番外編 ダークサイド

rosebeer

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成れの果て

【 8 】 温度差

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「 玄関っ!」  広いなっ! 何これ!


アタシが、いちいち驚くから、

ケンはその反応を見て 、

1回ずつ声を出して、笑う 。



パタパタッ… と、足音を鳴らして、

スリッパを履いたお母さん…

お母様が 、


玄関に立つアタシ達に近づいてくる。



「 おかえりなさい 。


あらあらっ…… 、」



アタシの、

トータルコーディネートを見て、


ケンの母親が 、

キョトン と している 。



「 ただいまっ!

さっき電話で話した 、彼女 。


アンジュちゃん 。」


ケンは 、

アタシと繋いだ手を離さず、

アタシを母親に自己紹介した 。



「 あっ、どうも… 、はじめまして」


母親の、

不思議そうにアタシを見る目から、

アタシは目を反らし、

挨拶する。


ほとんど裸みたいな格好をした女を、

息子が朝一で連れてきたら、

そりゃ 引くだろうな… 。



に、しても、ケンのお母さん… 、


可愛い顔してるなぁ…。


フランス人形みたいな顔してる。


ケンは 、母親に似たんだな 。



「 あっ! どうぞ、入って 。


お父さーん! 


ケンが彼女連れてきたわよ♪」


母親は そう言うと、

家の奥に急いで歩いて行った 。



「 ねぇー 、やっぱりこの格好 、

まずいって! 何か、服… 貸して?」


ケンは笑って 、


「 じゃあ、こっちに来て 。」


と言って、

手を繋いだまま引っ張り 、


二階へと階段を上がっていった 。



二階にある、長い通路 。


沢山ある、扉 。ちょっとした迷路 。


方向音痴なアタシは 、

1人で歩けないだろうな … 。


ケンが、手を引っ張りながら、

連れてきてくれた部屋 。


「 俺の部屋だよ 。」


扉を開けて 、

先にアタシを部屋に入れてくれる 。


「 わぁ~… 」


ホテルの、スイートルームみたい 。


ヨーロッパ の、お城ですか… ?


「 何この椅子っ! 嘘でしょ?!」


アタシは、家具を見渡して、笑う。



「 ねーっ! 笑うよね!


俺、

近くで一人暮らししてるんだけど、

実家を出た瞬間 、

何故か俺の部屋が、

洋館スタイルに全改装されてた!


母ちゃんの趣味みたい!(笑)

落ち着かないよな 。


ベルサイユ宮殿みたいでしょ?(笑)」


アタシは、口を両手で抑えて、

笑いが止まらなくなる 。



「 洋服はね、

何着か残してあるんだ♪


どれがいいかな… ?」


クローゼットを開けて 、

ハンガーに掛かっている服を、

何着かアタシに見せてくれる 。



「 とりあえず 、


上半身だけ、何とかしたい 。」



上半身が 、

まるでビキニ な アタシは、


真顔で、服を選ぶ 。



「 そうだね!(笑)


俺の父ちゃん、

興奮したら困るしな!

母ちゃん妬きもち妬いちゃうから。」



「 妬きもち、とか、妬くんだ?」


服を手に取りながら 、

アタシは笑って、ケンに聞いた 。


「 妬くよ~!

父ちゃんも母ちゃんも、

すごい仲いいからね♪


ウチのミニシアターで、

映画観る時も、

隣同士に座って、

手を繋いで観てるよ!」



「 ミニシアター? 手、繋ぐ ?」


情報量が 、頭の中で整理しきれない。


聞きたい事が沢山増えていくけど、

今は とにかく、

ビキニ姿を何とかしなければ… 。





… ーー … …




「 おぉ~っ!

こりゃまた、

美人さん連れてきたな!


ケン! やるじゃねーか!」


リビングに案内されて、行くと、

ケンの父親が上座に座っていて、


アタシを見た後で 、

ケンに向かって親指を立てる 。


ケンは 、「 アンジュちゃんだよ。」

と、また、父親に紹介してくれた 。




アタシは 、とりあえず … 、


ケンのシャツを借りて 、


ワンピースのように着てみた 。


デニムのショートパンツを、

長い丈のシャツが隠してしまい、


「 逆に エロいなっ! (笑) 」と、


さっきまでケンに笑われたけれど、


ビキニで会うよりは、


マシだと、思った 。










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