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迂回
【 3 】 依存性
しおりを挟むラブホテルのバスルームで、
アタシが跨がりセックスをした時は、
すぐにイッたはずのシンジが 、
今は 、異常に長い 。遅漏 。
射精に時間が掛かり過ぎてる。
作ったアタシの喘ぎ声にも、
渇いて痛む膣内にも、
そろそろ限界がきていた 。
煙草の吸い過ぎなせいか、
作ったアタシの喘ぎ声は、
次第にハスキーさを増していく。
時間の流れが、潤いを奪っていく。
「 ねぇ…… 、イッて、いいよ?」
アタシは既に、
2回 、イッたフリ を した 。
もう、いいだろ …… ?
「 まだっ、…ハァ … まだ…… ハァ … 」
正常位で腰を動かす彼の顔を、
アタシは下から見上げると、
今にもイキそうな顔をしているのに、
こんな事が1時間近くも続いている。
まるで、
別人とセックスしてるみたいだ 。
「 もう、イッて… 、お願い… 」
アタシは泣きそうな顔を浮かべる。
それも、フェイク 。
膣内が擦れて痛ぇーんだよ。
彼は、
それから10分ほど、
夢中に腰を動かした後 、
「 …ハァ …ハァ …… 顔 と、おっぱい、
どっちにかけてほしい ?…ハァ…ハァ 」
と、眉間にシワを寄せながら、
アタシに聞いてきた 。
アタシは食い気味に「おっぱい」
と、即答する 。
顔に射精とか勘弁してよ 。
ありえないんだけど 。
彼は言われた通り 、
「 あぁっ…… !」と大声を上げて、
アタシの胸に向かって、射精した 。
やっと … 、終わった…… 痛い…
バタンッ…!と、
シンジはアタシの隣に倒れ込む。
仰向けになり、呼吸を整える彼。
アタシは解放感からか、
声も出せずに天井を眺めていた 。
やっと、終わった …… 。
やっと …… 。
体中が、痛い 。
頭の近くにあったティッシュを取り、
アタシは自分で、
自分の胸に幅広くかけられた、
シンジの体液を丁寧に拭き取る。
テルは、毎回セックスの後、
アタシの体を先に拭いてくれる。
自分よりも、アタシを優先して、
丁寧に、優しく、隅々まで、
体液を拭き取ってくれる 。
" 私 " に対するシドも、そうだった。
今、
アタシの隣で力尽きたシンジは、
そんな気など さらさら無いだろう。
思いつきもしないだろう。
そして、何故、今アタシは 、
シンジとのセックスの後に 、
テル と シド を、
思い出したんだろう…… ?
わからない 。
「 …… はぁ …… はぁ …… 、
俺さっ、アンジュの事が… ハァ…
好きだから、…ハァ…ハァ… 、
嘘…… 付きたくないから、
言うけど…… ハァ …ハァ … 」
アタシが好きなら 、
まず先に、アタシの体を拭け。
「 …… なに ?」
真横にいるシンジの横顔を 、
アタシは無表情なまま、見る 。
特に何も、聞きたくはない 。
" 実は " … とか、興味もない 。
「 俺 … 、シャブ中 なんだよね。」
" リュウジくんには気をつけて "
美咲の声を 、思い出した …
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