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第二話 悪役令嬢、剣聖に選ばれました(2)
しおりを挟む「久しいな、ヴィルテローゼ。元気であったか?」
「はい、皇帝陛下。……お久しぶりでございます。」
と、ヴィルテローゼは制服の端を摘んで礼をした。
若干、気不味い…とさらに愛想笑いが酷くなる。
「この度は、ライオスが大変な迷惑をかけただろう。
…そなたの母、ネージュ公爵も良かれと思ってそなたを皇后にと婚約することを許してくれたのに、……すまなかった。」
そう、ヴィルテローゼは母の立場を良くしたい一心で、
礼儀作法を完璧にし、見事次期皇后に選ばれた。
だがゲームではそれは逆効果となり、結果的にネージュ公爵、
ヴィルテローゼの母の立場は悪くなっていく一方だった。
が、今となっては悪役令嬢であるヴィルテローゼが剣聖に選ばれてしまったという謎のイレギュラーな事態である。
剣聖に選ばれるということは大変名誉なことで、なったからとここまで愛想笑いが重症化し、不服そうな顔をするのはヴィルテローゼぐらいである。
頭を下げる皇帝をじっと見つめる。
……普通なら「頭をどうか上げてください」と言うところなのだろうが、こちらは危うく一家もろとも破滅しかけたのだ。
そう、この皇帝の息子の理不尽によって。
生意気にもヴィルテローゼはふぅとため息をついてから
「頭を上げてください」を口にした。
「許されるとは思っていないが……」
「ええ。皇太子殿下のせいで私は、いえ、ネージュ家は破滅しかけました。
私の母の立場が貴族会であまり良くないことをご存知ですよね?」
そう、ヴィルテローゼは怒っていた。
皇帝に向けていい感情でいい感情ではない。
だが、なら誰に怒りをぶつければいいというのか。
でもいたって冷静に、スウと息を吸い、吐く。
「申しわけありません、皇帝陛下。
どうかお許しいただけないでしょうか。」
と膝をヴィルテローゼが付くと、皇帝は予想通り慌てふためきだした。
「そなたがそんなことをせずとも良い!!
ど、どうかっ……」
「…慈悲深いお心遣い、感謝いたします。」
「ねぇ陛下ァ、そろそろローアンに説明をしないとォ。ね~?」
と、シアンがヴィルテローゼの肩にポンと手を乗せる。
「あ、あぁそうだったな……。シアン、シュリ、ハヤテ…、ローアン。座ってくれ」
「はあーい」
その場にいた皇帝を含める5人が着席する。
「さて……、では話を、説明をしよう。
まずヴィルテローゼ。お前は聖剣、ブリューナクに選ばれた。」
「…そのように聞いています。
このような不躾なことを口にして良いのか分かりませんが、
それが何かの間違い……だということはありませんか?
そう、あの場にいたのは私だけではなかったですし……」
だがさすがにこの言い訳は苦しい物だった。
なんせ騎士団長であるユーシアス・ヒルデが、
"ヴィルテローゼ嬢にこの遺跡は反応している"と証言したのだ。
「だが騎士団長のユーシアスがお前に遺跡が反応していると言ったそうじゃないか。
先程調査に向かった者たちからもアオイ嬢に反応したものでは無いという報告が入っている……。」
「そんな……」
何かの間違いだと思いたかった。
ヴィルテローゼは口元を押え、肩を震わせた。
自分が剣聖であることが、ここであっさりとすんなりと、
証明されてしまった。
「そんなーって、アンちゃん嬉しくないの?
アンちゃん陛下に怒ってたけどさー、剣聖に選ばれればお母様の立場だってアンちゃんが皇后になるより上がるとおもうよ?
