番外編 ダークサイド

白夜夢

【 ７ 】 はりぼて

「 見てぇ～♪ 来てぇ～！


ツルッツルな、マットあったぁ♪」



美咲が、

子供のようにはしゃぎながら、

バスルームから飛び出してきた 。


アタシ達は、同時に唇を離す 。


美咲が、

アタシ達のキスに、

妬きもちを妬く事を、

アタシも彼も解っていたから 。


リュウジは軽く笑い 、

アタシも目を伏せて、笑った 。



「 みんなで泡アワしよぉ～♪」


美咲の可愛い声に呼ばれ 、

リュウジは振り返り、微笑む 。


「 いいね、しようか 。」



       
       今夜は 、当たりだったな… 。



       この男で 、良かったな 。…





ーー …… 




バスタブには、

溢れるほどの泡が立ち込めていた。


バスタブの底からは、

ゴゴゴゴッ… と、泡を作り続ける、

機械的な音が地鳴り、

聞こえてくる。



金色に光り、艶のある、

セミダブルサイズの防水マット 。


その横には、ローションの容器 。



美咲は 、


昔の話なのか、現役なのか、

風俗嬢の経験がある事を 、

前に彼女が話してくれた 。


「 アンジュも、やろぉ～よぉ～」


と、風俗に誘われたけれど 、



アタシは 、

ヤリたい男としか、ヤリたくない 。


だから、断った 。


こうして日替わりで男を選び、

アコギな商売？をしているのも、


アタシが、

自由に男を選べる立場だから、


アタシに主導権があるから、


だから、やれるし、ヤレる事 。



裸になったアタシ達３人は 、

互いの体をよく見る事もなく 、


立ったまま、

体を洗い合い 、

シャワーで泡を流し合う 。



「 女の子と３人で風呂とか、

初めてだなぁ！」


リュウジは、
少し照れて笑っていた。



「 ねっ？ これで４万は安いでしょ」


アタシは笑いながら 、

彼の背中に付いた泡を指でなぞり、

シャワーで流していく 。



「 しかもぉ～、時間は無制限っ♪」


美咲が、
アタシの言葉に笑顔で補足する 。



「 確かに！(笑) 安いな！」


彼は、満足そうに笑った 。


「 あいつら連れてきてたら、

５人で風呂場で… 窮屈だったな！」


リュウジの言葉に、

アタシと美咲は声を合わせて笑う。


「 確かにぃ～！(笑) 」


キャバ嬢のようなノリの、
笑い声 で 。