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単純明快
4. 心変わり
しおりを挟む本当に 、話したくはなかった。
「 当時… 、もう、10年以上前ね 」
紫空は、飲み干してしまった後の、
氷水化したオーツミルクを、
ストローで ほんの少し飲んでから、
口を開いた。
「 やだなー、やだなー、言うの 」
棒読み口調で、
ふざけたふりをしてみた紫空は、
サムライから目を逸らす。
「 ええから。 俺、時間無いねん 」
「 何で? 」
「 ちょっと これから人に会わなあかん 」
「 … そっか。わかった 」
自分の気持ちを 晒す事、
自分の過去を 晒す事が、
好きな人を目の前にすると、
こんなに 苦しいものなんだ … 。と、
紫空は、自然と 片手で胸を抑えていた。
年齢は、関係ないんだな。
人だから、苦しくなるんだな。
紫空の気持ちを、
サムライは 見抜いていながらも、
冷静な目線を 彼女に送り続けていた。
彼女もまた、
彼の そんな優しさや 冷静さに、
意を決して、話そうと 決める。
「 当時 … 、はぁ~ …
当時、だから、10年以上前 で、
前の旦那は… 64歳? だったかな 」
うつ向いていた目を、チラッと上げて
紫空は サムライを見た。
「 ろくじゅう?! 64 て!!」
ちょっと、どころではなく
だいぶ驚きながら、サムライは笑う。
「 うん … 」
「 64歳 って、セックス出来んのか?」
サムライの 真顔な質問に、
今度は紫空が だいぶ驚いた。
「 で、出来るよ。フツーに。
ていうか、聞くな!(笑)」
「 あ、あぁー。… ほんで? 続き 」
「 ヤクザ 。
二次団体の組長で、
年収は、だいたい 数千万~1億くらい 」
紫空は、小声で伝える。
「 出たぁ~… 」
サムライは、小声で呟いた。
顔が、かなり引いている模様で。
「 まぁ、
今は、現役を 引退してるみたいだけど 」
「 ふぅ~ん … 」
「 隠居状態の組長も多いみたいだから、
当時 あの人の場合も、
若頭が、組の舵取りをしてたみたい。
本人が、そう言ってた。」
「 ふぅ~ん、何で そんな奴に、
おまえ見初められてんの?」
紫空の両肩が、ビクッと震えた。
「 そこは … 、
この話には関係ないよね?」
「 まぁ、まぁ… せやな 」
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