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初期設定

9. 蜻蛉玉

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「 ねぇ。どうして、新を雇ったの?

素直そうで、私は好きだけど。」


お昼休憩に、
ドリップコーヒーを淹れながら、
私は サムライに聞いた。


「 素直そうで、好きやからだ。 」

表情一つ変えずに、
サムライは オウム返しをしてきた。

「 ねぇ、真面目に。」

淹れたてのコーヒーを飲みながら、
私は軽くサムライを睨む。

「 真面目やで 」サムライは笑った。


「 … 新は、本当に向いてると思う?

 この仕事。両方、ね。」


「 せやから雇ったんやで?」


「 うーん… 、まぁ、見込んでるなら 」


「 … 1人ぐらいおってもええやろ。

恋愛に奥手な奴。おもろいと思うで 」


「 サークルじゃないんだよ?

お仕事、なんです。」


「 まぁ、俺を信じろ。

俺があいつを誘ったわけやしな。」


信じろ、か … 。ずるいなぁー … 。


それ言われたら、何も言えないじゃない。




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