番外編 ダークサイド

浮き足立ち

【 １ 】 差し伸べる手

さっきまでの気だるさが 、

磨いだ真剣で、

スパンッ！と切り裂かれたように、



頭の中が、理性とは真逆に、


不自然にスッキリしていく。



美咲が、

ナースの真似事でくれた錠剤が、

今のアタシには、合っていた 。



いい意味か悪い意味か解らないけど、

初めて飲み込んだ錠剤に、

アタシは支配されていた 。


疲れていたから 、

身を委ねられて、丁度いい… 。


副作用の、吐き気や頭痛も無い 。


頭が異常に冴えているのに、

夢の中 に いる、気持ちいい感じ 。


矛盾した感覚が、またいい 。



       彼女は 、


       薬のスペシャリスト だ 。……





だけど …… 、


何故だか…… 、




       " 私 " が 、



       すぐ隣にいるのを感じた。




幻想でも、


見せられているのかな… ？





       アタシ も 、私 も 、



       今夜 を 乗り越えられるなら 、




       それでいい 。





       それで… 、これでいいんだ 。