まぁ皇太子がおバカさんだからなのもあるけど、剣聖になることは
この国でとってもとっても名誉なことなんだから。」
……そんな名誉など欲しくない。
転生してきたことに気がついたら今度は剣聖だなんて。
ただ、平凡に暮らしていたい。
剣聖ではなくただの公爵令嬢として……だ。
「…そんな名誉、いりません。」
「…あらら、そんなこと言ったら騎士団中の奴らに睨み殺されるね。」
「突然の事で戸惑ったであろう。
……そうだな、
そなたの願いを1つ叶えよう。私に出来ることならその願いを叶える。……だから、これを、ブリューナクを受け取り、
ローアン・ゼロ・ブリューナクを名乗り、聖剣を取り剣聖になってくれ。」
スっと差し出されたのは、剣……と呼べるものではなかった。
「…これが、聖剣?」
「そうよォ。聖剣ブリューナク…、剣の形はしていないけれど。立派な剣。ううん、そおねェ……、どの指ならぴったりかしら」
戸惑うヴィルテローゼに、シアンはブリューナクと呼ばれた指輪を、聖剣を取り、そして……薬指にはめた。
「あらぴったり。今日から頑張るのよ、ローアン。」
「…はい。」
指輪がはめられた瞬間、ぶわりと風邪が巻き起こる。
そして、髪色が変わっていることに気がつく。
着ている服は…一緒だったが、ゲームでヴィルテローゼの自慢だったハニーブロンドは、白髪に変わっていた。
「…?」
「あぁ、剣聖の武器を身につけるとそうなるのは当たり前だからね。聖剣が、ブリューナクがあなたを選んでくれた証なんだから。綺麗よローアン。」
「じゃあぱぱっと騎士団の野郎共に紹介しちゃおうかしら。
他の剣聖は生憎今日別任務が入っているのよね~。
もう集めてあるから、行きましょ!」
グイグイと手を引っ張られる。
……このままの格好で?と眉を潜めた。
このままいけば王立学院の生徒ですよとバラしているようなものだ。
それではヴィルテローゼがどこの者かバレるのは時間の問題で、
調べさえすれば、ヴィルテローゼが公爵令嬢で、皇后になるはずだった剣とは全く関わりのない人間だと分かってしまう。
そうすれば騎士団の不満は高まるだろう。
なんせなんの努力もせずに剣聖に選ばれ、聖剣を扱う女を、
騎士団の者が良しとするはずがない。
だがそんなことを考えているうちに花びら舞う広間に出ていた。
そして塔のような所に立たされる。
「はァい注目!!今日剣聖に選ばれたローアン・ゼロ・ブリューナクに注目!!」
シアンの声で一気に注目が集まったのを全身で感じた。
……困ったな。
「剣聖…?あんな子騎士団にいたか?」
「しかも学生服着てるぜ。女の子だし……」
「女に剣聖なんて務まるのか……?」
ほら見ろと表情を暗くした。
「学生」、「女」、「騎士団にいなかった人間」……。
そんな人間が騎士団のトップになるなど本来ならありえない。
しかも剣聖に亡くなった者はおらず、異例の「十三番目」。
「…あの子ってもしかしてネージュ公爵の……」
「あれ、でもハニーブロンドじゃなかったっけか?」
「でも剣聖になって聖剣を持てば髪色や目の色が変わることはおかしくないらしいぜ。」
「じゃああの子……、ネージュ公爵令嬢?
なら……、剣と何も関わりのない世界の人間だったんだろ?
そんな人間が何で努力もせずに剣聖なんかになってんだよ。」
「ネージュは公爵だけど…、女公爵だからそんな力もコネも使えるとは思えないし……」
ガヤガヤと声が鳴り止まない。
「ちょっとあんた達ねェ……!!」
シアンが怒りの声を荒らげようとした時だった。
ヴィルテローゼが、いや、ローアン・ゼロ・ブリューナクが声を発したのは。
「お初にお目にかかります、シャティエル帝国騎士団の皆々様。
ローアン・ゼロ・ブリューナクと名を頂きました。
皆様がおっしゃる通り、私は剣と何の関わりもなかった人間です。
ですので…ご迷惑をかけることもあると思いますが、何卒、よろしくお願い致します。」
と頭を下げる。
それに騎士団の連中は拍子抜けだという顔をして、ポカンとしていた。
それは普通の挨拶だったからだ。
まるで、新人が仕事先に挨拶をするような、そう、普通の……。
「ですけれど」
驚くほど冷たい、酷く冷たい声が周りを氷漬けにした。
バキョッという音をたてて、ローアンの前にあった机にヒビがはいる。そしてシュウウ……という音をたてていた。
「……私のことは何とでも仰ってくださいな。
剣とは無縁の世界で生きていた令嬢風情が剣聖となるなど、皆様が不満を感じるのはごもっともでしょう。それは私も理解しております。ですが……、」
ローアンは、前世カフェで働いていてカフェの悪口しか言わぬ老人に向けていたスマイルをつくる。
そう、口は笑っているのだ。…口は恐ろしい程につり上がっているが、目は死んでいる。
「お母様の…、母の悪口や母に後ろ指を指す者がいれば……、
潰しますよ?」
"何を"…とはわざと言わなかった。
「いいですか、言いましたからね?
