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白夜夢
【 6 】 はりぼて
しおりを挟む「 お風呂~♪ 泡アワしよぉ~♪」
美咲が、はしゃぎながら、
バスタブにお湯を入れる為、
バスルームまで走っていった 。
全面ガラス張りの窓際に、
アタシは立つ 。
窓ガラスに手を当てて、
星空を眺めていた 。
頭の中が、フワフワしていく… 。
「 どうした? せつない顔して。」
リュウジが、
アタシを後ろから抱きしめてくる。
「 ……… 別に 。」
リュウジを見ずに、
アタシは窓の外を眺めていた 。
「 何か、思い出しちゃった?
…… 昔の男とか(笑)」
リュウジの言葉に、
一瞬、アタシの肩が動いてしまう。
「 そんなんじゃない。」
アタシが振り返ろうとすると、
向かい合わせになった彼が 、
窓ガラスに両手をついて 、
アタシの顔周りを囲む 。
彼と、目が合う 。
アタシは今、
彼を睨んでいるかもしれない 。
変な事を聞かれたから 。
それでも、
そんな事など気にしない様子で、
彼は舌を出しながら、
アタシの唇にキスをしてきた 。
食いつくす勢いで、荒々しく… 。
アタシは、その荒々しいキスに、
対抗するように応える 。
はたから見れば 、
愛し合って、求め合っているように、
見えるんだろうか … ?
ふと、
どうでもいい事を考えた 。
けど 、どうでもいいから 、
すぐに消えていった … 。
アタシが今しているこのキスは、
お金になるキス 。
それだけの事 。
お金 が 欲しい訳じゃない 。
埋まらないものを 、
埋めたいだけ 。
それが金になるなら 、
尚、良いだけ 。……
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