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かたちないもの
4. 空
しおりを挟む玄関先で、靴を脱ぐタイミングを失い、
頬を殴られたままの新は、
まだ 幼く、
思考回路すら回りきらない状態で、
唯音の父親から、
" 大人と同じ目線 " と
" 大人と同じ感性 " を、要求され続けた。
苦しかった。
とにかく、苦しかった。
応えたい気持ちは あったけれど、
新には 重たく、
光の無い問いかけばかりを
ぶつけられた。
大人は、ずるい。
自分達が、その歳になったからこそ、
やっと見つけられたものたちを、
" その歳 " にもなれずに、
" やっと 見つけられたもの " を
持ち合わせていない 若い子に、
" 正論 " 一本を、投げつけてくるから。
解る訳がないんだ。
" その歳 " に、なっていないから。
だから、解らないだろう?
思い出せないだろう?
大人になったら、見失うものたちを、
" かたちないもの " たちを、
持ってる人の 気持ちなんて。
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思い出してほしい。
そしたら、
俺の、… 俺たちの気持ちが、解るから。
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