した話を聞かされて 、
何も… 考えられなくなったんだ 。
" 私 " は 、喜んで祝福してたけど 。
アタシ は ……
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