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マジックアワー
7. 薄明
しおりを挟む「 あっ、ナツちゃん♪おはよう♪
パパ、すごく綺麗でしょ!」
長い髪をふわりと揺らしながら、
新とレントの間から顔を出すエリー。
「 う、うん… 」
朝の挨拶も忘れるほど、
ナツは複雑な心境を露にする。
新は、ナツに話していない
" 自分 " を 気にしてしまい、
苦笑いするしかなかった。
「 エリーちゃん、ちょっと相談 」
レントは、エリーに耳うちをする。
「 どうしたの?」
「 うん… 、ちょっとね。顧客の事で 」
「 わかった。あっちで話そう。
またね、ナツちゃん♪」
エリーは ナツに手を振り、
レントの二の腕に軽く触れながら、
背を向けて歩いていく。
「 綺麗な人… 、可愛い 」
ナツは、エリーの後ろ姿に見とれていた。
「 うん。可愛い人だよ 」
新は、腕を組ながら 大きく頷く。
「 パパ、あの人と再婚すればいいのに 」
ナツの意外な一言に、新は驚く。
「 え! 何で? 何だ? 急に 」
「 何か、エリーさんとパパ、お似合い 」
「 う、うーん… 」
「 だって、私が年を取ったら、
パパより先に私は死ぬんだよ?
パパ、一人になっちゃうじゃん。
ちゃんと、考えてる? そこんとこ 」
触れたくなかった事に、
ナツは 冷静な口調で、
何の迷いもなく疑問を投げかけてくる。
新は、言葉にならない 重い思いを、
顔に出すしかなかった。
「 私のせいで、
パパを一人にさせたくない 」
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