番外編 ダークサイド

rosebeer

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手のひら返し

【 5 】 色恋沙汰

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美咲は、あれからもずっと、


ひたすらアタシに喋り続けた 。



アタシは それを、

黙って聞きながら、

繰り返し煙草を重ねて吸い 、

瓶ビールを何本も飲み続けた 。



お互いに 、閉店 まで 。



母親の再婚相手にまで、
犯された事や 、


それがまたバレた時に、
美咲の母親は、
再婚相手にではなく、

「 あんたが誘ったんだろ!」

と、責め立てて、美咲を捨てた事。


10年前に、
そんな母親は、
再婚相手と離婚していて、
探偵を使って、
わざわざ美咲を探して、

ANNA SUI の バッグに 、

苺ミルクキャンディーを
めいっぱい入れて渡し、

去っていった事 … 。


彼女は子供の頃に 、

母親が毎週必ず 、

生の苺を潰して、
イチゴミルクを作って、
飲ませてくれたのが、
嬉しかった事 … 。



悲惨な人生を 、

淡々と… 。時折、笑いながら 、

彼女は アタシに話し尽くした 。




       悲惨な 、人生 。


     よく、生きてこれたな、と思う。



噛みしめるように、

アタシはそれらを聞いていたけど、


まるで現実味がなく… 、


何も考えられなかった 。



だけど、現実に、それは起きてる。


アタシの日常の、

見えない、知らない、裏側 で 。



他人の人生になんて、

興味は無かったし、

どうでもいいと思ってきたけど… 、


泣いたり、泣き止んだりを、

繰り返しながら、

話してきた美咲を見ていたら 、



薬をやらなきゃ生きていけない人も、


酒を飲まなきゃ生きていけない人も、


煙草を吸わなきゃ気が紛れない人も、



     みんな 、同じだな、と感じた。




何かに すがらなきゃ生きていけない。


解る、気がする 。




       それが 、例え 、


       非道な 生き方であっても 。


    
       それは 、人間の弱さ 。



       弱さに、負けてるんじゃない。



       弱さを利用してでも 、



       何か を 信じたくて生きてる 。





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