もし母の陰口なんて言っていれば、絶対…、ふふ、絶対ですよ?
潰しますから。……潰しますから。」
ひイイと騎士団の男共は下半身を押さえた。
「に、2回言った……」
「言葉には気をつけよ……」
「十三番様怖ぇ……」
「はいはーい、男共は下半身が凍りついたかもしれないけど、
剣聖の彼女の言うことをよく聞くこと。いいわねェ?」
『ぎょ……、御意っ!!』
話が終わってからローアンは自分がとんでもないことを言ったことに気づき、「終わった……✩.*˚」しか口にしていなかった。
「大丈夫よォ。野郎共にはいい薬だわ~。
何だかスカッとしちゃった。」
「シアンさん……」
「お母様の悪口言われていい気になる子なんていないわよ。
あなたはよく我慢した。好きでなったわけじゃないのにねェ?
もしかしたらあそこで"なりたくてなった訳じゃない"ってブチ切れてもおかしくないと思っててたけれど、あなたが冷静でよかった。そして剣聖として立派だった……。お母様のこと大好きなのね。」
「はい……」
転生者とはいえ、0歳児からヴィルテローゼだったのだ。
母である公爵は馬鹿にされようが蔑まれようが、父から公爵を預かり、ネージュ家を守っている立派な女性だ。
だからヴィルテローゼの兄弟もヴィルテローゼも母を尊敬していた。
「いい子いい子~。よしよし」
とポンポンとシアンがローアンの頭を撫でる。
「それにねェ、騎士団の人間が努力してるように、あなたも努力して来た。騎士団の野郎共はあなたみたいに皇后になる礼儀作法も知らないし、ましてやダンスだって踊れないわよォ。だから威張ってて、胸張っていいんだからァ。」
シアンは、やはりゲーム通り優しい。頼れる男性というよりかはお姉さんって感じなのである。
「じゃあ帰ってて大丈夫よ。」
「え、何か仕事とか……」
「あー、あのね剣聖は実務は基本的ないのよ。
基本的、騎士団にこなせないような大変な仕事をパパーッと済まして報告書書いたら帰っていいの。ホントは剣聖っていってもただの雑用だから。」
……今の説明はあまりよく分からなかった…。
シアンはホンワカしているが、No.1ということは剣聖のリーダーであり、この国で1番強い力を持つ者のこと。
きっと自分が考えているよりちゃんとしているのだろう。
「さ、明日は買い物に行くから準備しておいてねェ」
「……買い物?」
「そう。あなたが剣聖として戦うための衣装が必要でしょ?
動きやすそうで可愛いのを選ばなくっちゃ」
確かに、剣聖の3人は騎士団の隊服を着ていない。
シアンの服装はファンタジー小説で見るような騎士様みたいな格好、シュリは謎にセーラー服。ハヤテは黒のローブを着ている。
「あなたの騎士団での評判はハッキリ言っていい物とは言えないから、いい作戦があるのよォ」
「作戦?」
「そ。あなたはピンチの時に必ず現れる女神様になるの」
「……?…??」
「しーちゃん、その説明だと分かりにくいよ…?」
「そーだぞオネェ」
「お姉ちゃんって呼べっつってんだろうが」
……今の野太い声が素なのだろうかとすこし身構えてしまった。
「ゴホン、でね、あなたは誰がピンチの時に呼ぶから、それを助けるの。もう死にそーって時に助けてくれた剣聖なんて女神様でしょ。後はそうねぇ、出来るだけ慈悲深い態度を取ること!
それを続けることであなたの信用や株は自然と上がる。」
なるほど…と頷く。
ピンチの人を助けることを繰り替えし、剣聖としてちゃんと戦えることを証明しつつ、株を上げる……、そういうことか。
「さすがリーダー」
「さすがぁ~」
と、シュリとハヤテがシアンを褒める。
「いやぁんそれほどでもォ~、あるけど~~」
「え、キモ」
「キモいぞ~」
「何なのよあんた達っ!!」
それを見てクスリと笑う。
……というか、それ以前に自分に戦う力はあるのだろうか。
薬指にはめられた指輪をじっと見つめる。
「……ブリューナク…」
そう、自分の武器の名を呼んだ時だった。
地面から聞いたこともない、ゴゴゴゴゴという音がして、
巨大な蔓が姿を表した。
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