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第三十話 お姉様いじりと激辛料理?(2)
しおりを挟む「うう、目に染みるぅっ……」
と、野太い声を上げながら、唐辛子や鷹の爪を切っていた。
やはり自分の声には色気というものが存在しないらしい。
唐辛子などの辛いものを切る時は、目が痛くならないためにゴーグル、後で手が痛痒くならないように手袋、
咳き込まないようにマスクを着用するのが良い。
…が、普通に目は染みるし、めちゃくちゃ咳き込む。
「こほっ、けほっ……、うう」
だが作ると決めたからには作らねばと、気合いを入れ直す。
ちなみにシアンは昨日の晩、一言も口をきいてくれなかった。
怒らせた……というよりかは拗ねているに近いが、
目が合うとぷくーっと頬を膨らませ、ぷいとそっぽを向かれてしまった。
少し悪ふざけが過ぎたかなとは思ったものの、どうしてあのように隠すのだろうか。
何か料理があれば申し訳ない気がするが、
唐辛子はお肌に良くない…とかだろうか。
でも好きな物を食べない方が体に悪いと思うのでやはり作る。
候補としてはペスカトーレ、ペペロンチーノ、
激辛チキン、サラダにかけるドレッシング、
アラビアータにカレーといった所か。
やはり麺類が多くなってしまうかもしれないが、
その方が作りやすくていいだろう。
まずはペスカトーレから作っていく。
まず、ニンニクをみじん切りにして、鷹の爪は半分に切っておく。
それからイカ、海老、ムール貝の下準備をする。
フライパンにオリーブオイルを入れ、鷹の爪とニンニクを炒める。
香りが出てきたら、みじん切りにした玉ねぎをいれ、これも炒める。それから、ローリエ、コンソメ、トマト缶を入れて煮込む。
塩コショウで味を整え、
イカ、海老、ムール貝を投入し、
貝が開くまで蓋をする。
ムール貝が開いたら、トマトソースを加え、
茹で上がったパスタとからめる。
もう……匂いが辛い。
味見しようにも辛いものはあまり普段食べないため、
気が引ける。
「ロゼ、いるか?」
「あー、いいところに!」
とユーシアスを見て笑った。
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